猛暑が続き、背広が脱げないサラリーマンにはつらい季節だ。体と服の間にも外界と同じ「衣服内気候」と呼ばれる温度や湿度、気流が存在する。人が心地よく感じる温度はセ氏31−33度、湿度40−60%、気流毎秒10−40センチという。

夏場、快適な衣服内気候を実現するには、服の中にこもった熱や湿気を逃す必要がある。体で暖められた空気は足元から首に向かって上昇し、襟元から外界に出る。これを「煙突効果 」と呼ぶ。服と体との間にできるだけの空気の流れを作ってやれば、煙突の通 りも良くなる。

まず、ネクタイを緩めたり、ワイシャツの第一ボタンを外す。襟元が大きめのシャツを着るだけでも、服の中の温度は下がる。さらに、ベルトで締めつける代わりにサスペンダーでズボンをつれば、ズボンのすそからシャツの襟まで1本の煙突になり、効果 が高まるという。

(2000.8.12日本経済新聞)