ムチン・コリンがメタボを救う!
 

余分なコレステロールを吸収血圧の上昇を抑制する 長イモ

管理栄養士 角田菜摘

芋類の中で唯一生食できる長イモ
[ヤマノイモ科・ヤマノイモ属の植物]

長イモの原産地は中国雲南省。紀元前2000年ごろから、もう薬として重用されていたそうです。朝鮮半島から伝わり、日本でも古くから栽培され、様々な形状の長イモが、今では全国各地で生産されています。

それとは別に、日本や台湾には、山野に自生している自然薯(じねんじょ)と呼ばれている種類もあります。なかなか入手が困難で、天然のものは高価ですが、最近では、栽培されたものも出回っているようです。

ヤマノイモ属は、この自然薯の他に、長イモ、大薯の三グループに分けられますが、いずれも栄養価に大変優れています。それはネバネバ成分の「ムチン」を含んでいることです。消化がいいスタミナ食品なのです。消化酵素を非常に多く含み、同時に食べた食品の栄養も無駄にするととなく吸収してくれます。

他にもコリンやサポ二ンなど注目成分も含んでいます。芋の中で唯一生食できる食品です。

ムチンがメ夕ボを救う!
ネバネバ食品のチカラ

長イモはムチン、コリンを多く含むネバネバ食品の代表格です。特有の粘りを持つムチン。消化管の粘膜をガードし、胃酸から胃壁を守リ、胃の消化活動を助けます。

たんぱく質の消化吸収を助けるため、お肉やお魚との相性もばっちり!胃もたれ・胃炎・胃かいようの予防が期待されます。

また、腸の粘膜も保護してくれる事と、食物繊維の作用で、腸内環境を改善し、便秘・大腸がんの予防効果の他、感染症予防も期待できます。余分なコレステロールの吸収を抑えてくれる効果もあると言われています。

物忘れの予防に?コリンの威力

長イモに含まれるたくさんの健康成分のなかの一つであるコリン。

コリンは神経伝達物質である”アセチルコリン” やコレステロールが血管壁にたまるのを防ぐ”レシチン” の材料になることで、脳の働きを良くする作用や、動脈硬化を予防し、血圧を正常に保つ作用も期待できます。

ムチン

大根の3倍もある消化酵素

長イモに含まれる様々な消化酵素。中でもジアスターゼ(アミラーゼ)は、多く含まれるとされる大根よりも更に豊富に含まれています。

その量、大根の3倍とも!
でんぷん(炭水化物)の消化吸収を助け、胃腸の働きをよくするため、ご飯との
相性もばっちり!

ただし、酵素は熱に弱いため、生で、細かく切ったりすりつぶして食べるのが
おすすめです。
生で食べる事で、酵素以外のカリウムやビタミンC、ビタミンB郡も効率良く体に届きます。

とは言え、飽きずにおいしく食べるためには、加熱調理もおすすめです。
生の”しゃきしゃき”” とろとろ” とは違う、”もちもち”” ほくほく”が味わえます。

2012年5月31日 提供:まざすま