レプトスピラ症 注意を 犬から人にも感染
京都・丹後保健所、ワクチン接種呼び掛け
レプトスピラ症:注意を 犬から人にも感染 丹後保健所、ワクチン接種呼び掛け /京都
4月から狂犬病の予防接種が始まった。犬と人を病気から守るために重要だが、近年、レプトスピラ症と呼ばれる感染症にかかる犬が相次いでいることを、みやづ動物病院(宮津市滝馬)の藤田研院長らが確認し、丹後家畜保健所に報告した。人にも感染し、重症化すると肝臓や腎臓に障害を引き起こす。家族の一員として室内で一緒に過ごす飼い主は増えており、府丹後保健所はレプトスピラ症を含む混合ワクチンの接種も勧めている。【安部拓輝】
農村部などで昔からあった病気で、ほとんどのほ乳類に感染する。保菌するネズミなどの尿が混じった水を介して広がり、街中でも飼い犬が散歩中におしっこをした電柱などをなめて菌を取り込むことが考えられる。
みやづ動物病院では03年から今年2月までに15匹の感染を確認。6匹は死んだが、定期的にワクチンを接種していた犬の大半は助けることができた。藤田院長は「以前は夏バテだろうと様子を見るのが通例だったが、少しの異常でも病院に連れてくる飼い主が増えて早期の発見が増えたのでは」と話す。
府内17カ所の動物病院から10年度に発生報告があったのは4件(府まとめ)だけだが、宇治市の微生物化学研究所によると、予防に関心の高い三重県や福岡県の獣医師会では12年までの9年間で50匹上の届け出が寄せられている。
洪水で汚染が広がるタイでは11年に3000人超が感染した報告があり、国内では下水や電柱工事の作業員が感染したケースもみられる。千葉県獣医師会の調査では室内犬からの発生報告も寄せられている。府丹後保健所は「餌の口移しやキスなどは注意が必要。適度な距離を保ってほしい」と呼び掛けている。市町の集合注射は狂犬病のみ。他の混合ワクチンは、かかりつけの獣医に相談を。