鳥インフル感染88人 ウイルス検出のハト死ぬ
【北京、上海共同】中国江蘇、河南両省と上海市の政府は18日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の新たな感染者がそれぞれ1人ずつ確認されたと発表した。浙江省政府も新たに2人の感染が確認されたと発表した。中国全体の感染者は死者17人を含む計88人になった。
また、江蘇省南京市当局は18日までに、野鳥で初めてH7N9型ウイルスが検出されたハトが、市中心部の住宅地区で死んだ状態で見つかったことを明らかにした。市当局は、野鳥の死骸を見つけても近寄らないよう市民に注意を呼び掛けた。
河南省で新たに感染が確認されたのは、鄭州市の38歳の男性。生きた鳥の販売に従事していた。
上海市では、家族2人が感染していたケースが新たに判明。同一家族での複数の感染者確認は2例目。中国疾病予防コントロールセンターの馮子健(ひょう・しけん)主任が、H7N9型ウイルスに感染し死亡した上海市の87歳の男性について、男性の子ども1人もウイルスに感染していたと明らかにした。
男性の子ども2人のうち1人から検出。もう1人は死亡しており、サンプルが得られないという。馮主任は「限定的な人から人への感染が起きたのかどうか、まだ明確に判断できない。研究を続けている」と述べた。
上海市政府は、家族内で複数の感染者が出たケースとして、別の夫婦2人の感染も確認している。
疑い段階で抗ウイルス薬を CDCが医療関係者に
【ワシントン共同】米疾病対策センター(CDC)は18日、中国で広まっているH7N9型鳥インフルエンザの感染者や感染疑い例が米国内で出た場合、タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬の投与を早い段階から始めるよう医療関係者に助言した。
CDCは、現時点では家族間など限定的な人から人への感染例にとどまっているが、感染力が今後高まる可能性があると指摘。有効なワクチンが存在せず、重症化して死亡する割合が高いため、重い症状を示してH7N9型ウイルスへの感染が疑われる患者には、遺伝子検査で感染が確定する前から抗ウイルス薬の投与を始めるよう求めた。