甲状腺がん 専門医の菅谷・長野県松本市長、
チェルノブイリの教訓語る 母親ら385人が傾聴 茨城・ひたちなか
◇「自分で考えて」
甲状腺がん専門医で長野県松本市長の菅谷昭さん(68)の講演会が2日、ひたちなか市の市文化会館であり、「いま、ここでできること〜チェルノブイリをくり返さないために〜」との演題で内部被ばくと甲状腺がんについて語った。市内の母親たちでつくる「希望のかけはし会」の主催。集まった約385人が耳を傾けた。
菅谷さんは、1986年のチェルノブイリ原発事故後、96〜2001年までベラルーシに滞在。国立甲状腺がんセンターなどで子どもたちの治療に携わった。
講演で菅谷さんは、チェルノブイリ原発事故後のベラルーシの子どもの甲状腺がんの推移を示したグラフをスクリーンに映し、「子どもにはまれな甲状腺がんが増えた」と述べた上で、呼吸、皮膚、口から放射性物質を取り込み内部被ばくするとして、「三つの経路を断てば内部被ばくは起こらない」と指摘。子どもを持つ親に対しては、「下を向かずに力を合わせて乗り越えてください。政府に頼らず自分で考えるしかない」と語りかけた。
質疑応答で、水戸市内の女性が「茨城でも甲状腺の検査をした方がいいですか」と質問。菅谷さんは「心配するならホームドクターをつくって相談してください」と答えた。【杣谷健太】