ベトナム・ホーチミン市でストリートチルドレンらの歯科治療をボランティアで続ける県内の歯科医師らがＮＰＯ「歯科ネットワーク岡山から世界へ」（ＤＮＯＷ）を結成し、２９日に北区駅前町のサンピーチ岡山で発会式があった。

　ＤＮＯＷ代表の中條（ちゅうじょう）新次郎さん（５０）はベトナムで歯科治療を続け、抜歯中心のこれまでの活動では限界があり、予防中心の活動に取り組もうと、ＤＮＯＷを立ち上げた。成果を確認するデータをとるために経年的に同じ施設を訪れる方針という。

　ストリートチルドレンの子どもたちは歯磨きの重要性を知らず、「袋に入ったままの歯ブラシを渡しても売ってしまう子もいる。口腔内の環境は悪い」。親や施設のソーシャル・ワーカーへの啓発活動にも力を入れる。

　ＤＮＯＷは歯科医師や岡山大大学院教授など１４人で発足。中條さんは「歯科医師会からも期待され、身の引き締まる思い。堅実にやっていきたい」と話した。【五十嵐朋子】

2010.08.30　記事提供：毎日新聞社