犬や猫などのペットを室内で飼う人が増えています。2008年の15歳未満の子供の数は1725万人ですが、犬や猫の飼育数は2271万匹と子供の数より多い状況です。気をつけたいのが感染症のリスクです。ペット感染症は正式には「人獣共通感染症」といわれ、病原体としてはウィルスやリケッチャなどの小さな微生物、細菌や原虫、寄生虫など様々で、犬や猫にとって正常な菌も人間の体に入ると病気を引き起こすことがあります。
犬や猫を室内で飼っている場合に気をつけたいのが、パスツレラ症や皮膚糸状菌症、ネコひっかき病などです。猫の100%、犬では75%が口腔内にパスツレラ菌を持っていて、人が噛まれるなどして感染すると化膿などの症状や、同じ部屋で寝ている間に口をなめられたりして、喉に炎症を起こすことがあります。
ネコひっかき病は猫に引っかかれた時に猫がバルトネラ菌を保有していた場合、リンパ節が大きく腫れたりすることがあります。これはノミが菌を媒介するため、猫が噛みつぶしたときに口腔内に菌が侵入していて感染し、自分の脚を舐める習慣で爪先に菌がついている場合、感染することがあります。
猫に症状が出ることはほとんどなく、感染予防としては猫の爪を短く切っておくことが必要です。
他にトキソプラズマ症やQ熱、カプノサイトファーガ感染症やインコ類から感染しやすいオウム病があります。亀を飼っている家庭で気をつけたいのがサルモネラ症です。食中毒を引き起こすサルモネラ菌は、犬や猫は低いのですが亀の保有率が高く、亀を触った手を子供がなめて感染することが考えられます。手洗いが大切ですが、水槽を台所で洗ってしまい、食材を通じて感染する場合もあります。
過度に恐れることはありませんが、感染症を防ぎ、ペットと一緒に長く楽しく生活するには、ペットに口移しでエサを与えたり、一緒に寝たりなど、過度の接触行為は控えることが大切です。