2型糖尿病の原因で新説
微小循環悪化が引き金
食生活など生活習慣が関って発症するとされる「2型糖尿病」は毛細血管の血流が滞る「微小循環の悪化」から始まる・・・。
茨城県つくば市の歯科医、松本行洋さんらの研究チームはそんな説を英医学誌には発表しました。
従来の学説では、微小循環の悪化は糖尿病の結果とされており、その関係をひっくり返す内容。 松本さんは、「過食をやめストレスを減らして血液をサラサラにし、毎日の運動によって毛細血管の数を増やせば、糖尿病は改善し、予防も出来ると思う」と話しています。
糖尿病は血液中のブドウ糖(血糖)が細胞にうまく取り込まれず、全身にさまざまな障害が起こる病気。2型糖尿病ではすい臓が分泌し、細胞に血糖を取り込ませるインスリンというホルモンが効きにくくなる。
松本さんらの説では、運動不足などの影響で毛細血管の数が減少。一方、ストレスや過食で血液の粘り気が高まって細い血管を流れにくくなり、細胞に届く血液が不足する。その結果、血液の運ぶインスリンも届かず、見かけ上、インスリンに対する感受性が下がります。
すると筋肉や心肺系の細胞は酸素不足から「不完全燃焼」を始め、有害な活性酸素が発生。そこにブドウ糖が入ると、ますます活性酸素がたまるので、細胞は自己防衛のためインスリンに対する感受性を低下させます。
インスリンを受ける側に異常が続くとすい臓のインスリン分泌にも異常を来脂、やがて動脈硬化や腎不全などの合併症につながる・・・というわけです。
この説について山田信博・筑波大教授(内分泌代謝・糖尿病内科)は「そういう仕組みで糖尿病が起きるとすると大変興味深い。動物実験などで検証を勧めてほしい」と話しています。
|