安全な本物のサプリメントは?


2.健康と医療「本物のサプリメント」U

 サプリメントの第二の目的は、「生きていくうちに減っていく物の補給」という意味もあります。エドワード・ハウエル博士の「酵素栄養学」という本が1985年に発売されて、にわかに脚光を浴びた酵素の存在ですが、最大の注目点はこの酵素が寿命を握っているということです。

 どういうことかといいますと「酵素の量は一生で一定といえる」という内容だったからです。それ故、外部からの酵素の補給は健康にとって重要なことが判ってきました。いまやその酵素が野菜から大変摂りにくい状況になっています。

 そこで「野菜サプリメント」が開発されているのですが、この存在こそ第二のサプリメントの目的そのものといえます。年齢と共に無くなるもの、又少なくなるものは酵素意外にもいくつもあります。αリポ酸やコエンザイムQ10などもまさしくそうです。その少なくなって、不足していくものをサプリメントで補う意味、意義は極めて大きいのです。

 第三に「ある種の目的の為に摂取するサプリメント」という意味もあります。その目的には治療としての意味もあります。例えば、肝硬変患者にとっては失われていくたんぱく質の補充としてアミノ酸サプリは必要になります。
うつ病患者に必要なトリプトファンの前駆物質(5HTP)の補充は劇的に効果的です。人間は排泄という大きな行為をしなくては生きていけませんので、ファイバーサプリもクローズアップされます。

 また活性酸素を解除するサプリ(スカベンジャー)のもつ意味も大きく、こういったように治療そのものが出来るサプリメントも多いということです。
炎症をとるサプリメントもこの範疇です。抗炎症作用の強いビタミン、ミネラル、酵素、生薬を組み合わせればそういったサプリメントは作ることが可能です。また現にいくつも存在するし、成果が挙がっているのです。

こういったことからサプリメントの意味や意義は極めて大きいといえます。問題はまさに「質の良し悪し」なんです。

では良いサプリメントとは何でしょうか?
1.酸化していないこと(長期間酸化しにくいこと)
2.植物性由来なこと(例外もあるが)
3.分子が比較的小さいこと
4.長期間飲み続けても副作用が出ないこと

この4つなのですが1.の意味は大きいですね。

 例えば、今流行のEPA、DHAなる魚油がありますが、これは魚のサプリメントですから酸化していたら話になりません。ところが酸化しているEPA、DHAを出している企業もあります。煮取り法といって240℃の高温でぐつぐつ煮立てるやり方で、この欠点は酸化しているだけではなくトランス型脂肪酸も多く含まれ、かつ必要なビタミンを破壊して最悪の状態の中でEPA、DHAが細々と存在するものです。こうなると体に良いものを摂っているのか毒をとっているのか判らないことになります。

 一方良いEPA、DHAは100℃以下の温度の中で(いわゆるコールドプレス)圧搾法を使いていねいに静かにEPA、DHAその他を取り出すやり方です。ビタミンはEもDもAも含まれており、トランス型はゼロで、酸化もほとんどなし。こういうのが本物のEPA、DHA製剤となります。

 フラスク油などもコールドプレスのものが良質です。その他ビタミンCなども酸化しているものが極めて多いので本当に気をつけなければなりません。
ビタミンCのみならずビタミン類はかなり酸化しているものが多いので、どうしたら本物と出会えることができるかが別れ道になると思います。

NPO法人 鶴見酵素栄養学協会 理事長
鶴見クリニック 院長 鶴見隆史先生


2012年1月27日