便秘薬長期服用で2人死亡 酸化マグネシウム 厚労省、注意呼び掛け
2005年4月からの約3年間に、便秘薬などとして医師が処方した酸化マグネシウムを服用した15人が副作用の高マグネシウム血症になり、うち服用が長期間だったとみられる2人が死亡したと報告されていたことが27日、明らかになった。
酸化マグネシウムは副作用リスクが低いとみられていたが、厚生労働省は「一般用医薬品(大衆薬)は含有量は少ないが、長く服用すると同じなので気を付けてほしい」としている。医療関係者向けには既に患者の状態に注意し、長期間使う場合は定期的に血液中のマグネシウム濃度を測定するよう呼び掛けている。
高マグネシウム血症は、呼吸抑制、意識障害などの症状があり、心停止する場合もある。
酸化マグネシウムを成分とする大衆薬は、副作用リスクの分類はビタミン剤などと同じ「第3類」だが、厚労省薬事・食品衛生審議会の部会は同日、入院する健康被害が起きる可能性がある「第2類」への引き上げを決めた。来年6月施行の改正薬事法では、第2類はインターネットでの販売はできない。
厚労省によると、医師の処方せんが必要な医療用医薬品の酸化マグネシウムについて、05年4月から今年8月までの副作用情報を分析した。認知症で施設に入所していた80代の女性が突然、大量の下痢を起こすなどして死亡していた。もう一人の死者は、統合失調症などで入院中の70代の男性だった。
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