昨年のヒット商品を見ると、健康への関心が依然として高いようだ。ブームとなったトウガラシ入り食品や海洋深層水などとともによく売れたのが、明治乳業の「プロビオヨーグルト LG21」。多い日は18万個も出荷したという。

この製品には、同社が保有する乳酸菌の一種、「LG21」(ラクトバチルス・ガセリ21株)が配合されている。LG21は東海大学などどの共同研究により、胃かいようや慢性胃炎、さらには胃がんの危険因子とも言われるピロリ菌を減らす高い効果 が確認された。

LG21は人体に元々存在するが、口から摂取すると、胃の粘膜に付着し、乳酸を分泌してピロリ菌を溶かす。抗生物質と違い、副作用の心配がなく、胃粘膜の荒れも解消できるそうだ。人体に安全な物質で発病を予防する。そんな発想がヘルシー志向と一致したようだ。

(2000.8.19日本経済新聞)