マウス実験で
腸内細菌がマウスの行動に影響を与えることをスウェーデンのカロリンスカ研究所などの研究チームが発見、米科学アカデミー紀要で発表した。
腸内細菌が肥満や免疫に関わっていることは知られていたが、脳の発達や行動にまで影響をおよぼすことが示されたのは初めて。
研究チームは、通常の腸内細菌を持つマウスと、無菌で育てたマウスの行動を比較した。箱の中で陰の区画に隠れ、警戒している時間が多い普通のマウスに比べ、無菌マウスは明るく広い場所をうろつくなど行動が大胆だった。
脳の変化を調べたところ、無菌マウスでは、不安や感情に関わる脳内物質の量が少なかった。研究チームは「進化の過程で、腸内細菌の作用が、新生児の脳の発達過程に組み込まれたのではないか」としている。
2011.02.10 記事提供:読売新聞 |