加熱殺菌乳酸菌は
やずやからも千年ケフイアという製品が出てる。
活きた乳酸菌との効果の違いあるの?
「ためしてガッテン(002年3月6日放送):初公開! ヨーグルト健康料理術」によると、加熱殺菌しても、発酵乳に含まれる「乳酸」と、乳酸が乳酸菌によって分解された「乳糖」は残っているので、腸内の善玉菌を増やす手助けになるそうです。特に、乳酸菌の死体(?)は食物繊維に似た働きをしてくれるとか。菌体表面の特徴的な蛋白が、腸の中の免疫活性を高めたり、アレルギーを抑えたりする作用も報告されており、ここいらへんはまだ確たる研究結果が出ていない領域ではありますが、様々な健康促進効果が期待されているところです。
治癒を早め健康維持をサポート
病気の治癒を早め、健康を維持させるHK−LP。ヘルパーT細胞1号と2号のバランスを整えて免疫力を高めるその効果に、いま大きな期待が寄せられています。最近では、HK−LP配合のサプリメントも登場。腸管から取り込まれたHK-LPは、免疫細胞に働きかけて活性化します。活性度を増した免疫細胞がリンパ液や血液によって全身に運ばれ、その人の持っている免疫機能を向上させるのです。
ストレスの発散、質の高い睡眠、適度な運動、正しい食事など生活習慣の改善に加え、毎日の生活の中にHK-LPを取り入れることが「健康なカラダづくり」をサポートします。
今後ますます予防は進み、健康意識の高い方たちが増えてきます。歯科疾患が感染症であることを考えれば、「免疫」から目をそらすことはできません。「口腔から始まる全身の健康づくり」を実現するために、これからの歯科医師・歯科衛生士に求められるのは、「免疫」という新しい健康情報分野の開拓なのです。
乳酸菌について
今テレビ等で、大々的にモニター募集しているカプセル入りの乳酸菌をいただき、説明書を読んでいたら、「発酵後、理想的な菌数になったところで加熱殺菌しています」と載っていました。
加熱殺菌の理由は、発酵によって容器が変形・破裂する虞があるためと、ほとんどの乳酸菌は胃酸の働きで、生きて腸まで届く可能性が少ないこと、加熱処理した菌を含む食品(プロバイオテクス)の働きが注目されている云々と書いてありました。
この会社の製品だけでなく、他社のものでも菌数**億個(加熱殺菌)というものを見ています。
ということは有効な働きがあるのだろうと思いますが、???ばかりで理解できません。
カプセル入りのものは、てっきり胃酸から菌を保護するためにカプセル入りなのだと思っていました。
教えていただきたいのは、殺菌された菌の働きとはどのようなものなのでしょうか?
*検索しましたが、プロバイオテクスの説明は、生きている乳酸菌についての説明のようでした。
殺菌については、イマイチ理解できません。おバカな私に分かるようにお教えくださると助かります。
回答
プロバイオテクス(probiotics)は抗生物質(antibiotics)に対比される言葉で、生物間の共生関係(probiosis)を意味する生物学的用語を起源としており、 腸内フローラのバランスを改善することにより、宿主 (ヒト)に有益な作用をもたらす生きた微生物と定義されています。
<発酵後、理想的な菌数になったところで加熱殺菌> とは、後に残った 乳酸菌生産物質 を指しているものと思われます。
乳酸菌生産物質とは、それ自体が有用菌*の栄養になるもので、乳酸菌そのものではないため、胃酸や胆汁などの影響を受けずにそのまま腸まで届き、有用菌が増殖しやすい環境づくりを強力にバックアップします。
と記されています。(本当でしょうか)
*
人間の腸内には、人間固有の細菌が住み着いており、大きく分けて2種類に分類されます。
ヒトにとって有益に働く細菌群(有用菌)と有害に働く細菌群(有害菌)です。
(細菌学=医学、食品衛生ではこのような分類はしておりません)
もう一つ見て戴きたいものがあります。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~u171nt/
胆汁酸を結合する、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材・食品
【発明者】 【氏名】森 治彦
【氏名】岡田 寿
【氏名】大西 博司
【氏名】鍛治谷 孝
【氏名】▲たか▼木 誠一
【氏名】澤田 小百合
【氏名】田代 操
【要約】 【課題】副作用がなく、食経験のある、胆汁酸を結合する、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体及びそれを含有する食品素材・食品を提供する。
【解決手段】胆汁酸体外排出促進薬である陰イオン交換樹脂製剤、コレスチラミン(Cholestyramine)が示す胆汁酸結合能の40%以上を有する食品製造、または食用に供されてきたものより分離されたラクトバチルス(Lactobacillus) 属に属する乳酸
菌、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum) 、ラクトバチルス ヒルガルデイ(Lactobacillus hilgardii) 、ラクトバチルス パラアリメンタリウス
(Lactobacillus paralimentarius) などを含む焼成パン類、あるいは該乳酸菌の加熱殺菌処理された菌体、またはそれを含む製剤ないしは食品素材・食品を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 胆汁酸体外排出促進薬である陰イオン交換樹脂製剤、コレスチラミン(Cholestyramine)が示す胆汁酸結合能の40%以上を有する、ラクトバチルス(Lactobacillus) 属に属する、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体
およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材・食品。
【請求項2】 ラクトバチルス(Lactobacillus) 属に属する乳酸菌が、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum) 、ラクトバチルス ヒルガルデ
イ(Lactobacillus hilgardii) 、ラクトバチルス パラアリメンタリウス(Lactobacillus
paralimentarius) などをはじめとする、食品製造、または食用に供されてきたものから分離された乳酸菌であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の胆汁酸を結合する、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材・食品。
【請求項3】 当該乳酸菌の働きによって一部、あるいは全部が造られる食品素材・食品であっても、該食品の製造工程における加熱処理により、最終的に当該乳酸菌が加熱殺菌処理された菌体と同等のものとなって存在する、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体を含有する食品であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の胆汁酸を結合する、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材・食品。
【請求項4】 食品製造、または食用に供されてきたものが、パン生地や漬物などの発酵食品であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の胆汁酸を結合する、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材・食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、胆汁酸結合能の高い、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材・食品に関わるもので、これを摂食することにより体内で該加熱殺菌処理された乳酸菌菌体に胆汁酸を吸着させて体外に排出させ、これを減少させて体内のコレステロールから胆汁酸への変換を促進し、よって体内の血清コレステロール値を低下させることができる。
【0002】
【従来の技術】近年、食事事情の変化から人々は高コレステロール値を有するようになり、いわゆる生活習慣病の増加を来たしている。高コレステロール値を改善する目的で「 コレスチラミン
(Cholestyramine)」 や「 コレスチミド(Colestimide)」など各種医薬品が開発され、使用されているが、これらは便秘など消化器への影響、発疹など皮膚障害、GOT, GPTなどの上昇を招く肝臓への影響などの副
作用の他、高齢者、妊婦、幼児らへの投与が不適とされているなど注意すべき点が多い。
【0003】また一方、コレステロール値上昇抑制作用のある食物繊維などを含む食品も数多く知られている。すなわち、胆汁酸吸着・排出能のあるものを摂取し、間接的にコレステロール値を低下させようというものである。しかし、これらはいずれも食品素材・原材料そのものに関わるものであり、いずれも有効ではあるが単位重量あたりのコレステロール値低下効果は小さく、従って胆汁酸結合能は特異的に大きくはない。
【0004】他方、コレステロール値低下のために大腸菌や乳酸菌の胆汁酸結合・排出機能を利用した研究や特許があるが、これらは微生物の生体機能を利用したもので上記の食品素材等のそれとは機構が異なる。
【0005】本発明者らは、乳酸菌を用いた食品の健康科学的検討を鋭意行ってきた。すなわち、加熱処理された特定の乳酸菌を用いた食品を継続的にラットに摂食させた場合、有意にコレステロール値上昇抑制作用が示されることを認めた。
【0006】この原因を究明すべく検討中に、乳酸菌生菌そのものより加熱殺菌処理された菌体の方が高い胆汁酸結合能を示すことを見出した。すなわち、この高い胆汁酸結合能を示す乳酸菌を別途増殖させた後、加熱殺菌並びに乾燥処理を行なって調製した乳酸菌死菌体乾燥菌末をそのままか、或いは添加・調製した食品を摂取することにより、コレステロール値上昇を抑制し得ることを認めた。
【0007】乳酸菌生菌による胆汁酸の取り込みとこれを排出しないという性質を利用した「胆汁酸の吸着方法」が特開2001―97870号に示されているが、これは乳酸菌生菌を利用した、つまりエネルギー源であるグルコースの存在下における乳酸菌の胆汁酸取り込みと排出に関わる機能を利用したものである。また、同様に乳酸菌生菌そのもの、あるいは加熱処理した乳酸菌菌体による胆汁酸吸着に関する特開2000−189105「血清脂質改善効果を有する機能性食品」があるがその吸着能は特に大きなものではない。
【0008】また、『食品素材の機能性創造・制御技術−新しい食品素材へのアプローチ−』(発行所 ニューフード・クリエーション技術研究組合)の第251頁
に、加熱処理菌体の吸着能の値が示されているが、その値は大きなものではない。なお、乳酸菌死菌体そのものを単なる胆汁酸吸着素材として利用した例は他に見当たらない。
【0009】高脂血症薬として臨床で用いられている「 コレスチラミン(Cholestyramine)」は副作用を有するため、その使用にあたっては医師の指導が欠かせない。従って、食経験のある食品から分離された乳酸菌の死菌体、あるいはそれを含む食品を食することは量的にも問題が認められず、また、過剰摂取による弊害はもちろん、医薬に対する嫌悪感もなく抵抗無く摂食でき、かつコレステロール値低下を期待できるという利点がある。
【0010】すなわち、食品の風味、たとえばパンの風味を改善するために当該乳酸菌を用いた乳酸菌パン種を調製し、これを用いたパン生地を焼成し、この焼成により生じた乳酸菌死菌体を含む風味のよいパンを常時、食することにより、コレステロール値が上昇傾向にあってもこれを抑制、もしくは低下させることができる胆汁酸結合能の高い、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材や食品を提供することができると考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum )などラクトバチルス(Lactobacillus) 属乳酸菌を用いて食品を製造するに際して、これを加熱殺菌して死菌体として食品中に存在せしめ、食品として美味しく、または本来の食品の風味を損なわずに食し得て、コレステロール値上昇傾向にあるものを抑制、もしくは低下させることができる胆汁酸を結合する,加熱殺菌処理された乳酸菌菌体およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材・食品を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】課題を解決する手段は、発酵食品より分離したラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum )JCM1149 など特定乳酸菌
を109 細胞/g 以上含む焼成パン類、或いは該乳酸菌の加熱殺菌処理された菌体、又はそれを含む製剤または食品を摂取することにより、体内の胆汁酸濃度を低下させ、ひいては血清コレステロール濃度を低下させるとともに、二次胆汁酸による発癌の危険性を低下させる、胆汁酸を結合する、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材・食品を得ることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明は、胆汁酸体外排出促進薬である陰イオン交換樹脂製剤、コレスチラミン(Cholestyramine)が示す胆汁酸結合能の40%以上を有する、ラクトバチルス(Lactobacillus) 属に属する、加熱殺菌処理された乳 酸菌菌体およびその乳酸菌菌体を含有する食品素材・食品から構成される。
【0014】そして、ラクトバチルス(Lactobacillus) 属に属する乳酸菌が、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum) 、ラクトバチルス ヒルガルデイ(Lactobacillus hilgardii) 、ラクトバチルス パラアリメンタリウス(Lactobacillus
paralimentarius) などをはじめとする、食品製造、または食用に供されてきたものから分離された乳酸菌である。
【0015】さらに、当該乳酸菌の働きによって一部、あるいは全部が造られる食品であっても、該食品の製造工程における加熱処理により、最終的に当該乳酸菌が加熱殺菌処理された菌体と同等のものとなって存在する、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体を含有する食品であることを特徴とするものであり、その食品製造、または食用に供されてきたものが、パン生地や漬物などの発酵食品である。
【0016】尚、この発明で使用する、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum )等乳酸菌は、一般的な乳酸菌の培養法で培養される。これに適する培地としては、例えばMRS培地(DIFCO社製) 、トマトジュースブロス(DIFCO社製)などがある。
【0017】MRS培地の場合、培地10mlに植菌後30℃、24時間培養を行ったものを同培地800ml に移植し、さらに30℃、48時間静置培養を行う。この培養液を4℃、 10,000 rpm、10分間遠心分離後、冷蒸留水で洗浄・遠心分離を行ない、湿菌体を得る。
【0018】この湿菌体を適当量の蒸留水に懸濁し、沸騰水中で10分間加熱した後、 上記同様遠心分離して再び加熱処理済み湿死菌体を得る。これを大型シャーレ上にひろげ、70℃、1夜乾燥して乳酸菌死菌体乾燥菌末を得る。これを適当量、食品に混合して食してもよいが、この場合医薬品的摂取法となるため摂取方法を工夫する必要がある。むしろ、食品の風味を変えないように、これを食品に添加・混合して必要所要量を摂取するのが望ましい。
【0019】なお、胆汁酸結合能測定は、次の通り行った。乳酸菌用培地、MRS 培地で30℃、48時間培養した乳酸菌菌体を、4℃で10,000 rpm, 10分間遠心分離して集菌し、冷蒸留水で洗浄後、同様に遠心分離して菌体を得た。これを蒸留水に懸濁した洗浄菌体懸濁液を沸騰水中で10分間加熱処理した後、再度同様に遠心分離して得た菌体を大型シャーレ上にひろげ、70℃、一晩乾燥した。このようにして得た乾燥菌末試料15mgを、エッペンドルフチューブ中で1.25mM胆汁酸(タウロコール酸)溶液(10mM りん酸緩衝液、pH 6.8) 1 mlと混合し、37℃で 2.5 時間放置した。放置後、4℃10,000 rpmで10分間遠心分離し、上清中の胆汁酸濃度を総胆汁酸―テストワコーのキットを用いて定量した。
【0020】そして、胆汁酸結合能は、次式に従い求めた。
尚、対照( C) は試料を添加せず緩衝液に溶解した胆汁酸のみを処理したもの、ブランク( B) は試料も胆汁酸をも含まぬ緩衝液のみを同条件で処理したもの、 そして試験( T) は各試料と胆汁酸を添加・混合して処理したものの上清中の胆汁酸濃度を総胆汁酸―テストワコーのキットで反応させた。すなわち,上清 0.02ml 、水0.2ml 、キット酵素液0.5ml を混合し37℃で反応させ、反応停止液0.5ml を10分後に加え、反応を終えた該反応液の560nmにおけるOD値を測定した。
【0021】
【実施例1】そこで、この発明の一実施例を詳述すると、小麦粉100に対し、ライ麦粉20、食塩1、マルトエキス0.01からなるパンを粉砕、粉末化し、水分6.2 %としたパン粉50に、カゼイン20、しょ糖9.375 ,コレステロール0.5 、胆汁酸 0.125 、ラード10、ビタミン混合物1、ミネラル混合物5 、セルロース4を混合したもの(図1中C)、同じパン粉にラクトバチルス サケイ(Lactobacillus sakei) 乳酸菌を加熱殺菌後乾燥さ せた菌体を混合し、8 ×1010細胞/g とした水分7.2%のパン粉(図1中L)、及びラクトバチルス サケイ(Lactobacillus sakei) 、ラクトバチルス プランタラム (Lactobacillus plantarum) 、ラクトバチルス ヒルガルデイ(Lactobacillus hilgardii) の3 種の乳酸菌を用いて製造した前2者と同じ配合のパンをパン粉とし、加熱殺菌処理した乳酸菌菌体、合計7 × 109細胞/gを含むパン粉( 図1中S) でもって、パン粉を入れ換えたものを高コレステロール飼料として、7週令のSD系雄ラット、1群6匹で21日間自由摂取で飼育した。飼育中、ラットの尾静脈より定期的に採血し、血清中のコレステロール量をフジドライケムシステムにて測定した。
【0022】 その結果は図1〔10%ラードを含む0.5%コレステロールの高脂肪食にパン粉、ラクトバチルス サケイ(Lactobacillus sakei) 乳酸菌の加熱殺菌処理菌体を含むパン粉、又はラクトバチルス サケイ(Lactobacillus sakei) 、ラクトバチルスヒルガルデイ(Lactobacillus hilgardii) 、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum) の3種の加熱殺菌処理菌体を含むパン粉を各々混合した実験食を給餌したラットの総コレステロール値の変化を示す。〕の通りである。10%ラードを含む0.5 %コレステロールの高脂肪食の摂取による総コレステロール値の変化の様子を示している。すなわち、乳酸菌を用いることにより、特に3者の乳酸菌を用いることにより有意に、用いないものに比しコレステロール値上昇が抑制されることを示している。
【0023】一方、食品では、パンについて述べれば、該乳酸菌で調製したパン種生地を用いてパン生地を作り、通常の方法でホイロまでを経た生地を焼成する。この時、パン生地中の乳酸菌数は109 細胞/g を優に超えている。焼成に伴うパン内部の温度は約100 ℃となり、有胞子細菌でないものはほとんど死滅する。従って、パン中の乳酸菌死菌数は焼減率を考慮すると生地中のそれに比し1.1 〜1.3 倍となる。これを平均300 〜 400 g毎日摂食すると当該乳酸菌乾燥死菌体の摂取量は、およそ1 日あたり1〜1.5gとなる。
【0024】加熱殺菌処理された乳酸菌乾燥菌体の摂取量は、コレスチラミン摂取量の約2.5 倍以上あればよいが、それは医薬品として対比した場合であって、食品として摂取する場合にはさらに低い量、例えば10分の1 以下程度であればよい。なお、コレスチラミンにあっては、適量摂取に際しても頗る摂取量のみならず摂取時間等をも、予想される副作用のためにこれらを厳守しなければならない。
【0025】すなわち、加熱殺菌処理された乳酸菌乾燥菌体は、体内に摂取されて後、腸管内で胆汁酸と結合して体外に排出されるため胆汁酸濃度が低下する。それに従い、コレステロールから胆汁酸への変換が盛んとなり血清コレステロール濃度が低下する。既に高脂血症薬として臨床的に陰イオン交換樹脂製剤である「 コレスチラミン」 が使用されているが、この作用機序に従い、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体により胆汁酸の結合及びその排出がなされることが予想されるため、当該「コレスチラミン」 と同様な効果を期待することが出来る。
【0026】
【実施例2】次に、この発明の他の実施例を詳述すると、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)JCM1149をMRS 培地で30℃、48時間静置培養後、4℃で10,000rpmで10分間遠心分離して得られた菌体を冷蒸留水で洗浄、同様に遠心分離処理して洗浄菌体を得た。ここで調製した洗浄菌体懸濁液を沸騰水中で10分間加熱処理した後、同様に遠心分離して得た菌体を大型シャーレ上にひろげ、70℃、一晩乾燥して加熱殺菌菌体を得た。この乾燥菌体試料15mgを、エッペンドルフチューブ中で1.25mM胆汁酸溶液(10mM りん酸緩衝液、pH 6.8) 1 mlと 混合し、37℃で2.5 時間放置した。放置後、10,000 rpmで10分間遠心分離し、上清中の胆汁酸濃度を総胆汁酸―テストワコーのキットを用いて定量した。
【0027】
【実施例3】さらに、この発明の他の実施例を説明すると、食品中より分離された、或いは食品製造に際して用いられる各種乳酸菌を実施例2 と同様にそれぞれを単独に培養・集菌・洗浄後、沸騰水中で10分間加熱殺菌処理を行ない、集菌した菌体を70℃、一晩乾燥して得た各乳酸菌菌体を試料として胆汁酸(タウロコール酸)との結合能を測定した。対照として、高脂血症薬として用いられている“コレスチラミン(Cholestyramine)”を用いた。なお、食物繊維もその胆汁酸吸着能に注目して摂取が薦められている。一例としてファイバーソルFB〔松谷化学(株)製〕をも用いた。これらの結果は表1の通りである。
【0028】
【表1】
【0029】表1は、試験管内における加熱殺菌処理乳酸菌菌体等各15mgの胆汁酸結合能を示すものである。
【0030】
【発明の効果】この発明によると、加熱殺菌処理された乳酸菌菌体109 細胞/g 以上を含有する食品、とりわけパン類を摂食することにより、含まれる
加熱殺菌処理された乳酸菌菌体が胆汁酸を結合し、体外に排出させるため、体内の胆汁酸濃度を下げ、ひいては血清コレステロール濃度を低下させたり、二次胆汁酸による発癌の危険性を低下させることができる。
【出願人】 【識別番号】591146099
【氏名又は名称】株式会社タカキベーカリー
【出願日】 平成14年2月8日(2002.2.8)
【代理人】 【識別番号】100074055
【弁理士】
【氏名又は名称】三原 靖雄
【公開番号】 特開2003−235501(P2003−235501A)
【公開日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願番号】 特願2002−32852(P2002−32852)
|