いま、身体が本当に必要としているのは?
コエンザイムQ10不足が老化のばじまり!?
東京工科大学教授 山本順寛氏に訊く


 いま、なぜコエンザイムQ10が注目を集めているんでしょう?
 コエンザイムQ10(別名「補酵素Q」または「CoQ10」)は、細胞が働くためのエネルギーを作るのに不可欠な成分であり、身体に無くてはならない成分で最も重要なもののひとつです。これほど大切な物質ですから、私たちの体内で合成されています。ところが、20代をピークに減少してしまうのです。
体内の部位によって差はありますが、たとえば、グラフが示す通り、心臓の場合20代と70代ではコエンザイムQ10の量に倍近くの差があります。また、肺の場合は、40代から急激に減少し、80代でほとんど半分になってしまいます。
このように身体になくてはならない成分でありながら、コエンザイムQ10ほど加齢とともに急激に減少する物質は他にありません。つまり、摂取には十分気を使わなくてはならないのです。
また、最近になって減少したコエンザイムQ10を補うためにサプリメントで摂取することが可能になったことも、注目を集めている理由のひとつでしょう。


 コエンザイムQ10を食物から摂取することは可能でしょうか?
 可能です。ただし、コエンザイムQ10の1日に必要摂取量は100mgが目安と言われています。ところが、特にコエンザイムQ10の含有量の多いイワシでさえ、1匹で5mg程度しか含有されていません。つまりイワシから適量を摂取しようとするなら、1日20匹のイワシを食べなければならなくなります。ですから、食事だけで適量を摂取するのは困難。サプリメントを上手に利用するのが賢明です。


 コエンザイムQ10にはどのような働きがあるのでしょう?
 注目すべきは体内のコエンザイムQ10の減少と、酸化物質の増加に相関関係があることです。また、ビタミンEは脂質の酸化を防ぐのに重要な役割を果たしますが、単独では働かず、ビタミンC、そしてコエンザイムQ10が一緒になって初めて機能します。
加えて重要なのは、コエンザイムQ10がATP(アデノシン三リン酸)をつくる上で不可欠な化合物だということです。ADPは炭水化物やタンパク質、脂肪から臓器や筋肉を動かすためのエネルギーを作り出します。つまり、コエンザイムQ10は体内のエネルギー製造の一端を担っていると言えるでしょう。


 コエンザイムQ10の安全性についてどのように考えられますか?
 コエンザイムQ10はもともと体内で合成される物質ですから、安全性については心配ありません。海外ではコエンザイムQ10をサプリメントで摂取する人が実に多い。コエンザイムQ10のサプリメントは欧米では常に売り上げベスト3に入るほどの人気です。

 

HEALTHY TOPICSより