早期発見に新基準 
ヘモグロビンA1c、血糖値と検査併用
--学会が決定

 日本糖尿病学会(門脇孝理事長)は27日、岡山市内で総会を開き、糖尿病の新診断基準を決めた。従来の血糖値による診断に加え、過去1-2カ月の平均的な血糖状態を示すヘモグロビンA1c(HbA1c)を取り入れる早期発見しやすくなり、糖尿病や合併症の減少が期待できるという。7月1日から適用する。新基準を検討した委員会の清野裕・委員長は「早期介入で合併症を防ぎたい」と語った。

  学会によると、診断基準の改訂は99年以来11年ぶり。糖尿病患者は07年の調査で国内に約890万人いるとされ、早期の診断や治療を目指して診断基準を見直した。新基準では、慢性的な血糖状態を反映するHbA1cを補助的役割から格上げした。血糖値の基準値は変わらないがHbA1cの基準値は厳しくなった。検査は併用し、いずれも基準値を超えた場合に糖尿病と診断される。また、HbA1cの数値を国際基準に合わせる方針も確認された。7月1日から国際学会の発表などで新しい基準を使用する。


2010.5.28 記事提供:毎日新聞社