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言論NPO祝賀会懇親会:
渡部、石破、逢沢各代議士ほかが歯科界へコメント
大して期待出来ない歯科の将来、
自分のクリニックを選んでくれた患者さんに
満足してもらう技術を磨く自己防衛しかないかな。

 言論NPOは2001年11月に発足し、「健全な社会には健全な議論が必要」との立場から、以来9年間にわたって様々な議論や活動してきた。昨年12月21日には、全国から約250名が参加して9周年祝賀パーティーを千代田区・如水会館で開催した。まず、設立当初から言論NPOのアドバイザリーボードのメンバーとしてご協力をいただいている小林陽太郎氏(富士ゼロックス株式会社前最高顧問)が挨拶し、「言葉の元にある考え方そのものについて、我々として大いに自省し、言論NPOがいろいろな形で場を提供して、日本における言論の質を高めていくことで、グローバルの中での日本の存在価値が評価されていくのではないか」と述べ期待を寄せた。

 さらに「腕力に頼らない以上、言論でやるしかない。お互いに言葉でもって説得し、理解をしてもらう。そしてお互いの共通点を認識していくことが必要なことであり、今まさに求められていることだ」(福田康夫・元内閣総理大臣)、「腕力に頼らない以上、言論でやるしかない。お互いに言葉でもって説得し、理解をしてもらう。そしてお互いの共通点を認識していくことが必要なことであり、今まさに求められていることだ」(佐々木毅・学習院大学教授)、「多様な立場からの議論があってこそ、議論が深まっていくと実感した。言論NPOはまさしくそうした議論をする場をご提供いただいており、ますます活発に議論いただき、日本の言論を深めていただきたいと思う」(岡田克也・民主党幹事長)と続いた。

 これらを受けて工藤泰志下言論NPO代表が「私達が取り組む議論づくりは工藤だけの動きではなく、各分野で活躍する皆さんときちんとつながって、一緒に考えるという舞台にしたい。いよいよ来年10年を迎えるにあたって、本の未来を憂いている皆様と共に、来年1年間でこの国を変えるためのまさに1つの変化のきっかけをつくりたい」と決意と意欲を示した。

 続いて行われた懇親会において、オクネットが、会場で国会議員、研究者ほかに混迷する歯科界に対してのコメントを求めた中で、回答を得た一部要旨を紹介する。まず、渡部恒三・元民主党副代表は、「カミさんと息子は歯医者だが、息子は1年で辞めてしまった。現在、歯医者さんが厳しいのは知っているが、息子は先を見通していたのかな(笑)。まあ、今のままではダメだから何とかしなくては。民主党の国会議員にも優秀な歯医者の人がいますので、大丈夫」と期待を寄せた。

 また、自民党の石破茂・政務調査会長は「中央では民主党にシフトしたが、地元鳥取では、自民党を支持していただいています。林会長には、長年お世話になり心強く思っています。野党になってもブレることなく応援していただき感謝。現在の民主党に本当に任せられるのか」と改めて問いかけていた。同じく逢沢一郎・自民党国会対策委員長も「地元では、有志の歯科医師によって支援グループを作成していただきました。本当に有り難いです。でも、その多くは、昔から応援してくれた歯医者さんが中心です。我々も歯科医療の課題について情報を得て勉強しています」と強調していた。

 一方、経済界から武藤敏郎・大和総合研究所理事長(元財務次官)は、2011年の景気について「2010年と同様の予想をしています。期待をしたいのですが、企業の設備投資意欲がまだ十分ではないのも事実。厳しい状況の中で、診療報酬アップがあった、医院経営に寄与するほどではない、という話を医療関係者からの話を聞いているが、2011年は、踏ん張り所ではないか」と現状認識と展望を見通した。

 同様な立場の高橋進・鞄本総合研究所副理事長は「経済状況に大きな変化は難しいのが現実的判断。社会保障分野への対策に関しては、歯科は結構切り込んでいるのではないか。医科の分野にまだ、切り込める余裕・箇所があるのではないか。いずれにしても社会保障について十分な議論をする時期にきていることは間違いない」と明言した。

特に最後の土屋了介・(財)癌研究会顧問(前国立がんセンター中央病院長)は、「医療が抱えている課題の解決には、医療クラスター構想の実現が大きなカギ。医師だけでなく医療関連職種と地域を拠点にした医療生活圏を構築すべきで、歯科界もそうした視点が必要で、積極的な議論をすべきで、歯科だけでの話では、現状ある閉塞感の解決にならない」と示唆を与える視点を提示した。

奥村 勝 氏
オクネット代表。明治大学政経学部卒業後、一般企業に就職。さらに東京歯科技工専門学校を経て歯科医院、歯科技工所に勤務。さらに日本歯科新聞社編集部記者、雑誌「アポロニア」(日本歯科新聞社)編集長、新聞「Dental Today」(医学情報社)編集長を歴任。

2011.01.06 記事提供:DentWave