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ポケットドルツ、使い続けると危険!!
開発者とのやりとり

 パナソニックの電動ハブラシ「ポケットドルツEW-DS11」は、メディアでも取り上げられて売れ行きを伸ばしていますが、ホワイトファミリーでは販売しません。
 その理由は・・・

@ケース部分の素材が薄く、割れやすい。
 家電量販店などでケース破損による返品が多いと聞く。

A ブラシの毛先が短いため、歯へのあたり方が硬く、歯肉を傷つける恐れがあります。

B電動とはいえ、電池式のためかパワーが不足気味。

 長期間使用した際の口腔内への影響も心配です。
 当院では販売せず、患者様へもお薦めをしません。

以下が開発元とWFのやりとりです。

WF→パナソニック

平成22年12月6日

パナソニック株式会社
開発ご担当者様

前略

 私は川崎市で歯科医院を開業しております堤一樹と申します。
御社が開発・販売されている電動歯ブラシ「ポケットドルツ」に関し歯科医師の立場より申し上げたい点が数点ございましてお手紙をいたしました。

  1. ハブラシの毛先が硬く短いため、歯へのあたり方が硬く、歯の面や歯と歯肉の境にあるポケットにも届かず、隣接面にもほとんど届きません。毛先の届かないポケット内や隣接面での歯周病が進行し、骨吸収が進み、根面露出をおこし、さらに根面を傷つけたり根面う蝕になることが考えられます。
  2. 隣接面へ届かせようと力を入れれば、歯の面を傷つけ歯肉が退縮する恐れがあります。
  3. 電動とはいえ、パワーが不足気味です。

 

デザイン性が高く、若い女性など幅広い層にオーラルケアを習慣付けてもらうにはとても良い製品であると思います。
しかし現状では、使用を続けて数年もすれば歯肉の退縮など口腔内における影響が心配です。上記の点が改善され、長期間使用しても口腔内に対して悪影響がなく、歯に良い製品となりましたら、患者様にもお薦めしやすくなります。
また、ケースのプラスティックも薄く、ちょっとの変形でヒビが入ります。この点も改良して強化していただければと思います。

多くの利用者のためにも上記の点を改善していただけますようお願い申し上げます。

草々

パナソニック→WF

製造企画担当の方より、連絡させていただきます。

お手紙をいただいた内容は基本的にはごもっともなご意見です。
用途として、携帯性を重視し、女性モニターの意見を聞きながら開発した製品ですので、どうしても、一般的な電動ハブラシと比べると性能は劣ってしまいます。

毛先の長さが短い件は、キャップに収納できる長さ、女性の方が使い勝手が良い長さをモニター評価によって決めました。
大きい口を開けないと入らないブラシはマイナス評価を受けて、今回の長さが限界となりました。

毛の柔らかさについても、長さに制限があり、現在の硬さになっています。

歯間に入らない件も、ごもっともで、限界があり、歯間はフロス等で対応していただくこととなります。

パワー不足の件もその通りで、女性が外で使うことが前提でしたので、コンパクトで音の小さい、振動が強くないもの。ということで、今回の物足りないパワーとなってしまいました。

ご意見は今後の改善に向けて参考にさせていただきますが、どうしても、前提が、携帯用で女性をターゲットにしている点で、一般的な電動ハブラシと比較して性能が劣ってしまいます。

平成22年12月9日

WF→パナソニック

平成22年12月16日

パナソニック電工株式会社
製造企画ご担当者様

前略

ポケットドルツに関するお返事を拝見いたしました。

通り一遍の内容で、がっかりです。宣伝広告の中にそういう表記がないのですから。
毛先の硬さについての表記と、知覚過敏や歯肉退縮を防ぐために、早くに毛先の対応をすべきです。隣接面ケアはフロスでという表記がほしいですね。
手のブラシ以上の効果がないのなら、電動の意味がありません。電池を使うことや、消耗品の部分も含めて、売らんかなだけでちっともエコでないですね。エコな電動歯ブラシを出してください。

ランチ磨きなど外出先での使用を中心としているとはいえ、歯をよくするためのものが歯に悪影響を与えるようでは本末転倒です。早期の改善をお願い申し上げます。

草々

改良電動フロスへ