【蘭州(中国甘粛省)=鈴木隆弘】中国江蘇省の疾病予防コントロールセンターは6日、感染者が相次いだ鳥インフルエンザ(H7N9型)で、ヒトからヒトに感染したとみられる事例を確認したと英医学雑誌「BMJ」(電子版)に論文を発表した。
感染力は弱く、感染拡大の恐れはないとしている。
論文によると、江蘇省の60歳の男性から32歳の娘への感染を確認。男性は生きた鳥を扱う市場に出入りした後、3月11日に入院、5月4日に死亡した。娘は生きた鳥との接触はなく、3月21日に発症、4月24日に死亡した。2人が感染したウイルスを調べたところ、遺伝子がほぼ一致した。
世界保健機関(WHO)は、家族の中で複数の感染者が出た事例はあるが、「ヒトからヒトに感染した証拠はない」としていた。