体と心を若々しく保つ


最近、なんとなく気分が落ち込みがちだと感じたら、自分の顔を鏡に映してみるといいだろう。怖い顔をしていたり、自然にほほ笑むことができなかったりするなら要注意。東京医科大精神医学教室講師で日本笑い学会理事の市来真彦さんは「ストレスなどから笑えなくなっているときこそ、笑顔が大切」と話す。

笑顔は心や体に想像以上に大きな影響を与えている。まず第一に若々しい顔を保つ効果があげられる。よく笑えば表情筋が鍛えられるため、顔がリフトアップされ、若々しい表情を保つことができる。笑うとシワが増えると考えがちだが、無表情でいたり、小難しい顔をしたりする方が表情筋を衰えさせ、老け顔をつくる原因となる。

ふたつめは脳への影響だ。市来さんは「笑いにより脳の血流量が増え、脳が活性化されることで、認知症の治療や脳の老化予防にもつながる可能性がある」と話す。

市来さんによると、笑うと免疫機能が正常化して、自然治癒力が高まることや、ストレスを感じると分泌されるコルチゾールというホルモンが分かっているという。

急に笑おうとしてもうまくいかない人は鏡をのぞいた時に意識的に笑顔を作ってみる訓練をするとよいだろう。日本リラクササイズ協会の高戸ベラさんがすすめるのは、表情筋やそしゃく筋の緊張を取り除くうがいエクササイズだ。水を口に含み、ほほを横に広げるようにガラガラとうがいをするといい。
仕事中などに歯を食いしばるくせのある人は、あごの関節に力が入って表情が固くなりがち。舌の先を前歯の裏に軽く付けておくようにすると、笑顔がでやすくなる。
(リアルシンプルジャパン編集部)

2007.1.20 日本経済新聞