グルテン「悪玉論」拡大 米、根拠薄い健康志向



グルテン「悪玉論」拡大 米、根拠薄い健康志向

 【ニューヨーク共同】小麦などに含まれるタンパク質、グルテンの入った食品を避ける人が米国で増えている。スーパーに並ぶ食品やレストランのメニューにも増えてきた。ただ、グルテンを摂取すると炎症を起こす一部の人は別にして、悪玉論の科学的な根拠は薄い。大半は「何となく体に良さそう」という健康志向に基づいている。

 ニューヨーク中心部のスーパー「フェアウェイ」を訪ねると、グルテンを含まない「グルテンフリー」製品のコーナーがあった。商品棚にはパンやパスタ、クッキー、スープなどが天井から床までぎっしり並ぶ。 グルテンフリーが米国で広がったのは、ここ数年のことだ。ハリウッド女優など有名人がダイエットや疲労の軽減に効果があると紹介し、人気が高まった。今では国民の3割がグルテンを避けるという調査もある。

 米国は肥満が社会問題となる一方で、動物の肉を食べない「ベジタリアン」が珍しくないなど、食生活にこだわりを持つ人も多い。グルテンフリー製品の市場規模は2016年には156億ドル(約1兆6千億円)に達するとの予測も出てきた。

 しかし、グルテンフリーの「有益性は証明されていない」(ウォールストリート・ジャーナル紙)。グルテンを取ると小腸で炎症が起きるセリアック病の患者は摂取を避けなければならないが、患者は米人口の1%以下とされる。

 製品からグルテンを取り除くのは難しいため、グルテンフリーの商品は別の穀物で代用する。スーパーで売っていた小麦粉に似た商品は、原材料の欄に米粉やタピオカの記載があった。

 同紙によると、小麦などを原料とする通常の商品と比べ糖分や塩分が多かったり、食物繊維が少なかったりする事例も。専門家の間では「健康にいいと思って食べ過ぎるのが逆に怖い」という懸念も出ている。

※グルテン
小麦などに含まれるタンパク質の一種。粘性があり、パンやうどんなどの食感を大きく左右する。小麦粉は強力粉、中力粉、薄力粉の順でグルテンの量が少なくなる。グルテンを摂取すると炎症を起こすセリアック病は、ウォールストリート・ジャーナル紙によると米国の患者数は200万〜300万人だが、病気と診断されなくてもグルテンに過敏な体質の人は約1800万人いると推定される。(ニューヨーク共同)

引用:共同通信社 2014年6月30日(月)

2014年7月2日更新