牛豚過多で糖尿病の危険増 男性のみ、6万人追跡調査
 


 牛肉や豚肉を1日当たり83グラム前後と多く食べる男性は15グラム前後と少ししか食べない男性より、糖尿病になるリスクが42%高くなるとの研究結果を、国立国際医療研究センターと国立がん研究センターのチームが21日発表した。女性ではリスクの増加は見られなかった。

 チームは、1990年代後半に全国の11保健所管内に住んでいた45〜75歳の男女約6万4千人を平均で5年間追跡。その間に約1200人が糖尿病と診断された。

 開始時に行った食事に関するアンケートを基に、肉の推定摂取量で4グループに分類。糖尿病に関連する他の要因を除いて解析すると、男性で1日当たりの牛豚肉の摂取量の中央値が83グラムと最も多いグループは、15グラムと最も少ないグループに比べて発症リスクが42%高かった。時々まとめて食べるか、毎日食べるかといった食べ方の違いは考慮していない。

 ハムやソーセージなどの加工肉や鶏肉の摂取量では、男女とも糖尿病との関連は見られなかった。結果をまとめた国際医療研究センターの黒谷佳代(くろたに・かよ)上級研究員は「牛肉や豚肉を多く食べている人は、一部を鳥や魚に置き換えてみてはどうか」と話している。


2013年5月21日 提供:共同通信社