子どもの情動に影響可能性 妊婦のウイルス感染で
三重大、ラットで確認


子どもの情動に影響可能性 妊婦のウイルス感染で 三重大、ラットで確認

 妊娠中にウイルスに感染すると、理解力や感情のコントロールなど情動や認知行動に問題のある子どもが生まれる可能性があることをラットによる実験で突き止めたと、三重大(津市)の研究グループが日本小児神経学会の専門誌(電子版)に6日までに発表した。

 研究グループによると、母親が妊娠中、ウイルスに感染すると、白内障や難聴などの子どもが生まれる可能性が高まることは知られていたが、情動や認知行動への影響はほとんど分かっていなかった。

 グループの大河原剛(おおかわら・たけし)大学院医学系研究科講師(発生再生医学)は「具体的にどの時点で感染すると危険なのか明らかにし、情動や認知行動の障害に対する効果的な予防法を確立したい」と話している。

 研究グループは、妊娠したラットに、免疫細胞が活性化する「感染状態」を引き起こす特殊な薬剤を投与。その母親から生まれ、人間の思春期に当たる生後50日のラットの脳にある海馬を調べたところ、セロトニンという神経伝達物質の量が、通常のラットに比べて40%以上少ないことが分かった。

  セロトニンが少ないと情動や認知行動に悪影響を及ぼすことが分かっており、自閉症やうつ病もセロトニンの量に関係があるとされている。

引用:共同通信社 2014年6月9日(月)

2014年6月20日更新