スイスの医療保険制度
*スイス日本ライフスタイル研究会抜粋。
スイスの医療保険制度についてスイス社会保険庁(BAG)のホームページの情報を中心にまとめてみます。
スイスでは健康保険への加入は義務付けられています。
強制保険としての『基本健康保険Grundversicherung』は、スイスに住む全ての被保険者に同じ高水準の医療を保証するものです。
基本健康保険でカバーされない部分に対しては『追加保険Zusatzversicherung』と呼ばれるものが設置されており、
こちらは任意で加入できます。
基本保険がカバーする医療費
医者の治療
医者は治療を始める前に、その治療が基本保険でカバーされるかどうか説明する。
医者の治療行為はすべて基本保険で負担されます。
医者の指示する他の治療法(理学療法 Physiotherapie、SPITEXと呼ばれる自宅介護、
療養所での介護、栄養相談、糖尿病相談、言語療法、運動療法)、
検査(分析、レントゲン等)も基本保険で通常カバーされます。
精神療法は一定の条件が満たされた場合のみ負担されます。
治療が保険で払われるかどうかは、担当医か健康保険に確かめてください。
*治療効果や治療の目的、または費用と効果の経済性に疑問があるような場合、
基本保険からの支払いが拒否されたり、一定の条件付きでの支払いとなります。
補足医療(Komplementärmedizin)
補足医療と呼ばれる医療に入らない行為、
2005年7月1日からは鍼灸(しんきゅう)治療以外は基本保険からは支払われなくなりました。
中国医学、ホメオパシーなどは基本保険では負担されません。
*カイロプラクテック Chiropractik (脊柱指圧法)はスイスでは医療関係職と認められていて、医師の処方無しで治療を受けることができ、基本保険から支払われます。
入院
基本保険は、居住地の州の『病院リスト』に載っている病院の一般カテゴリーの病室、治療、入院費を支払います。
*プライベートや半プライベート保険と呼ばれる、個室を使用したり、医者の選択をしたりする特別待遇を希望する場合、追加保険に入っていればその保険が支払いますが、基本保険のみであれば自己負担となります。
病院の選択
『病院リスト』は加入先の健康保険会社か居住地の州の健康課で貰えます。
*居住地以外の州の病院で治療を受けなければならない場合(緊急時や専門の治療)、その病院がどちらかの病院リストに載っていれば費用は保険で支払われます。自分の意思で他州の病院で治療を受けたい場合は、基本保険でカバーされるのか問合せてください。
薬
医師が処方した『専門薬リスト«Spezialitätenliste»』に載っている薬はすべて基本保険で負担されます。
保険が負担する薬は現在およそ2500種類あります、医学の進歩に伴って常に改訂されています。
* 2001年1月1日以降薬剤師は、医師がオリジナル薬品と特に指定しないかぎり、オリジナルに代えてジェネリック医薬品(独語ではゲネリカ Generika 、仏語では générique)を売ることができるようになりました。ジェネリック医薬品とは、オリジナルメーカーの特許が切れた後、それと同じものとして担当政府機関の許可を得て発売されたコピー医薬品ですが、同じ有効成分が配合されており、オリジナルと同様の効用があります。ジェネリック医薬品は、研究開発費を必要としないため、オリジナルメーカーよりも安い値段で医薬品を売り出すことができるわけです。
あえてオリジナルメーカーの医薬品を購入する場合、患者は薬品代の20%を自己負担するという法律が2006年1月1日より実施されています。
ジェネリック薬品を買う場合の自己負担はこれまで通り、10%です。
薬局では、ジェネリック薬品がある場合は、そのことを消費者に伝えなければなりません。
予防医療
以下の予防処置は、病気の疑いが無くともすべて基本保険で負担されます。
病気の疑いのある場合は、医師の判断で検査をすることができ、その費用も基本保険が負担します。
・ 16歳までの子供を対象にした予防注射:連邦健康局(BAG)が定めた予防注射プランに沿ったもの:破傷風、ジフテリア、百日咳、風疹、はしか、おたふく風邪、小児麻痺など。
インフルエンザの予防注射:
*65才以上の人と重い病気にかかっている人でインフルエンザがその人の病状に重大な悪影響を与える場合のみ
・ 入学前の子供の発育と健康状態の定期診断 合計で8回
・ 婦人科の予防検診(癌チェックも含む)
*その前の2年間の診察で異常がなかった場合は3年に1回負担。異常があった場合は必要に応じて負担。
・ 乳がんの早期発見のためのマモグラフィ
*母親、娘、姉妹に乳癌になった人がいる場合は1年に1回負担。50歳以上の女性は2年ごとに1回の負担。
検診は州あるいはその地方の医療プログラム枠内で取り決められ、一定の質を満たすものでなければなりません。
(詳しい情報は主治医に問合せてください。)
妊娠・分娩
・定期検診
医師あるいは助産士による
妊娠期間中7回の定期検診と2回の超音波検査
(妊娠10週間から12週間の間に1回、20週間から23週間の間に1回)
*リスク妊娠の場合はこの超音波検査は必要とされる回数すべてが負担されます。
・出産準備コース
助産士が開くコース(出産準備教室)に参加する場合、
100フランの参加費補助が出ます。
・分娩
医師または助産士が付き添った場合、
病院、自宅、助産院(Geburtshaus)のどこで分娩しても
基本保険で支払われます。
・産後の検査
出産後6〜10週間の間に受ける検査
1回支払われます。
・授乳相談
助産士または専門家(育児相談の資格を持つ看護婦など)による授乳相談
3回まで支払われます。
・妊娠中絶
望まない妊娠をした場合、12週までは本人の意思で、それ以後は医師の判断
で中絶でき、義務保険で支払われます。
・新生児の入院費
母親の入院期間中に一緒に入院している健康な新生児の入院・看護費
母親の健康保険が負担します。
新生児が病気の場合は、
新生児の健康保険が負担します。
*妊娠の治療及び中絶
フランチャイズや自己負担額の対象外、
全額義務保険でカバーされます。
理学療法(リハビリ)
専門の理学療法士によって行われる理学療法
医師の処方で、
3ヶ月間に最高9回まで基本保険でカバーされます。
*医師が必要と認めた場合は継続が可能です。
眼鏡とコンタクトレンズ
義務保険は、医師の処方箋で、
18歳までの子供
眼鏡のレンズとコンタクトレンズに対して毎年180フラン援助します。
19歳以上45歳まで
5年に1回180フラン補助します。
*最初は眼科医の処方箋が必要です。
以後は眼鏡店の専門店員による視力検査で済みます。
*強度の視力障害や、特別な病気にかかっている場合
年齢に関係なく基本保険はより高い補助金を出します。
詳細は保険会社か、医師に問い合わせてください。
補助器具など
圧迫包帯、吸入器、義足などの補助器具は、
対象リスト(Gegenständeliste:
http://www.bag.admin.ch/dokumentation/gesetzgebung/
00710/index.html?lang=de#sprungmarke0_4)
載っているものは、条件を満たせば基本保険が負担します。
======歯科治療======
通常の歯科治療
(虫歯の治療や、歯科矯正など)
基本的に負担されません。
咀嚼(そしゃく)器官や、白血病、人工心弁などの重い病気にかかっている場合
医師が歯科治療の必要があると判断した場合は義務保険が負担します。
事故の歯科治療
カバーする保険がない場合のみ、基本保険が負担します。
温泉保養(Badekuhr)
医師の処方で、温泉保養の認可を受けた治療用温泉で行われる場合
1年間に21日まで1日に付き10フラン補助します。
*医師の治療、理学療法、薬剤などは別に扱われます。
基本保険で負担されない予防医療
* 旅行をする時の特殊な予防注射や予防医療、例えば黄熱病やマラリアの予防注射などは負担されません。
基本保険で加入者が負担する額
保険の掛け金
基本保険が負担する医療行為は法律で決められているため、どの保険会社に加入しても同じ扱いを受けます。
しかし掛け金は保険会社、州などで差があり一律ではありません。
月額250フラン前後から400フラン(フランシーズ300フランで)を超えるところまであります。
同じ州に住んでいて、同じ保険会社に加入していても、住んでいるところが都市部と郊外で掛け金が違ってきます。
保険上の地域(Region 1-3)というものがあり、それぞれのゲマインデ(市町村)がどの地域に属するのか決められています。
基本保険の掛け金は年齢別に3段階に分けられています。
19歳未満を子供、
19歳から26歳未満までを青年、
26歳以上を成人としています。
3人目の子供から掛け金を無料にしたり、
家族割引をしたり、
成人の掛け金は低いけれど青年も成人扱いにするところなど、
保険会社によって掛け金の設定の仕方はまちまちです。
保険会社、地域別の掛け金の例は次のHPで見ることができます。
http://www.comedia.ch/de/1-Service/Versicherungen/grundpraemien2005.html)
また次のHPで、居住地の保険会社別掛け金の比較ができます。
http://www.praemien.admin.ch/
掛け金が割引されるシステム
ホームドクター・モデルとHMO(医療センター)・モデル
掛け金が割引されます。
医師や病院の選択が制限され、
ホームドクターかHMOの医師にかかるシステムです。
HMOモデルは大きな街に限られますが、掛け金は最大25%まで割引され、
ホームドクター制度を選択すると5〜15%割引されます。
*緊急の場合などの例外を除いて、ホームドクターを通さずに別の医者に掛かるとその医療費を保険は負担しないとしている保険会社が多いです。
(HMOのリストhttp://www.comparis.ch/krankenkassen/Web/Info/hmocenterlist.aspx)
ライトモデル:
健康保険会社のリストに載っている医師にかかることが条件。
保険会社によっては入院する場合も、保険会社のリストに載っている病院に制限、ジェネリックを優先、
特定の手術の場合にセカンドオピニオンが必要。
掛け金はおよそ20%安くなります。
ボーナスシステム:
前年に保険を使わなかった場合、
次の年の掛け金が割引になります。
5年続けて割引を受けると最高の割引額に達します。
その後、保険を使った場合、次の年は割引率が一段階戻ります。
しかしこの保険システムを提供している会社は少ない。
また基本保険の掛け金が他の保険より高めに設定されている上、ボーナスが有効な間はその保険会社から他社へ移ることは出来ません。
加入者の収入が少なく、掛金を払うことが難しい場合:
基本保険の掛け金の援助を居住地の役場に申請することが出来ます。
(詳しくは各ゲマインデに問合せてください)
フランシーズと自己負担
年間の掛け金に加えて加入者は医療費、入院費、薬代の一部を負担します。
フランシーズ
年間の医療費がこの金額に達するまでは加入者が全額負担する金額、
基本保険では300フランと決められていました(18才までの子供はフランシーズがありません)
*金額を高く設定することができるようになり、300フランから最高2500フランまでの間で何段階かに分けられているフランシーズの額を選ぶことができることが多くなりました。
フランシーズの額が高いほど、掛け金が安くなります。
年間の医療費などの合計がこのフランシーズ額に達した場合、
それを超える額に対して加入者は医療費のなどの10%を支払わなければなりません。
これを自己負担(Selbstbehalt)と言います。
*自己負担10%(ジェネリックでない薬は20%)には年間の上限があり、
自己負担(Selbstbehalt)の最高金額は年間合計700フランとなっています。(18才までは350フラン)。
一年間に加入者が支払わなければならない医療費などの合計自己負担額
最高で{フランシーズ(300フラン、あるいは自分で選択した額)+10%の自己負担の合計(最高額700フラン)}
18才までではこの額は最高350フランです。
年間の医療費は年度ごとに計算されます。医師が請求書を直接健康保険へ送付しない場合、
請求書には健康保険提出用の治療明細書が同封されています。
これを健康保険へ提出し、請求書は加入者が支払います。
薬の場合は行きつけの薬局に登録してあれば薬局から直接健康保険へ請求され、
その場で支払った場合は健康保険へ領収書を提出します。
その年のこれらの金額がフランシーズの金額に達するまでは、健康保険からの払い戻しはありません。
又、薬局から直接保険会社へ請求された薬代は、逆に健康保険から支払いの要請が来ます。
この金額がフランシーズの額を超えると健康保険から90%が払い戻され、
その年の10%の自己負担合計が700フランを越えると健康保険が全額負担します。
治療明細書の提出、請求書の支払い、払い戻しなどについてはそれぞれの健康保険会社に問合せてください。
Spitex
介護制度Spitex
Spitexはspital- und heimexterne Gesundheits- und Krankenpflege und Hilfe
(病院外、療養所外での看護と介護)の略称。
1995年に改正された健康保険法により、自宅での専門家による看護や介護経費が健康保険で一部負担されるようになりました。
それ以前も地方自治体、赤十字そして教会などが住民の看護や介護援助をしていましたが、26州がひとつとなって、
全国的な組織としてのNPO Spitex(非営利シュピテックス)ができました。
スイス全体で700あまりの組織がNPO Spitexの傘下に入っています。
Spitexは日本では介護保険の管轄になりますが、スイスでは健康保険に組み込まれています。
州ごとにSpitex組織があり、それぞれの情報を提供しています。
*これとは別に営利を目的とする会社形態のSpitexも存在し、そのサービスの中で義務保険の対象となる行為は保険が負担します。
1.Spitexサービスの対象者
病気、事故、障害、老齢、出産後などで介護を必要とする場合、
全ての住民がこのサービスを受けることができます。
(例えば、病後の回復時の介護、老弱者や障害者、末期患者に対する看護と治療など)。
*健康保険の対象となるためには次の条件を満たさなければなりません。
@ 医師が必要と認め指示をすること
A 看護が必要であると認定されること
B 看護計画を作成して提出すること
2.Spitexの基本的なサービス
@ 基本看護サービス:一般的な看護で、体の位置を変えたり、食事を食べさせたり、身体衛生
を保つことで、健康保険が費用を負担します。
A 治療看護サービス:病院外での治療で、包帯の交換、輸液、注射などの行為でこれも健康
保険が負担します。
B 家事援助サービス:普通の健康保険からは支払われません
(追加保険に加入している場合は支払われる場合もあります)。
基本サービスの料金は州ごとに決められています。
収入と資産別の料金体系が適応されている州もあります。
普通はまず本人が支払い、後で健康保険からフラシーズと自己負担分10%分が
差し引かれた金額が戻ってきます
(バーゼルのようにSpitexが直接健康保険に請求するところもありますので各州のSpitex、または健康保険に問合せてください)。
3.料金
基本看護、治療看護は健康保険が負担します。
必要度の認定(70フランくらい)、看護計画の作成(50フランくらい)、
看護費が一時間当たりで50−70フランくらいの料金設定になっています。
家事の援助は追加保険が負担する場合を除いて全額自己負担となっていますが、
一時間当たり約22フランと市場の料金に比べて低く設定されています。
これは健康保険が負担しない代わりに、差額が国、州、地方自治体によって補助されているからです。
認定度によって健康保険が負担するSpitexの時間数が違うのは日本の介護制度と同じです。
健康保険の基本保険では、医師はSpitexを「3ヶ月で最高60時間」処方することができるとなっています。
それ以上の時間数が必要な場合、医師は加入している健康保険の許可を取る必要があります。
4.基本サービス以外の看護と介護
Spitex(あるいはSpitexのサービスを実際に行う公益組織)
基本サービス以外にもいろいろなサービスを提供していますが有料です。
時間外の介護、認知症などの患
者の付き添い、末期患者の付き添い、鍵の保管、癌患者の自宅療養、家計の管理、
食事サービス、栄養相談、子供Spitex、ペディキュア、痛みの治療、運搬など。
Spitexの実行組織に入っている
Pro Senektute
AHVの傘下にありますが、看護以前の老齢者の援助もしています。
生活援助:振込み方法を教える等
金額の張る生活必需品(例えば眼鏡)が破損した場合などの補助
老人体操
車椅子の貸し出しなど
健康保険会社 / Krankenkasse (独) / Caise d’assurance-maladie(仏)
スイスの健康保険は強制ですが、実際の業務は民間企業が行っています。
現在のところ全国で94社ほどあり、利潤を追求せず、スイス内務省(EDI)から認可されなければなりません。
基本保険の加入申請を受けた場合、その人の年齢、健康状態にかかわらず加入を受理しなければならないと
健康保険法(KVG Krankenversicherungsgesetz)で定められています。
1.基本健康保険 / Grundversicherung (独) / l’assurance de base(仏)
加入が義務付けられている基本保険が保証する基本的な医療。
すべての人が誰でも同じ高水準の医療を受けることを保証します。
被保険者
基本保険に加入しなければならないのは
○国籍に関係なくスイスに居住するすべての人(子供も含め家族全員)
○3ヶ月、あるいはそれ以上のスイス滞在許可を持つ外国人
○3ヶ月未満スイス国内で労働する外国人で、外国で同等の健康保険に加入していない人
○新しくスイスに居住する人
○スイス国籍あるいはEU(欧州連合)/ EFTA(European Fair Trade Association 欧州自由貿易連合)国籍で、スイスで働き、EU加盟国、アイスランドあるいはノルウェーに居住する 人。(働いていない家族も含む)
○スイス国籍、あるいはEU/ EFTA国籍で、唯一スイスから年金を受給し、EU加盟国、アイスランドあるいはノルウェーに居住する人。(働いていない家族も含む)
* 本人、あるいはその新生児が新規加入する場合、期限内(3ヶ月以内)に加入すれば健康保険会社は3ヶ月までさかのぼって
医療費を負担します。入国あるいは出生から3ヶ月以上経ってしまった場合は追加料金を請求され、
既に支払った医療費も負担されません。
* EU加盟国、アイスランドあるいはノルウェーで健康保険に加入している人は、スイスでの加入義務はありません。
また大使館、領事館員、国際機関の職員はその家族も含め、加入の義務はありません。
健康保険が国外でも有効なのは
○ 一時的に外国にいる場合の緊急時(旅行中など)
○ スイスで保険に加入していて、EU / EFTA国内に住んでいる場合
○ 雇用主から一定期間スイス国外へ派遣された場合 (社員と働いていない家族も含む)
○ 留学、その他の理由で長期間外国に滞在する場合。
日本の健康保険との違い
スイスには日本の国民健康保険というような全国的な保険制度や、会社員の入っている職業別の保険会社というのはなく、
認可をとった多くの民間企業が保険業務を担当しています。
それぞれの会社が自社の掛金額を設定しており、被保険者は自分の希望する保険会社と契約し、それぞれの定める掛金を払います。
フランシーズ(Franchise)と呼ばれる年間自己負担額を自分で決め(現在のところSfr.300〜2500)その額により掛金額は違ってきます。フランシーズが高いほど掛金は低くなります。フランシーズを超える分に対して、初めて90%の還付が受けられます。
言い換えれば、フランシーズを300フランと決めた場合、年間300フランまでは100%自分で支払い、
この額を超えた分に対して初めて保険がきき、10%の負担ですむということです。
掛金額は被保険者の収入額に関係なく、雇用主に負担義務もありません。
従って、外国系の会社などが社員を集合的に強制加入させている場合以外は、給料からも天引きされません。
又、歯科医による治療費などは基本保険では一切支払われません。
スイス居住者の全てが加入しなければならない基本健康保険は、
どの保険会社に入っても同じ基本治療を受けられると法で定められています。
毎年のように保険料が上がっているここ数年、特に収入の低い家計では大きな負担となっており(補助の出る場合もある)
、少しでも掛け金の安いところを探して保険会社を換える人が増えています。
www.bag.admin.ch/kv/beratung/d/index.htm
http://www.admin.ch/ch/d/sr/8/832.10.de.pdf等を参考にしました。
詳細は各州の担当局、保険会社に直接お問い合わせください。
スイスは歯科保険がない?
個人保険は、保険料が高いので生まれつき歯が弱い人以外はかけていない。
歯科医はドクターというよりエステシャン
歯科医院はだいたいどこもスパのようである。
スイスでは歯科関係は予防すれば虫歯等になりようがないという考え、
予防のための知識は豊富で、
人々も高い歯科治療費を払わずに済むので歯科予防ケアを徹底して実践している。
クリーニングとチェックアップ
クリーニング担当の歯科医と治療担当の歯科医と分かれている
アメリカでの歯科医
クリーニング費用は150スイスフラン。
年に2回クリーニングで年間予算は300フラン
*1フラン=約100円
一本初期虫歯治療費は680フラン。
年1回のクリーニングは健康保険でカバー
300フランは国より返金
歯科保険をかけると年に最低3000フランはかかる
アメリカはスイスの保険システムをモデル
スイスのシステムはアメリカのそれととても良く似ているにもかかわらず、国民皆保険を実施できている。
子供の歯科についてはまた別途法規定
保険が利くようになっている。
矯正用保険
必要になってからではかけられず、
産まれてすぐ扶養に入った時点で見極めてかけるか否かを判断する必要がある。
ヨーロッパでもアメリカでも「歯列が整っていることは人間の最低条件」
第一回目の矯正診察を予約。
矯正歯科も最初の予約には3〜6ヶ月かかる。
「かなり前もって段取りをする計画性&根気力」が歯科矯正をする子の親には必要。
一回目の診察には親も必ず同行
歯の状態を診察、歯型を取り、写真も撮影。
「次回の面談までにレントゲン撮影をしておくように」とレントゲン医に行く処方箋も渡される。
レントゲン医別の日。都合がつく日時を調整して電話で予約。
レントゲン医でもレントゲン撮影から受け渡しで2時間。
いやぁ〜、ノンビリ、ボーっとする時間ができてよかったよかったと思おう。
レントゲンを持参して、親と矯正歯科の2者面談。
施術がまだ始まらない、
ここまでの時点で既に親は3度矯正医院とレントゲンに足を運んでいる
歯科矯正をする子の親には矯正歯科医に通う以外にもレントゲンやこの後行くであろう不要な歯の抜歯のため口腔外科への時間も「脚力」も必要。
どのようにこれから施術していくか、どのくらい期間がかかるかなどを説明
(個々の歯の状態によって異なるので。普通は2年ほどで終了するが5年もかかる場合も)。
見積書を貰い、改めて検討する
医師の人間性や見積もりに疑問を抱いて「やっぱり別の矯正歯科にしよう」となったら、また最初の予約からやり直すことになる)。
見積りは・・・
2年半、5回に分けて支払っていくシステムで、総額3670ユーロ(約38万円)。
そのうち935.25ユーロ(約10万円)は国保が払い戻してくれる。
残りの2734.75ユーロ。個々が入っている任意保険によって大きく違う。
任意保険で、歯科矯正へのカバーがほとんどない保険で、全額を負担。
カバーされれば半額負担。
半額で14,5万円。
つまり「経済力」そして「子供にお金をかけることを勿体がらない経済感覚」、
歯科矯正をする子の親には必要。
総括すれば
「かなり前もって段取りする計画性と根気力」「気力」「体力」「脚力」「経済力」
これら全てが歯科矯正をする子をもつ親には必要
成人後は歯並びを見れば、その人の「生い立ち」が多少解ったりもする。
イギリスやスイス、北欧などでは歯並びで「育ち」を判定され、就職などに影響することも多いらしい。
フランスではそこまで重視
そのくらい歯科矯正には親の「手間隙」が必須なのです。
レントゲンに定規で線を引きながら
「やっぱりズレとる。この前も思ったんだが、お嬢さんの歯は顎から全体、右にズレている」と。
「コレを治せば、もっと無駄なく自然な滑りができるようになる」とも。
昨夜、合宿から一時帰宅した次女にそのことを言うと
「あっ、それ当たってるかも。別のチームのコーチ達からなんだけれど、前に言われたことがある。Ninaは左サイドへのスケーティングが弱い。それでそれをカバーしようと無駄な力が入っている。どうしてなのかな?って」
腕とか脚のせいかと思っていたけれど、歯だったんだぁ〜と感心された。
この手の健康にまつわる話に妙に興奮する。
ますます職人歯科矯正医師のファンになる。
ワクワク、るんるんと娘の矯正歯科通いに同行するようになる。
めでたし、メデタシ。
左は2007年に作った歯型。下歯が上歯より前にでていて競技に危険(当時は特にアルペンでスラロームをやっていたこともあり)ということで2年かけて矯正した。
右が今回作った歯型。2,3年後にはピタ〜ッと美しい「淑女の歯」になるんだろうな、羨ましい。
歯とスポーツパフォーマンスは、密接に関係しています。
特に顎に歪みが出ている場合には、上半身の癖や故障が出やすくなります。
実は、歯並びが悪い弊害は沢山あって鼻が悪くなったり、鼻呼吸が出来なかったり。
マナーの面では、食べこぼしが多かったり。
集中力が無くなったりします。
そういう意味で重要視する国があるのは分かります。
あと歯並びに問題があると、首が歪んでしまうことが多いのです。
頚椎が歪み、頭痛や肩こり等がある
肩こり持ちの方は、マッサージが上手に出来る?