糖尿病発症の仕組み解明
熊大・北村准教授ら


糖尿病発症の仕組み解明 熊大・北村准教授ら

慢性的な炎症というのが怖いんだな。飽食や肥満により肝臓内のタンパク質分解酵素「プロスタシン」が減少が起きると・・・・
歯周病もそれだ。プロスタシンで歯周炎の過剰な炎症を抑えられる?

 

 熊本大大学院生命科学研究部の北村健一郎准教授(48)らのグループが11日、飽食や肥満により肝臓内のタンパク質分解酵素「プロスタシン」が減少して慢性的な炎症が起こり、糖尿病へ進む仕組みを明らかにしたと発表した。糖尿病の指標としての利用や、新たな治療法の開発につながる成果としている。

 北村准教授らは、プロスタシンが腎臓で働いて高血圧に関与することから、2007年から肝臓についても研究を始めた。

 研究の結果、肝臓でプロスタシンを生成できなくしたマウスが、糖尿病を発症することを確認。正常な肝臓と比べたところ、炎症が強く起きていることが分かった。

 続いてプロスタシンと炎症の関連について研究。肝臓内のリポ多糖(LPS)やパルミチン酸(PA)が結合して炎症を引き起こすタンパク質「TLR4」を、プロスタシンが壊していることを突き止めた。正常な肝臓では、プロスタシンがTLR4を破壊して、過剰な炎症を抑えるという。

 一方、ウイルスを使いプロスタシンを強制的に生成させたマウスでは、過食や肥満にもかかわらず糖尿病を発症しなかった。このほか、ヒトの健診データから、血中プロスタシン濃度と糖尿病や肥満との関連も明らかにした。

 北村准教授は「プロスタシンを補ったり活性化させたりして、糖尿病の新しい治療法の確立につなげたい」と話している。(鹿本成人)


2014年3月13日 提供:熊本日日新聞