レモンで脂肪肝抑制 三重大研究グループ発表


 レモンの皮や果汁に多く含まれる成分「エリオシトリン」に、メタボリック症候群(メタボ)に多い脂肪肝を抑制する効果があることを、三重大医学系研究科とポッカサッポロフード&ビバレッジ(愛知県)の共同研究グループが突き止め、29日発表した。将来的には脂肪肝の治療や、メタボが引き起こす脳卒中など循環器疾患の予防に役立つ可能性がある。英科学誌電子版に15日掲載された。

 グループは、レモンを多く摂取する「地中海食」を頻繁に食べる人は、脳卒中などの循環器疾患やメタボを患う割合が、そうでない人に比べて低かったことから、レモンに含まれるエリオシトリンに注目した。

 研究では、遺伝子配列が人間に似ている小型の熱帯魚「ゼブラフィッシュ」を活用し、太らせたゼブラフィッシュにエリオシトリンを四週間投与したところ、中性脂肪が3割減った。人間から取り出した肝臓細胞でも脂肪の蓄積を4割ほど抑えられた。

 三重大医学系研究科の田中利男教授(薬理学)は「脂肪肝の治療は難しい。新しい治療や循環器疾患の予防に結び付く可能性がある」と話している。

2014年1月30日 提供:伊勢新聞