身体の冷え対策に生姜のスライスを甘酢や、リンゴ酢につけたものをお湯で割って、はちみつを加え毎日飲むのも、血行改善効果があります。また、足首や、手首などの運動も効果的日頃から筋肉を鍛えて、筋肉量を増やしましょう。
秋バテ:してませんか 冷え、ストレス原因 重ね着、湯たんぽ…体温めて
涼しく過ごしやすい秋になっても、体のだるさが抜けない。そんな症状を感じたら、体の冷えやストレスが引き起こす「秋バテ」かもしれない。今年は東日本大震災の影響でストレスを感じる人が多く、秋バテに悩む人が増える可能性も高い。東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニックの川嶋朗所長(53)に対策などを聞いた。【五味香織】
暑さで体調を崩す「夏バテ」は秋になると自然に改善される。だが9月以降も体調が回復しなければ秋バテの恐れがある。川嶋所長によれば、秋バテは眠気や体のだるさを感じたり、やる気が出ないもので、症状は夏バテと似ている。原因は冷えとストレスで体の血液循環が悪化することだ。
通常の秋バテは、夏に過剰な冷房にあたって体が冷え、体温調節機能がうまく働かなくなるケースが多い。今夏は節電対応から冷房のダメージは少ないが、逆に冷たい飲み物をとる機会が増えがちだった。川嶋所長は「内臓が直接冷やされ、冷房にあたるより悪影響があった」とみる。
さらに、震災被害や原発事故による放射能汚染問題が不安感を生み、ストレスが増している。医師や企業で作る「血めぐり研究会」が6月、全国の20〜60代女性900人に実施した調査では、震災後にストレスと疲労感を感じるようになったとの回答が全体の約4割に上った。ストレスを感じると緊張が高まり、血管が収縮する。このため血液循環が悪化し、体温を保てなくなるという。
改善にはどんな方法があるか。川嶋所長は▽重ね着▽湯たんぽの使用▽冷たい飲み物・食べ物を避ける▽上手な入浴▽適切な睡眠――を挙げる。
まず重要なのは体を冷やさないことだ。「保温性の高い下着などを身につけ、大きな筋肉がある二の腕や太ももを覆うと効果的。太い血管が体表面近くを通る首と手首、足首も冷やさないように」という。足の付け根や腰、おなかなどに湯たんぽを当てるとよい。使い捨てカイロも活用できる。
「飲み物は常温以上で口にした方がよい」とも。ワイン1杯程度など適度なアルコールも体を温める。入浴は38〜39度程度の「微温浴」がよく、30分間ほどゆっくり湯につかり、入浴後は早めに寝て体を休めることも大切。食事の時に1口30回程度かんだり、通勤時に階段を利用するなど適度な運動も体を温める。
川嶋所長は「自分の体力に合わせて無理をしないように。重ね着も体を締め付けないよう注意して」と呼びかける。