上品な香りとやさしい音楽に包まれる一室で、がんの入院患者が気持ちよさそうにマッサージを受ける。

群馬大病院(前橋市)が毎週月曜日に開くリラクゼーション外来。「病気への不安や痛みを抱える患者に心身ともにリラックスしてもらおう」(同大保健学科の小板橋喜久代教授)と、保健学科と病院看護師が2003年5月、共同で始めた。

呼吸法や筋弛緩(しかん)法を取り入れた「リラックスコース」や、がん患者を対象にアロママッサージを行う「リラクゼーションマッサージコース」など3コース。看護師が担当し、患者や家族にセルフケアの方法も教える。

料金は1,000−5,000円程度。開設以来、がんやうつ病など約250人が利用した。乳がんの女性患者(59)は「睡眠薬を飲まずに眠れるようになった」と話し、専門外来として国内初という“院内のリラックス空間”の効果を実感している。

2005.12.11 日本経済新聞