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原因不明の痛み、心の病も

検査で体のどこにも異常が見つからないにもかかわらず、頭痛や腰痛、関節や骨の痛みのある人は身体表現性障害の可能性がある。

痛みが強い疼痛(とうつう)性障害、特別な病気にかかっていると思い込む心気症、身体欠陥があると思い込む身体醜形障害なども含まれる。原因はまだ解明されていないが、心理的要因が大きく関与して発症すると考えられている。

うつ病でも体の不調を訴える人は多く、身体表現性障害と重なる例もある。うつ病だと気分の落ち込む症状が特徴的だが、身体表現性障害ではそれがなく、何でも周囲に話したり、何人もの医者に診察を受けたりするような活動的な人でもなる。治療には抗うつ薬を使う。

問診では「痛みに対して辛抱できない」「誰かがせきをしたら自分もせきがでる」など不快と感じる身体感覚の強さなどをチェックする。帝京大学医学部の中尾睦宏准教授は「患者は検査しても異常がみつからないためストレスを感じている人が多い。精神科でも専門家が少ない疾病で、心療内科を受診してほしい」と話す。


身体性表現障害の主な種類

疼痛性障害 痛みが主な症状。心理的要因大
身体化障害 疼痛や胃腸の不調など、症状が多臓器にまたがる
転換性障害 感覚マヒなどがあり、神経の病気のようにみえる
心気症 特別な病気にかかっていると思い込む
身体醜形障害 身体欠陥があると信じ込む



2007.7.1 日本経済新聞