実は、歯科クリニック内も多くのPM2・5に曝されています。清掃状態のよくない患者さんの口の中を超音波スケーラーやタービンで削ったり、クリーニングしているときに、かなりの細菌微生物の死骸、破片が噴霧状態で舞い上がります。術者、デンタルスタッフはしっかりしたN95以上のマスクを鼻にフィットさせ、防塵メガネが必要です。理想ならN100マスクが良いです。
治療前に患者の口腔内を染だし、セルフケアと術者ケアを行う。本格治療に入る前に、初期治療でしっかりオーラルケアモチベーションを上げ、染めスコア(S)を毎日24時間、20%以下の状態をキープさせる、そのためにしっかりWF式フロスケア、3AM,CHX液使用などをキープさせて、バイオフィルム発生を抑えた口腔内にしておく。
噴霧が舞い上がるのを防ぐには、超音波SCやタービン器具を使う場合には、@できるだけ弱いパワーで使う。Aバキュームをできるだけ近いところにセットして吸引効果を上げる。
特に初期治療開始ごろは、超音波を用いずに、ハンドツールで歯石除去する。ハンドでのケアをする。
むし歯の形成、感染歯質の除去には、低回転、低噴霧で、エンジェルタッチでおこなう。
患者の口腔内から外した入れ歯、仮歯、修復物など唾液がついた状態で、エアーブローしないで、水洗ブラシをしてから塩素消毒液をくぐらせて、ティッシュやペーパータオルで乾燥させる。削合はチェアサイドでは行わず、ラボックス内でバキューム下で行う。
診療器具など、使用した器具は乾燥状態にせず、使用後すぐに消毒薬液に漬けて置く。特に血液などの付着した器具の扱いに注意を払う。
歯科医の人生が一般平均寿命より短いのは、多くの粉じん、感染粉じんなどを吸引しているからです。
これから春には外出にもN100マスクと防塵めがねは必要でしょう。
中国からの飛来が懸念されている微小粒子状物質(PM2・5)について、環境省は18日、大気中の濃度が高くなった場合に外出や屋内の換気を控えるなど、注意喚起のための指針を作ることを決め、専門家会合で骨子案を示した。
指針は月内にまとめる。
西日本でのPM2・5の濃度は、偏西風の影響で中国大陸から黄砂が飛来する3-5月には、今よりさらに高くなる可能性があり、同省ではその前に対応する必要があると判断した。
指針は、法的な警報や注意報ではない「暫定的指針」との位置づけで、いったんまとめた後も、健康影響の新たなデータを加味し、見直しを図る。注意喚起をする基準の濃度は、環境基準値(大気1立方メートル当たり1日平均35マイクロ・グラム以下)を参考に決める予定だが、「環境基準値よりも緩和してもいいのではないか」「心臓や肺に疾患のある人用に別の基準を設けるべきではないか」との意見もあるという。