北海道大学 森谷武男博士 次のM9クラス巨大地震は12月〜2012年1月 (画像は3・11発生前およびその後の地震エコー観測グラフ)※クリックで拡大できます
3・11東日本大震災を受けて、その後全国の大学や研究機関で、従来と違う「新しい地震予知の方法」が模索されています。
ご紹介したい研究がいくつかあるのですが、今日は、その中の1つ、北海道大学地震火山研究観測センター森谷武男博士の研究について書かせて頂きます。
まずは、6月のニュースからです。
* * *
(引用開始)
2010年6月末から3月11日の地震発生までほぼ毎日続き、地震発生直後も再び確認された。
* * *
画像を見るとおわかりのように、3・11発生の約9ヶ月半前から「VHF電磁波・地震エコー」の数値が突如600を超え、ピーク時は1400を超えて完全に振り切れています。
その後収束に向かい、1回のリバウンドを経て数値が0の静穏期になった矢先に本震(「東日本大震災」)が発生しています。
3・11発生後、地震エコーの数値は再び大きなピークを形成し、次第に収束に向かっていることが読み取れます。
今回の「新たな地震エコー」の始まりは3月ですから、前回と同じ9ヶ月半を適用しますと、森谷博士の指摘通り12月末〜来年1月頃収束し、発生に至る可能性が疑われます。(データの山が大きく長大ですから、もっと先になってもおかしくないようにも見えます。)
これについても、最新の記事がありますので、ご覧ください。
* * *
(引用開始)
1000年に一度と言われた「東日本大震災」ですが次の地震が到来するのが1000年どころか、もうすぐだと言う研究結果を北海道大学 地震火山研究観測センターが発表し話題となっております。
その根拠としては、特殊な地震エコーと呼ばれる周波をキャッチし分析した結果、東日本大震災と同じ現象が起きていると言うのです。しかも時期としては今年中にもう一回来る恐れがあると言う。
北海道大学 地震火山研究観測センターの記事を要約すると
・東北地方太平洋沖地震の前に89.9MHzの地震エコーが観測された。
・現在、前回と良く似た経過をたどっており、もしもこのまま3月11日の地震の前と同じ経過をたどるとすれば,再びM9クラスの地震が発生すると推定される。
・震央は宮城県南部沖から茨城県沖の日本海溝南部付近。
・発生は12月から2012年01月。
* * *
私は、震源については「地震の目理論」(琉球大学・木村政昭名誉教授が提唱)の立場を取りますので、震源は「千葉県沖」を中心とした関東地方と見ています。(ここにはすでに「巨大地震の目」が形成されています。)
その場合は、江戸時代に起きた「延宝津波地震」や「元禄地震」の再来となるものと考えます。両者とも巨大津波を伴いましたので、地震だけでなく、津波への警戒が必要です。
3・11東日本大地震の人的被害のほとんどが「津波」であったことを考えますと、日頃の防災意識が生死を分けることは言うまでもありません。
過去、科学の予測する地震の多くは、結果としてはずれています。
ですから、あまり起きてもいないことで取り越し苦労をしてはいけませんが、「万一」の際のシミュレーションや準備だけはしておきたいものです。
最後に、森谷博士の最新研究とホームページをリンクしておきますので、興味のある方はご覧ください。
●再びマグニチュード9の地震が発生する確率が高くなってきました
●森谷武男ホームぺージ |
2011年12月4日 提供:北海道大学 森谷武男氏 |
「グルパール19S」原因か |
2011年11月28日 提供:共同通信社 |
下記の情報をもらいました。 週刊現代などの週刊誌で「次の大地震」について色々な記事が出ているようですね。記事そのものがどのようなものか私は読んでいませんが、名前の出ている研究者は皆良く知っています。週刊現代では北大の話を取り上げて、再びM9クラスの大地震が発生するというような事を言っているのだと推察しています。確かに東日本大震災の前に観測された異常と同じような異常(電波伝搬の異常)が観測されているのは事実です。ただ、体には感じませんが、3月11日の後、地下ではゆっくりとした変動(余効変動といいます)が続いていて、すでにマグニチュードに換算すると8.5程度 の滑りが東北地方で観測 まず現状(事実関係)をお知らせします。3月11日の地震で、日本列島は全く新しい状態になってしまいました。地震学におけるコンセンサスとして、 1)房総沖 実は上の話は今後10年以内に起こるのではという気の長い話です。さらに東京直下型地震についての危険性はこれまで以上に高まったと言えます。 実はこんなに長期間(=150年以上)東京直下でM7クラスの地震が発生しないという事は歴史的(過去1500年)にはありませんでした(前回の 地震は1855年の安政江戸地震)。はたして近代化(都市化)した東京で直下型地震の直撃を受けたらどうなるか、一応被害想定はなされていますが、実際にはほとんど根拠のないものです。石原都知事にも話したのですが、首都圏直下型地震は地震災害というより経済災害(=日本発の世界恐 慌?)だと思います。 また房総沖でM8クラスの地震が発生しますと、浦安などではふたたび液状化が発生します(という私自身が紺屋の白袴で新浦安に住んでいます。。。)。 いまの状況は21世紀は9世紀に日本列島に起きた地変と極めて状況が似ています。我々が生きている間、どんなに遅くても子供の時代には富士山噴火を含めて、大地動乱の時代になりそうです(今後50年間というスケールで)。 ただ地震はエネルギーの割に人を殺すのが下手な現象です(エネルギーだけな阪神大震災ですら、広島型原爆の1000倍もあります)。 |
2011年11月16日 |
地震レポートすごすぎる またM9クラスの地震が起きるような噂があります。 皆さん備えあれば憂いなしですが、しっかりシュミレーションしてみましょう。これはかなり可視化した2011年の地震レポートです。 |
2011年12月5日 |
各医療機関の自主管理が大切で、学会や、地区医療団体レベルの指導も? 厚生労働省は11月4日、医療の広告規制や情報提供方法について検討する「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」(座長=長谷川敏彦・日本医科大学教授)の第8回会合を開催し、前回に引き続き医療機関情報のインターネット等による提供のあり方について議論した。事務局はこの日、前回の議論の内容を踏まえ、考えられる選択肢として、(1)医療機関のホームページを全て医療法上の広告と見なして規制する(2)患者を誘導することを目的とした誘因性が強いホームページのみを広告と見なして規制する(3)医療機関のホームページを引き続き広告とは見なさず、自由診療分野を中心に掲載事項を規定したガイドラインを同省指導で作成する(4)広告とは見なさず、景品表示法や不正競争防止法による規制を円滑にできるよう、虚偽や誇大な表示等の基準を明確化する--の4案を提示。委員の意見は(3)の案で概ね一致した。ただしGLの実効性を疑問視する意見などもあるため、まずは事務局がGL作成のための事例収集作業を進めたのち、委員らの判断を仰ぐ予定。同省では来年度以降のGL運用開始を目指し、年度内には方向性を決めるとしている。 |
2011年11月24日 提供:薬事ニュース |
自分の幹細胞を戻すと糖尿病が治る? 人間の皮膚は、若い頃なら約4週間の周期で生まれ変わる。要らなくなった古い皮膚が垢(あか)だ。これは、皮膚の細胞を作るタネとなる細胞があるから、次々と新しい皮膚ができる。このタネを「幹細胞」と呼ぶ。世界で幹細胞の研究が進められ、多くの種類があることが分かってきた。血液成分になる造血幹細胞、肝臓になる肝幹細胞、神経になる神経幹細胞・・・。 しかも、幹細胞の一部は、ある特定の細胞に成長するだけでなく、異なる細胞に変化することも明らかになった。例えば、骨中心部の骨髄の中にある幹細胞は、脂肪、骨、軟骨などの細胞になることができる。 幹細胞を使えば、働きが悪くなった組織や臓器を作り直せるのではないか。そのような発想から生まれた医療が「再生医療」だ。 大やけどを負った患者からわずかの皮膚を採取し、それを培養してから患者に移植する「培養皮膚」が米国で1980年代後半頃に認められてから、再生医療の患者への臨床応用が動き出した。日本でも2000年に入って本格化してきた。ただし、多くの再生医療はまだ研究段階で、確実な効果や副作用は明らかではない。 それなのに、近年、糖尿病、心臓病、脳卒中、がんなど様々な病気を、幹細胞を使った再生医療で「治す」と称する医療機関が世界で設立されている。まさに、「雨後の竹の子」という形容詞がぴったりの状況だ。 日本で韓国人の死亡者を出した京都市の「京都ベテスダクリニック」も、その一つだ。「ベテスダ」とは、エルサレムにある池の名前で、イエス・キリストがその池の水で病人をいやしたとされる。このエピソードから、ベテスダには、「あわれみの家」などの意味を持つという。 京都のクリニックで韓国人が死亡した事態は、韓国国会の保健福祉委員会(日本の衆参議院厚生労働委員会に相当)の国政監査で2010年10月22日に報告され、明らかになった。しかし、遺族自らは、この事態を公表しておらず、また、取材に応じていない。そのため、詳細は明らかではない。 関係者の証言や独自に入手した資料などによると、事実関係は、以下のようなものだった。 2010年9月30日に亡くなったのは、糖尿病を患う韓国釜山市の男性医師Aさん(享年73歳)。 Aさんは、再生医療で糖尿病を治すために、韓国ソウル市に本社があるバイオベンチャー企業「RNLバイオ」と1年の契約を結んだらしい。治療は1回、1日で終わるものではないため、このような契約を結ぶ。 RNLバイオは2008年8月、ソウル大学と共同で、「研究ではなく商業ベースで世界初のクローン犬作成に成功」と発表して、注目を集めた。米国の女性がペットの愛犬が亡くなったことに悲嘆し、同じ遺伝子の犬がほしいと同社に依頼。死亡後、冷凍されていた犬の耳の細胞を使ってクローン犬を作成したという。 その2か月ほど前には、日本で訓練されていた、ヒトのがん細胞を探知するラブラドルレトリバーの「マリーン」のクローン犬も作成したと発表している。 そのRNLバイオは、人間の「再生医療」にも絡んでいたのだ。 韓国政府の調査によると、同社は、患者1人当たり1000万-3000万ウォン(日本円で67万-201万円ほど)の費用で治療を行っていたという。治療目的は、Aさんのような糖尿病のほか、心臓病、脳卒中、肝臓病、腎臓病、アトピー性皮膚炎、関節リウマチなどの自己免疫疾患など様々。しわとり、肌の若返りなど美容目的もある。 幹細胞の投与は、糖尿病や腎臓病などの患者には点滴で、しわ取りなどが目的の場合なら顔など局所への注射で行われた。 治療費は、病状や投与方法などにより異なる。幹細胞を点滴投与されたAさんの場合、比較的高い金額を払ったと見られる。韓国は、日本と同様に国民皆保険が実現されている国だが、この幹細胞の採取・培養・投与は保険で認められていないため、全額自己負担となる。 有効性や副作用が明らかではない再生医療・幹細胞投与が世界で行われている一方、この治療に希望を託す患者もいる。再生医療の深層を探る。 再生医療・幹細胞治療についてのご意見・情報は こちら( t-yomidr2@yomiuri.com )へ。 |
2011年11月17日 提供:読売新聞 |
宇宙人がいる証拠、何もなし…米政府が公式見解 【ワシントン=山田哲朗】米ホワイトハウスは7日、異星人(エイリアン)がいる証拠はないとする公式見解を発表した。 SF映画などでは、政府や軍が宇宙人の存在を隠しているとの陰謀説がおなじみで、これまで「大統領は国民に対し、長く秘匿されてきた地球外生命との交流についての知識を開示し、議会公聴会を開催せよ」といった請願が多数、寄せられていた。 公式見解は、ホワイトハウス科学技術政策局の広報担当者がブログ上で明らかにした。「米政府は地球外に生命が存在する証拠、地球外生命体が人間と接触、関係した証拠を何も持っていない」とした上で、「証拠が公衆の目から隠されているという信頼できる情報もない」と一蹴した。 米航空宇宙局(NASA)による地球外生命の探査計画などについては、「科学者は、統計的にみて宇宙のどこかの星に生命が存在する見込みはかなり高いという結論に至っている」と指摘したが、「距離からして接触できる見込みはきわめて小さい」とした。 |
2011年11月8日 提供:読売新聞 |
たくさん報道されているニュースを見ても分かりますが、ギリシャは今、大変な状況に立たされています。 |
2011年10月29日 提供:読売新聞 |
実験67回、甲状腺がん多発 自給自足から缶詰生活に 「ビキニ環礁ルポ」 ビキニ、エニウェトク両環礁と周辺で行われた核実験は67回。米疾病対策センター(CDC)によると、チェルノブイリ原発事故の約150倍の放射性物質が放出した。 ビキニで1954年に行われた水爆実験「ブラボー」は、広島原爆の千倍で史上最大。東方約150キロのロンゲラップ環礁の島民や、操業中だった静岡県焼津市の「第五福竜丸」など日本の漁船も多数被ばくした。 住民の健康被害は深刻だ。米国立がん研究所の2004年のまとめでは、甲状腺や胃、腸のがんが多発しており、今後も甲状腺を中心にがん発症の恐れが高いと指摘した。 首都マジュロには「核実験被害補償法廷」が設置され、認定された疾病などに対し、米国が提供した1億5千万ドルの信託基金で補償金が支払われてきた。しかし、基金は底をつき、米国に追加補償を求めている。 住民はもともと、ヤシの実や漁業など自給自足の生活を送っていたが、46年の核実験前に米国の指示で周辺の島々に移され、米国から支給される缶詰などが中心に。首都マジュロで元島民を診察するフィリピン人医師は「食生活の悪化と長期の移住生活で、高齢者を中心に糖尿病が急増し、がんとの併発患者も多い」と指摘する。 放射性物質の除去も課題。ビキニ島民は米国の安全宣言(68年)でいったん帰島したが内部被ばくが判明し、78年に再び島を追われた。 現在は表土などを除去する資金が底をつき、作業が中断している。核の研究機関、米国立リバモア研究所によると、今もプルトニウムのほか放射性セシウム137が、最大で表土1キログラム当たり千〜3千ベクレル検出されるという。 ロンゲラップでは、島の一部で除去作業が近く終わるとして、自治体が島民の帰島を始める意向を表明。だが、過去に帰島しながらビキニより放射線量が高いことが分かり再び離れた経緯があり、反対論も根強い。(マジュロ共同)
ビキニ環礁の住民は、米国の1968年の「安全宣言」でビキニ島に一時帰島したが、流産や体調不良を訴える人が相次ぎ、体内からプルトニウムやセシウムが検出されたため、再び離島した。表土を取り除いても駄目だったということだ。 放射性物質は島を形成するサンゴ礁の中に入り込んでしまって取れない。海洋では、ビキニの北西で3年ぐらいの間、放射性物質の固まりが循環していたことも判明している。ばらまかれた放射性物質は、完全に拾いきることはできない。 ロンゲラップ島では帰島に向けて観光、養豚、黒真珠の養殖などが始まっている。ただ、滞在できるのは、一部の居住区域と公共スペース、空港への行き来だけ。環礁内の他の島へ行くことも、島で採れるヤシの実などを食べることもできない。一部の人だけが帰島するとコミュニティーがばらばらになるという問題も。高齢者は帰るが、若い人は帰らないだろう。 エニウェトク環礁では、北部のルニット島に、除染作業で出た汚染土を集めコンクリートでふたをした「ルニット・ドーム」がある。住民は70年代終わりから南部の島に戻ったが、ドームにひびが入り、放射性物質が漏れ出している恐れがあることから、マーシャル諸島はドームを監視する担当者を置くよう米国に要請している。放射性廃棄物の管理が難しいことがよく分かる。(共同) とよさき・ひろみつ フォトジャーナリスト。48年、横浜市生まれ。マーシャル諸島や米国、チェルノブイリなど世界の核問題を追い続けている。著書に「アトミック・エイジ」「マーシャル諸島 核の世紀」など。 |
2011年11月1日 提供:共同通信社 |
保険との併用は拡大 TPPで"解禁"懸念も 「混合診療」 最高裁が適法と判断した混合診療の原則禁止。政府は既に「保険外併用療養」という枠組みで、先端医療と通常診療を組み合わせる場合などを対象に、例外として容認、拡大しつつある。ただ、環太平洋連携協定(TPP)の交渉入り問題を契機に混合診療にあらためて注目が集まっている。 ▽先端医療 公的医療保険が適用される治療と適用されない「保険外」の治療を併用するのが混合診療。原則として、保険治療分も含めて治療費の全額が自費負担となるため、患者が開発されたばかりの薬や医療機器を使おうとすると、膨大な負担を求められることになる。海外で使用されている薬でも、日本で保険適用されなければ実質的には治療に用いることができない。 日本での保険適用までの期間が欧米よりも長いこともあって、患者側から「先進的な医療を受ける権利を妨げられている」などの批判が続出していた。 2004年に当時の小泉純一郎首相が混合診療の解禁を目指す考えを示したことをきっかけに検討が進み、06年に解禁ではなく混合診療を認める例外を拡大。将来の保険適用を目指す新しい医療(評価療養)、差額ベッド代など特別なサービス(選定療養)に整理された。 がん治療などでは、近年の技術革新で新しい薬や治療法が次々と開発されており、こうした先進的な医療が評価療養として次々と保険との併用を認められる方向にある。 ▽患者主権 政権交代後もこうした拡大は継続。10年6月に菅内閣が閣議決定した成長戦略では、専門的医療機関で国内未承認の医薬品や機器を保険外併用で提供することを盛り込んだ。 行政刷新会議の分科会は同じ6月に「患者主権」を掲げ、混合診療の例外拡大に向けて「一定の要件を満たす医療機関については事後チェックに転換する」など手続きの柔軟、迅速化を求める報告書をまとめた。 ▽外資参入 TPP交渉への参加の是非をめぐって、再び混合診療の解禁問題がクローズアップされることになった。日本医師会(日医)などが、医療分野でも米国側の圧力が強まり、全面解禁に道が開かれる可能性があると、強く反対。新薬や先進的な医療など、米国側が売り込みたい「保険外併用」で医療ビジネスが拡大すると警戒する。 日医幹部は「(先進医療を)併用で済ませられれば、医療給付費の拡大も抑えられる。財政再建に努める日本の財務省も乗り気になるのではないか」と懸念。一方、TPP交渉入りに前向きな野田政権側は「医療の規制撤廃につながるというのは違うと思う」(枝野幸男経済産業相)などと火消しに躍起だ。 最高裁、「混合診療禁止は適法」、患者の訴え棄却 裁判官5人中4人が異例の意見付記、健保法の明確化など求める 2011年10月25日 橋本佳子(m3.com編集長) ---------------------------------------------------------------- 最高裁判所第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は10月25日、腎臓がん患者の清郷伸人氏が提訴した裁判で、上告を棄却、混合診療の禁止は適法であるとする判決を下した。2007年11月の東京地裁判決では、清郷氏の請求を認めたものの、2009年9月の東京高裁判決では一転して請求を却下していた(『なぜ判決が覆ったのか、混合診療裁判は最高裁へ』を参照)。 清郷氏は判決後の記者会見の冒頭、「最高裁、日本の上級裁判所に対して深い絶望を覚える。私の訴えは、一つでも保険外診療を保険診療と併用すれば、保険診療そのものも、つまり保険受給権を奪われることに関する法的な根拠はあるのか、あるとすれば憲法違反ではないかという内容。混合診療の解禁を求める裁判ではない」と断った上で、次のように語った。 「最高裁は、法的根拠はあるという高裁判決を維持した。これは認めたくないが、理解はできる。しかし、この法律(健康保険法)が憲法に違反しているのではないか、保険受給権を奪われること自体が基本的人権を侵害しているのではないか、と私は訴えたが、最高裁は合憲と判断している。この点については理解できない。法規範を超えた社会規範がある。しかし、あまりにも社会規範に反する政策、制度になっている。最高裁は、基本的人権を侵害する行政から国民を守る最後の砦である違憲立法審査権を放棄したと言わざるを得ない」 さらに、裁判の影響として、「全国の患者が自ら希望する医療を受ける道が閉ざされたことになり、誠に申し訳ない」と述べるとともに、「行政が今回の判決でお墨付きを得たということで、保険給付の返還など、混合診療に対する処分を強化してくる恐れもある」との懸念を呈した。
代理人弁護士の田中宏明氏は、「東京高裁、最高裁とも、結局、一審の結論を覆す明確な根拠は示さず、抽象的に、保険外併用療法費の趣旨から混合禁止の原則があると結論付け、我々の主張を認めなかった」と説明。ただし、今回の判決のうち、5人のうち4人が補足意見あるいは意見を付けている点を評価、「各裁判官が、混合診療禁止原則のおかしさを補足意見でかなり述べている。最高裁の判決の中で各裁判官が意見を示したことは非常に意義がある」とした。 一方、厚生労働省は、次のような小宮山洋子厚労相の談話を公表している。「現時点では、判決の具体的内容を十分に把握していないが、国のこれまでの主張が認められたものと考えている」。 「不可分一体論」と「反対解釈論」、国の主張を支持 清郷氏は、腎臓がんで、2001年1月に腎臓摘出手術を受けた後、骨転移が見られたため、同年9月から保険診療のインターフェロン療法と、保険外診療の活性化自己リンパ球移入療法(LAK療法)の併用療法を実施。清郷氏が自己負担したのは保険診療分のみだったが、混合診療に当たるとされ、2005年10月に併用療法を中断。LAK療法を併用した場合でも、インターフェロン療法については保険受給権があるとし、2006年3月に国を提訴していた。 健康保険法上、「保険診療と保険外診療を併用した場合、保険給付は行わない」という明文規定はない。国は裁判を通じて、(1)保険診療と保険外診療を併用した場合には、不可分であり、全体が保険給付外となる「不可分一体論」、(2)保険外併用療養費で、保険給付と併用可能な医療を列挙しているため、それ以外は保険給付外となる(反対解釈論)、の二つの考え方を根拠に主張していた。 東京地裁判決では、保険診療と保険外診療は「可分」であるとし、「LAK療法を併用した場合でも、保険診療であるインターフェロン療法が保険給付の対象外になる規定は見当たらない」と判断、清郷氏の請求を認めた。しかし、東京高裁判決では、国の「反対解釈論」を支持していた。 最高裁判決では、「不可分一体論」と「反対解釈論」をともに支持、最終的に保険外併用療法を規定する、第86条をはじめとする健康保険法の規定は、「保険診療と、評価療養(保険外併用療養費の一類型)に該当しない医療を併用した場合には、後者の診療部分(自由診療部分)のみならず、保険診療相当部分についても保険給付ができないものと解することができる」と結論づけている。国の主張を全面的に受け入れた格好だ。 さらに清郷氏が、憲法13条、14条1項、25条違反を訴えた点について、「健康保険により提供する医療の内容は、医療の質(安全性および有効性)の確保や財政面からの制約などの範囲を合理的に制限することはやむを得ないと解される」とし、混合診療を保険給付外にすることには、一定の合理性があるとした。 「今後は立法、行政による解決を期待」、弁護士 4人の裁判官の補足意見や意見を付したことについて、田中弁護士は、「最終的な司法判断は出たが、各裁判が指摘した制度の問題点を十分に意識して、今後は立法、行政による解決がされることを期待している」とコメント。(1)重要な効果を持つ法の規定が非常に不明確ではないか、もっと明確に規定すべきではないか、(2)混合診療禁止の原則は、どんな場合に適用され、適当されないのかが曖昧で医療の現場で萎縮を生んでいるのではないか、(3)判決では憲法違反はないものの、運用によっては14条、つまり平等原則違反の問題が生じる可能性があるのではないか、などの意見があったと田中弁護士は説明。 裁判官の一人、田原睦夫氏は、東京地裁と東京高裁の判決が異なる背景には、保険外併用療養費を規定する健康保険法第86条に問題があるとした。同条は、混合診療の禁止の原則を定めると解釈できるとしたものの、「その解釈を導くには、相当の法的論理操作を要するものであり、法の規定の文言上は他の解釈の余地を残すものとなっている」とした。過去の健保法改正時に、解釈を明確化する機会はあったものの、それがなされなかった点なども問題視している。 「混合診療の規律ある原則解禁を」、清郷氏 清里氏は、「混合診療の解禁を求めた裁判ではない」としながらも、国民皆保険維持の厳しさを指摘、「経済的能力がある人は、自分の希望する医療を自分で選べる形にすべき。厚労省は混合診療、あるいはそれに近い二本立ての制度にする必要がある」と求めた。混合診療の全面解禁ではなく、病院の倫理委員会などに諮り、患者に十分にインフォームド・コンセントを取るなどの条件で認める「規律ある原則解禁」を想定しているという。 さらに、本裁判を通した感想を、「混合診療の問題を、医師および国民など多くの人に知ってもらう機会になった」とコメント。「現実には医療機関の工夫で混合診療が行われている。なぜ裁判を起こして問題に火を付けるのか、と言われたこともある。しかし、受けようと思った医療を堂々と受けられるようにしていきたいと考えた。今後は様々な場で発言していく」(清郷氏)。 |
2011年10月26日 提供:共同通信社 |
飲食店も同じ扱いにすべきです。 20日召集の臨時国会に提出する。 同省は2010年2月、飲食店も含む公共の場所を原則禁煙とする通知を出していたが、浸透しきれていない。同省の調査では、全面禁煙、空間分煙のいずれかを実施している事業所は全体の64%にとどまり、半数近くの労働者が喫煙対策の改善を求めているとのデータも得たため、同省は法律で義務化する必要があると判断した。 飲食店については、一定の濃度を超えない煙の量にするか、十分な換気を行うことを義務づける。 改正案では喫煙問題以外にも、事業所での健康診断の方法の改善策も盛り込んだ。従業員の健康診断で「ひどく疲れた」「不安だ」などのストレスチェックの項目を設けて、医師や保健師に検査してもらうことを義務づける。 |
2011年10月20日 提供:読売新聞 |