バランスの取れた栄養成分
キヌアを米、小麦、大麦などの穀物と比較してみると、タンパク質は2倍〜やや多い傾向を示す。更に、脂質は1.5〜3倍、食物繊維は2〜10倍、灰分は2〜8倍。一方、デンプンなどの糖質は3/4程度の含有で、全体的に極めてバランスの取れた一般栄養成分を持つことが分かる。
キヌアの特徴として、アミノ酸バランスの良さも挙げられる。必須アミノ酸組成は下表に示す通り、キヌアには必須アミノ酸すべてがバランス良く含有されている。
また、キヌアはミネラルとビタミンの優れた供給源でもある。特に、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄は、白米、小麦、大麦などの穀類の3〜10倍の含有を誇る。ビタミンもE, B1, B2, ナイアシンを比較的多く含む
キヌアの果皮には、血中や肝臓コレステロール低下作用があるのと苦み成分サポニンが含まれている。(一般には果皮を取り除いた精白粒が用いられる)また、カビの発生を抑える抗真菌活性物質の存在も認められている。
アンデスでの伝統的調理法
アンデス地方ではキヌアの粒が粥として、或いは肉、ジャガイモ、トウモロコシ、野菜などと共にリゾット風スープとして伝統的に食されている。また、キヌアの粒を挽いた粉を使って無醗酵パンや団子が作られている。
キヌアの応用
欧米では、シリアル、パスタ、スナック、フード、リゾット、スープの調理に、或いはレトルト食品や冷凍食品などの加工食品のレシピとしても利用されている。
麦と異なりアレルゲンを持たないことから、アトピーなど穀物アレルギーに悩む人の為の「除去食」或いは「回転食」に適している。ふんだんに含まれる繊維質は便通改善、肥満防止、コレステロール値を改善し、高血圧の予防にもなる。鉄分やカルシウムが多いので骨粗しょう症の予防にも効果的。
精白キヌアは味に癖がなく、単独でも他の食材とのコンビネーションにおいても幅広い応用が可能である。日本や欧米諸国では、ビスケット、飴、キャンディー、かりんとう、おこし、せんべい、味噌、醤油、キヌア茶、スープなどへの応用例がある。
家庭でのキヌア調理法
@ キヌアを良く水で洗う。
A 鍋にキヌア1カップと水2カップを入れ15分程煮込む(歯ざわりを残したい時は気持ち短めに)
B 皮がはがれ、中の実が半透明になったら出来上り。
※ @〜Bの手順で作ったキヌアは、ピラフ、炊き込みご飯、お粥、スープ、フライの衣等としてお使い頂けます。
※ 水を切って冷蔵庫に入れておけば、作り置きも可能。