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アルツハイマー、歯に注意 かみ合わせ悪いと影響

 歯のかみ合わせが悪いと、アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドベータ」と呼ばれるタンパク質が脳の海馬に増えることを岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学(もりた・まなぶ)教授のチームがラットで突き止め、15日発表した。

  アルツハイマー病はアミロイドベータが脳内に蓄積し、海馬では神経細胞に影響して記憶障害を起こすのが一因とされる。チームは「歯が抜けたり、入れ歯が合わなかったりする人は、治療をすることでアルツハイマー病の予防や進行を抑えられる可能性がある」としている。

  実験では上の奥歯を削ってかみ合わせを悪くしたラットは8週間後、血中のストレスホルモンが増えたことにより、歯を削っていないラットに比べ、アミロイドベータが4〜5倍多く蓄積した。

  また、削った奥歯を治療してかみ合わせを直したラットは4週間後、ストレスホルモンとアミロイドベータがほとんど増えず、歯を削っていないラットとほぼ同じ数値にとどまった。

  同チームは「かみ合わせが悪いと脳に刺激が伝わりにくくなり、ストレスを感じて、アミロイドベータが増えるのではないか」と分析している。

  成果は米神経科学雑誌に掲載された。

2011年9月16日 提供:共同通信社 

アルツハイマー病 かみ合わせが原因? 岡山大グループ

 歯のかみ合わせが悪いと、アルツハイマー病の原因とされる物質が脳内で大量に増えることを、森田学・岡山大教授(予防歯科)らのグループがラットを使った実験で確認し、15日に発表した。この物質は、かみ合わせを良くすると減るとみられ、森田教授は「人間も歯の治療によってアルツハイマー病が改善する可能性がある」としている。

アルツハイマー病は、たんぱく質の塊「アミロイドβ」が脳内に異常に蓄積することで発症するとされる。

森田教授らは、歯が少なかったり、かみ合わせが悪かったりするとアルツハイマー病にかかりやすくなるという疫学調査結果があることに着目。奥歯を削ってかみ合わせをおかしくしたラットと正常なラットをそれぞれ6匹ずつ8週間飼育し、その後に脳の海馬という部分を取り出してアミロイドβの蓄積量を調べた。その結果、かみ合わせ異常のラットは正常なラットに比べてアミロイドβの量が2-2・5倍多く、最大で7倍に達したものもあった。

かみ合わせ異常の状態で4週間飼育し、その後の4週間は歯にかぶせものをして改善したラットでは、アミロイドβの量は正常な場合とほとんど変わらなかった。

研究成果は米科学誌「ニューロモレキュラー・メディシン」9月号に掲載された 。

2011年9月16日 提供:読売新聞