高齢者に多い目の病気といえば緑内障や白内障が有名だが、加齢黄斑変性症も増えている。ものがゆがんで見えたり見たい部分が暗くなったりする病気で、失明することもある。光線力学療法が普及、進行を抑えることができるようになった。

目の網膜の中心にあり、形や大きさ、色を識別する黄斑がいたむ。網膜自体が縮むことでゆっくり進行するタイプと、網膜下に血管ができて出血、急速に視力が低下するタイプがある。欧米では中途失明原因の第一位で「日本でも高齢化を背景に増加傾向にある」と順天堂浦安病院の田中稔教授(眼科)は指摘する。

最初は片目だけ症状が出る場合がほとんどで、なかなか異常に気づかない人も多い。右目、左目と毎日、意識して片方ずつで細かいものを見るクセを付けておくと早期発見につながる。「文字が読みにくい」「見る中心が暗くなる」といった症状に気をつけよう。

光線力学療法は、光に感受性のある薬を静脈注射し、病巣に集まったところでレーザーをあて血管を詰まらせる治療法。目のほかの組織が傷つく危険性が少なく、実施医療機関が増えている。


加齢黄斑変性症の主な症状と見つけ方

▽主な症状
・視野の中央が暗く見える、よく見えない
・視野の中央やその周辺が線でゆがんで見える
・新聞やテレビが見にくい

▽見つけ方
・毎日、片目ずつ細かいものを見る習慣を付ける
・字が読みにくい、見る中心が暗くなるといった症状に気を付ける
・得に細かい線がゆがんで見えるという症状には注意する




2007.2.25 日本経済新聞