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社会情勢レポート記事区切り

『性の悩み、セックスで解決します。』 
シェリル・T・コーエン―グリーン他〈著〉

『性の悩み、セックスで解決します。』 シェリル・T・コーエン―グリーン他〈著〉

昨年末公開された米映画「セッションズ」の原作。著者は、さまざまな性不全の克服を手助けする女性性治療士で、30年以上にわたり900人を超える相談者とセックスしてきた。本書は彼女の個人的な回想録ではあるのだが、1960〜70年代の性解放運動や80年代のエイズの発生が、著者だけでなく社会全体のセックス観を大きくゆさぶったことが透けて見える。性行為は今や本能や自然や個人の心身の領域にとどまらず、コミュニケーション論や人権問題、宗教・政治意識といった文脈の中に大きく入り込んでいる。セックスしようとする者はパートナーだけでなく、まとわりつく社会性とも向き合わなくてはならないのだ。

(柿沼瑛子訳、イースト・プレス・2376円)


2014年4月13日 提供:朝日新聞

社会情勢レポート記事区切り

原子炉事故:今も続く放射能漏れ
東電福島原発事故教訓もコストで国富優先

東電福島原発事故教訓もコストで国富優先

「汚染水は完全にコントロールされている」とオリンピック誘致で世界に力強くアピールした安倍総理。その内容に国民のどれほどが納得し、安心しただろう。

現在も空気中に排出され続ける放射性物質、東電発表で毎時1000万ベクレル。1日だと2億4000万ベクレルが放出、拡散し続けている。汚染水にも安心感は持てない。「汚染水は完全にコントロールされている」とオリンピック誘致で世界に力強くアピールした安倍総理。その内容に国民のどれほどが納得し、安心しただろう。

東電福島第一原発事故から3年が経った今も、同社には「3年経ってもまだ汚染水問題は解決していない。いつになったら解決するのか」「原発事故がまだ収束していないため、柏崎刈羽原発の再稼働は考えてほしくない」「福島県ではいまだに13万人もの人が避難しているという現状を経営層はどう考えているのか」など、問題や不安を指摘する声が寄せられる。

鍵カッコ部分は東電が先月寄せられた「お客からの声」を紹介した一部。東電に3月28日に寄せられた質問「福島第一原発1〜3号機からの放射性物質の放出は続いているのですか?」には「1〜3号機原子炉建屋からの現時点(2013年12月26日公表時点)での放出量の最大値は1時間当たり約0.1億Bq(ベクレル)と推定しました。事故時に比べ約8000万分の1の値です」と説明している。

「この放出量が1年続くと仮定した場合の敷地境界の年間被ばく線量を最大で約0.030mSv(ミリシーベルト)/年と評価した。法令で定める一般公衆の線量限度は1mSv(ミリシーベルト)/年になっている」。ただし、この数値は「既に放出された放射性物質の影響を除く」前提つきの話。

原発事故が起きた時の地域住民の暮らしや生態系への影響、人が居住できない、地域に踏み込めない状況の長期化は日本の領土さえ、事実上、失うに等しい。活用できないのだから、深刻だ。

さらに国際社会に対する責任はどうなるのか、地球環境を守る視点で原発の在り方をさらに慎重に審議する必要がある。

事故が起こった時の周辺地域への影響については「放射性物質は気体や微粒子の状態で空気中の塵などにくっつき、風で運ばれることが多いと言われる。風で運ばれた放射性物質は雨と共に地上に落ちる。原子力発電所からの距離だけがそのまま空気中の放射線量の高さに関係するわけではない。風向きの影響を受け、特に風下や雨が降ったところで比較的強くなる。雨が降った後は水の流れに沿って放射性物質が集まりやすくなるため、浄水場などに放射性物質を含んだ水が流れ込むと濃度が高くなる」と説明する。

事故に対する万全の対策があるのか、凡人の私にはわからないが、凡人にもわかる対策が整備されてこそ、再稼働の可能性が探れるのではないか。原発が一基も稼働していない状況で今、エネルギーが供給されている。

危険を排除するに限るというのが原発事故を経験し、収束できていない中で、国がとるべき姿勢ではないか。にも、かかわらず、政府は11日、経済界の意向を色濃く反映する「エネルギー基本計画」を閣議決定した。発電コストが低廉で安定的に発電でき、昼夜問わず継続稼働できるベースロード電源に地熱、一般水力、石炭に加え「原発」も位置づけた。再稼働も「規制基準に適合した原発は再稼働を進める」と大手を振って「原発再稼働」へ道を開いた。使用済み核燃料から取り出した核物質「プルトニウム」を再利用する核燃料サイクルを「推進する」とも表明した。

一方、再生可能エネルギーはエネルギーに占める比率を平成42年に約2割などの参考値を「さらに上回る水準の導入をめざす」と漠然とするに留めた。

菅義偉官房長官は11日の記者会見で原発ゼロを転換する大転換への批判をかわす為か、本当に真剣に取り組むつもりなの、基本計画を見る限り疑問符がつくのだが、再生可能エネルギーについて「政府の司令塔機能の強化、省庁間の連携促進のため、内閣官房長官を議長とする『再生可能エネルギー等関係閣僚会議』の設置を決め、政府が一丸となって再生可能エネルギーの最大限導入を実現していく観点から、局長級の関係省庁連絡会議を創設することを確認した」と語った。

再生可能エネルギーの目標を漠然と定めるのではなく、年度毎にできるだけ鮮明に定め、実績を毎年国会に報告し、翌年度の目標値を定めて、具体化を加速化することが重要だ。車の排気ガス規制と同じ考えで、リードした数値を設定すべき。

社民党の又市征治幹事長は「原発に依存しない社会をめざすとした自民党の政権公約を完全に捨て去った」と強く批判。そうではないことを自民党は立証する責任が与党としてある。また、自民党の河野太郎議員が「原子力ムラが望む未来でなく、国民が望む未来をつくっていかなければならない」と訴えているが、政府・与党は、この声を原子力行政の『座右の銘』にすべきだろう。

今回のエネルギー基本計画は東電福島第一原発事故の教訓を超え、コストに重点が置かれた経済界や国富優先の閣議決定になったのではないか懸念される。そうでないことを期待し、政府の政策を注視していきたい。(編集担当:森高龍二)


2014年4月12日 提供:EconomicNews

社会情勢レポート記事区切り

学内たばこ登録制
煙たがる学生 違反なら反省文「子ども扱い」 湘南工大

国や自治体がしっかり規制して、国民の健康管理に未来像を描かないから、現場で苦労する、民意程度のひくい麻薬や覚せい剤と同じタバコだという認識が社会にないし、その健康被害で、社会、国の損失がどれだけ大きいのか若い人に理解させる努力は現場だけでは難しい。
国はその点をよく考え、リードしないと、アメリカを見習え!!!

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学内たばこ登録制、煙たがる学生 違反なら反省文「子ども扱い」 湘南工大

 無届けでたばこを吸ったら反省文――。湘南工科大学(神奈川県藤沢市、学生2089人)は8日、喫煙学生の登録制度を始めた。登録せずに学内で吸うと、罰則もある。喫煙マナー向上のための「苦肉の策」だが、学生は「子ども扱いだ」と反発している。

 登録時に受ける「喫煙マナー講習会」を同日、4回開いた。約40人が参加した昼の回。受動喫煙の危険性を伝えるDVDを上映し、喫煙で黒くなった肺の映像などを学生に見せた。

 机に登録申請書を兼ねた「誓約書」が置かれた。未登録者の喫煙と指定場所以外での喫煙を違反と定め、違反1回で反省文、2回で掃除などの奉仕活動を科すとの内容だ。1年で3回以上違反すると、教職員でつくる「学生部委員会」での協議対象となり、同大は「悪質なら停学や退学も検討する」としている。

 登録者は学生証にシールをはり、求められれば見せなければならない。

 学生は不満を隠さない。3年生の男子学生(20)は「高校生のような管理で不愉快」と憤る。決められた場所で吸うと決めた4年生の男子学生(21)も「名前の登録まで必要なのか」。

 今年2月、3年生を対象に行った調査で喫煙者は2割。歩きたばこや吸い殻のポイ捨て、指定場所以外での喫煙への苦情が大学に寄せられる一方、喫煙で授業に遅刻する学生も問題になっていた。「全面禁煙は難しい。隠れて吸ったり学外で吸ったりして問題になる可能性もある」と学生課。「吸わない学生、吸う学生双方に快適な学習環境を作るには、実効性のあるルール作りが必要」と話す。

■168大学、全面禁煙を導入

 学内禁煙の大学は増えている。受動喫煙の防止をうたった2003年の健康増進法施行がきっかけだ。

 日本学校保健学会の「タバコのない学校」推進プロジェクト代表の家田重晴・中京大教授によると、敷地内の全面禁煙を導入した4年制大学は4月時点で、782校のうち168校。02年度は4校だけだった。「合意形成がしやすい地方の小さな大学から禁煙化が進んでいる」と家田教授。

 大規模な大学でも動きは出ている。学生数約1万6千人の東北大(仙台市)は11年秋から、敷地全てを禁煙に。約3万5千人の立命館大(京都市)も13年春から導入した。同大は08年に禁煙に向けた指針を策定。喫煙場所を減らす一方、禁煙の啓発や禁煙治療にも力を入れ、実施までに5年かけて学生らとの合意形成を図った。

 職場や学校の受動喫煙問題に詳しい産業医科大の大和浩教授は「学生の健康を守るのは大学の責務。最近は就職の際に非喫煙者を採用する企業も増えており、全面禁煙に向けた努力は欠かせない。喫煙の不利益を学生に説明するなど、押しつけではない合意形成が必要だ」と話す。(錦光山雅子)


2014年4月9日 提供:朝日新聞

社会情勢レポート記事区切り

薬販売サイト、監視強化 偽造品や違法ドラッグ

薬販売サイト、監視強化 偽造品や違法ドラッグ

 厚生労働省は10日、一般用医薬品のインターネット販売が6月から解禁されるのを前に、偽造薬などの流通防止のため設置した対策推進会議の初会合を開いた。同省の担当者は、偽造薬や違法ドラッグを販売するサイトの監視強化に向け、米国の専門業者に事業を委託したことを明らかにした。

 国内や海外の販売サイトを巡回監視し、違法な疑いがある薬を発見した場合は厚労省に通報、同省や自治体が警告メールを送付する。悪質なケースは警察に通報することもある。

 この日の会合では、性的不能治療薬や痩せ薬などの偽造品が出回っていることに関し「偽造薬は正規品と外観が酷似し、判別が困難」「有効成分を過剰に含み、有害物質が混入している場合もあり、死亡する危険性がある」などの指摘が出た。

 一般用医薬品のネット販売は厚労省令で禁止されていたが、昨年、最高裁が同省令を違法と判断したのを受け、ネット販売が広がっている。改正薬事法や新省令は、安全確保策を業者に義務付けた上でネット販売を解禁するとしている。


2014年4月11日 提供:共同通信社

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混乱の責任は理研にある 冷静に淡々と処理せよ
核心評論「STAP細胞」

混乱の責任は理研にある 冷静に淡々と処理せよ 核心評論「STAP細胞」

 新万能細胞として騒がれたSTAP細胞の論文で「研究不正があった」とする理化学研究所の調査結果に小保方晴子(おぼかた・はるこ)さんが9日、記者会見し反論した。この機会に何が問題かを整理してみたい。

 まず現時点で「STAP細胞は存在する」とは言えないということをはっきりさせておきたい。理由は簡単で、作ったと言っているのは小保方さんたちだけだからだ。それは論文発表のときから変わっていない。

 発見は、他の研究者の手で確かめられて初めて確立する。有名な学者が発表したとか論文が有名な雑誌に載ったとか、論文の画像が間違っていたかなど一切関係ない。

 誰も見たことがないものを「見た」と主張するなら、あらゆる疑問に答え、存在を証明しなければならない。それが科学の常道だ。証明する責任はあくまでも小保方さんと論文の共著者にある。

 だから理研が組織としてSTAP細胞の再現に取り組むというのはお門違いだ。そんなことに使う金があるなら、もっと有意義なことに使うべきだ。本物の発見でないなら、自然に消えていく。

 次に、研究不正を扱う理研の仕組みは内部での処理にとどまっており、公正さに欠けることを指摘したい。理研の調査委員会の報告と小保方さんの反論の両方を、中立的な立場で審査する場を理研の外につくるべきだ。

 理研が政府をバックにした独立行政法人であることを考えると、審査には外国人の専門家を入れることも必要だ。その際、「証拠がそろわなければ無罪」ということを大前提にするべきだ。犯罪を裁く場ではないのだ。

 つまり理研は経緯を調べ、不正かどうかの判定は中立的な審査に任せる、と淡々と問題を処理すればよかった。だが理研やその背後の文部科学省はかえって騒ぎを大きくし、事態を混乱させていると言わざるを得ない。

 理研は高い給料で研究者を雇える「特定国立研究開発法人」になることを目指している。その妨げにならないよう問題の処理を急ぎ、小保方さんに対する調査が不十分ではなかったか。

 そもそも最初の発表時から周りがはしゃぎすぎなのだ。論文が出ただけで特定法人指定にはずみがつくとぬか喜びしたものの、はしごを外されて引っ込みが付かなくなっているように見える。

 科学技術政策にも問題がある。独り立ちしたばかりの若手に過酷な競争をさせ、有名雑誌に論文を出せとせかす。人を育てるという何よりも大事なことを忘れている。

 ノーベル賞学者の故・朝永振一郎(ともなが・しんいちろう)博士は若き日に在籍した理研を、研究以外に何の規制も義務もない「科学者の自由な楽園」と呼んだ。

 当時を振り返った文章の中で、研究にとって必須の条件は人間であり、その人間の良心を信頼して全く自主的に自由にやらせてみることだとつづっている。今の理研は、そういう度量の広さやのびやかさを失っていないだろうか。(共同通信編集委員 辻村達哉)


2014年4月11日 提供:共同通信社

社会情勢レポート記事区切り

小保方氏「会見してよかったのか」 弁護士にもらす

小保方氏「会見してよかったのか」 弁護士にもらす

 STAP(スタップ)細胞の論文問題で、9日に記者会見した理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーが「会見して本当によかったのだろうか」と話していることが、わかった。代理人の三木秀夫弁護士が報道陣に明かし、「様々な不安を抱えているのだろう」と推し量った。

 三木弁護士は10日、入院中の小保方氏と電話でやり取りした。眠れているか尋ねると、小保方氏は「そうでもない」と答え、疲れた感じだったという。

 一方、弁護士事務所には、小保方氏あてに手紙やメールが約50通寄せられ、会見後、さらに増えているという。批判も一部あるが、大半は小保方氏を支持する内容だという。

 送り主は小学生から60代までおり、「小保方さんを信じています」といった内容や、地動説を唱え異端視された天文学者ガリレオ・ガリレイを引き合いに出した激励も数件あるという。


2014年4月11日 提供:朝日新聞

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「小保方さん、一生懸命やっているのでは」自民・町村氏

「小保方さん、一生懸命やっているのでは」自民・町村氏

■町村信孝・元官房長官

 テレビを見ると小保方晴子さんばかり映っている。みんなでバッシングしてるのではないか。彼女がかわいいから言うわけではない。ちょっとそれもあるかもしれないが、それをぬきにしても、一生懸命やっているのではないかなという気がする。

 女性がもっと活躍できる国家に日本は変わることが必要だと思う。官房長官だったときに男女共同参画も担当していて、女性が活躍していない部門は三つあると感じた。国政と各省庁の幹部、大学の教授や助教授は女性の比率が低い。国政というのは、もっと平たくいえば、実に自民党の問題ということですよ。民主党や共産党などは女性が多くいますからね。女性が輝ける国にするため、女性だけでなく男性にとっても重要なテーマという意識で取り組んでほしい。(派閥総会のあいさつで)


2014年4月10日 提供:朝日新聞

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科学的説得力なかった小保方氏

科学的説得力なかった小保方氏

万能細胞:STAP論文疑惑 小保方氏反論会見 科学的説得力なく

 多くの疑惑が指摘された「STAP細胞」論文の中心人物、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーが9日、疑惑浮上後初めて公の場で口を開いた。疑惑に対する科学的な説明を期待されたが、記者会見では謝罪を繰り返す場面が多く、説得力のある説明はなされなかった。【須田桃子、河内敏康】

 ◇明確な理由示さず−−画像流用

 理化学研究所の調査委員会が捏造(ねつぞう)と認定した画像の流用について、小保方氏は「ミーティング用資料の画像を(取り違えて)使った」と説明し、博士論文からの流用を示唆した報告書の調査不足を指摘した。だが説明からは、ミーティング用資料の画像がそもそも何の実験だったのか把握せずネイチャー論文に使った様子がうかがえ、ずさんなデータ管理の一端が浮かぶ。

 博士論文の画像は、骨髄から取った細胞から多能性を持つ細胞を作ったことを示すものだが、小保方氏はミーティング用資料の画像について、「さまざまな細胞にさまざまな刺激を与えると(万能性がある)幹細胞になる現象の一例だった」と説明。これをなぜ実験の条件も時期も大きく異なるネイチャー論文の画像と取り違えたのか。小保方氏は「資料に載っていたデータを安心しきって使ってしまった」と答えただけで、明確な理由は示さなかった。

 ◇問題ないと思った−−切り張り

 調査委が改ざんと判断した遺伝子の実験データ画像は、リンパ球からSTAP細胞が作られたことを証明するものだったが、一部に別の画像から切り取った部分の長さを変えて張り付けたことが問題視された。

 小保方氏は、切り張りした行為を認め、「提示法は不勉強なまま自己流でやってしまった。本当に反省している。申し訳ありません」と謝罪を繰り返した。

 だが、「都合の悪いデータを隠そうとしたのではないか」と質問されると、「(切り張りしても)結果自体は変わらず、それ以上の影響は考えていなかった。結果が正しいので問題ないと考えた」と述べ、改ざんにはあたらないと訴えた。過去の研究不正では、1枚の画像を使って示すべきものを、説明なく複数の画像を張り合わせた場合、改ざんとみなされている。

 ◇細かなコツ必要−−作製の可否

 記者会見でSTAP細胞の作製について「200回以上成功した」と語った小保方氏だが、論文に基づき作製を試みた研究者からは「再現できない」との指摘が相次ぐ。この点について小保方氏は「論文は(作製の)最適条件を記述しているわけではない。その条件を示した論文を準備していたところだった」と釈明。その上で「細かなコツを全てクリアできれば、必ず第三者が実験に成功してくれる」と期待を寄せた。

 ただし、具体的なコツの説明は避け、小保方氏が関与せず作製に成功した研究者もいると話しながら名前を明かさないなど、作製の「証拠」は示さなかった。

 ◇ないと言い切れる−−ES細胞混入

 STAP細胞が再現できていないことから、論文の実験で使った細胞に胚性幹細胞(ES細胞)が混入していたのではないかとの疑惑がある。小保方氏は「(STAP細胞を)作製していた頃は実験室でES細胞を培養していない」と説明。さらに、ES細胞とは異なり胎盤になったことなどを挙げて、混入は「ないと言い切れる」とした。ただし、実験ノートは「第三者でも分かる観点から記述していなかった」と反省を述べた。

 ES細胞混入疑惑については、共著者の若山照彦・山梨大教授が作製して保管していたSTAP細胞由来とされる細胞の遺伝子タイプが、小保方氏が実験に使ったはずのマウスと異なっていた問題がある。この点について、小保方氏は「若山先生と話していないので、詳細は分からない」と回答を避けた。

 ◇強制撤回なら理研打撃

 英科学誌ネイチャーに掲載された論文はどうなるのか。理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーはこの日の記者会見で、「論文の撤回は国際的に結論が間違いであると発表することになる。結論が正しい以上、その行為は正しくない」と述べ、撤回しない意思を強調した。

 他の理研側の共著者は撤回に同意する方向だが、共著者で米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授も撤回に否定的で、論文撤回に必要な著者全員の同意は得られない見通しだ。

 論文は、撤回されると成果が白紙となる。さらに世界共通のデータベースに撤回の記録が残り、科学者としての評価が大きく下がる。このため、不正疑惑を受けた研究者は、撤回ではなく「修正」で対応しようとすることが多い。小保方氏の説明によれば、3月9日に著者全員の同意の下、複数の画像の修正をネイチャー編集部に申請した。しかし、その後にSTAP細胞の万能性を証明する画像に流用疑惑が生じ、共著者の若山照彦・山梨大教授が撤回を共著者に呼びかける事態となった。

 ネイチャー編集部も、著者から実験の元データなどの提出を求め、独自に調査を進めている。同誌の姉妹誌では以前、一部の著者が撤回に同意しなくても、同意しない著者の名前を記して、編集部が撤回を決めた事例もある。ネイチャー編集部は理研の対応を見て、強制的な撤回について判断するとみられる。理研のある研究者は「強制撤回の場合、組織のダメージはさらに大きくなる」と話す。【八田浩輔】


2014年4月10日 提供:朝日新聞社

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訪問診療 後押しから一転ブレーキ 医療現場は厚労省に反発

後押しから一転ブレーキ 医療現場は厚労省に反発

 高齢者施設への訪問診療の報酬を大幅削減したのは、利益目的の患者紹介や過剰診療を防ぐのが目的だが、厚生労働省は従来、病院の入院患者を減らそうと在宅医療を後押ししてきた。医療現場からは「持ち上げておいてはしごを外した」と反発する声が上がる。厚労省は「悪質な医療機関を排除する必要がある」と理解を求めている。

 厚労省は近年、診療報酬改定のたびに在宅医療関連の報酬を引き上げてきた。2年前の前回改定では担当課長が「有料老人ホームなどへの訪問診療は報酬を2倍にした。メッセージとして受け取って」と発言していた。

 在宅医療に取り組んできた医師たちは、今回の改定を「これまでの方針と矛盾する」と批判。最大約4分の3の報酬削減には「いくら何でもやりすぎ」との声が多い。

 反発を受け、厚労省は3月上旬に緩和策を通知。「医師が訪問しないといった影響が実際に出た場合は、地域の医師会から医療機関を紹介する」としており、実態を調査して必要なら見直しも検討する考えだ。

 厚労省幹部は「在宅医療推進の流れは変わらない。志のある医師が中心的役割を担っている現段階で、訪問診療の現場を健全化しておくべきだ」と話している。


2014年4月10日 提供:共同通信社

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(THE HUFFINGTON POSTから)「若手研究者の問題」で済まない

(THE HUFFINGTON POSTから)「若手研究者の問題」で済まない

■免疫学者・医師、小野昌弘(おのまさひろ)さん

 「STAP細胞」の論文について、理化学研究所が研究不正行為を認定した。小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの研究者倫理や科学に対する「誠実さ・謙虚さの欠如」を指摘したが、免疫学者の小野昌弘氏は、若手研究者個人の問題に帰して済む話ではないと疑問を呈する。

 「STAP問題が照らし出した日本の医学生物学研究の構造的問題」(2日配信)で描き出されるのは、日本で「ごく普通」とされる研究環境の問題点だ。年配の教授たちは最新の研究データを理解できず、若い研究者は奴隷的な長時間労働で使い捨てられる。「責任を引き受ける気がないひとは真っ先に逃げ、末端が責任をとらされて終わる」と嘆く。

 「日本の科学研究を建て直さないことには解決しない」。さもないと「同じ問題に由来する危機を近い将来に再び経験せねばならなくなる」。英国在住の小野氏の問題提起は、日本に届くのか。(吉野太一郎)

 ◆各国版から(3月31日〜4月6日)

 4月1日の「エープリルフール」、世界各地でユーモアがあふれた。

 英国版はライブブログで企業やメディアのジョークを追った。フォルクスワーゲンはレスキュー犬に車の運転を調教し、サムスンは「“自撮り”に最適な手袋形携帯」を開発したという。

 日本版も「エイプリルフール2014まとめ」を特集した。人気ゆるキャラ「くまモン」の初主演映画や、アウディがすし業界に参入すると紹介している。「中トロ、大トロ、そしてこれからはクワトロです」とか。

 コカイン吸引場面を動画に撮られるなどの疑惑に見舞われるカナダ・トロントのロブ・フォード市長。早期改選を求めるグループが「コカインでなくたばこを吸います」「絶対にカメラに写りません」と訴える架空の選挙ポスターを掲示した。


2014年4月9日 提供:朝日新聞

 

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