小児発達とゲーム利用の関連性を認識すべき
米国小児科学会(AAP)は7月29日、8-18歳の男児141人の親を対象としてビデオゲームの利用状況を調べた結果を、AAPの機関誌であるPediatrics誌に発表した。自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、定型発達の見られる男児の3群で比べると、ASDやADHDの男児において「ゲーム中毒」とも言える状況が浮かび上がった。
この試験の結果によると、ビデオゲームのプレーに費やす1日当たりの時間が、ASDを有する男児群(2.1時間)において、定型発達を遂げている男児群(1.2時間)よりも大幅に長くなっていた。また、ASDを有する男児、ADHDを有する男児の群では、自宅の室内でビデオゲームを利用できる割合、ならびに、問題を伴うまたは依存的なビデオゲーム利用のリスクが、定型発達男児群よりも高くなっていた。
ASDまたはADHDを有する男児群では、多動ではなく、注意欠陥について、問題を伴うビデオゲーム利用との関連性が認められた。また、ASDを有する男児群では、ロールプレイングゲームを好む傾向とビデオゲームの問題ある利用との間に、特に高い関連性が認められた。
この試験の報告文献の著者らは、こうした所見が、ASDやADHDを有する小児における問題を伴うビデオゲーム利用について、認識を高め、評価を実施していくことの必要性を示している、と述べている。
【関連リンク】
Boys with ASD or ADHD Are at Increased Risk for Problematic Video Game Use
2013年8月6日 提供:米国学会短信