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混合医療は患者さんの利便性のためだけでなく、
最新医療発展のためでもある。

混合診療、解禁議論も TPPで政府見解 国民皆保険制度は堅持

 政府は7日、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加問題に絡み、保険適用の診療と適用外の自由診療を併用する「混合診療」の全面解禁について「(今後)議論される可能性は排除されない」との見解を明らかにした。民主党のプロジェクトチームに対し、外務省が文書を提示した。

 政府がこれまで、同チームに示した文書で、混合診療をめぐってこうした見解を明記したのは初めて。日本医師会は、混合診療が全面解禁されれば公的医療保険制度が崩れるとして反対している。最高裁は10月に「混合診療は原則禁止」との判断を示しており、今回の見解はTPP交渉参加問題の論議に波紋を広げそうだ。

 文書では同時に、TPP交渉参加9カ国による協議で公的医療保険制度の在り方そのものについては「議論の対象にはなっていない」として、実際に議論される可能性は低いと強調。さらに、公的医療保険制度や混合診療の全面解禁について「仮に議論されることになった場合でも、政府としては国民皆保険制度を維持し、必要な医療を確保していく姿勢に変わりはない」とし、交渉参加慎重派に配慮した。

 また、公共事業などの発注をめぐり、海外企業と契約する可能性が小さい小規模自治体でも英文資料の作成など事務負担が重くなるとの懸念に対し、「英語での入札公告の概要の作成を求められる可能性はある」との見解も文書で示した。

 また経済産業省は、TPP交渉に参加した場合、日本が早期に主張すべき7項目について文書を提示。中国のレアアース(希土類)輸出規制を念頭に、資源やエネルギーの輸出制限を抑止するための手続きの規定や、模倣品対策の強化などを挙げた。

※混合診療

 公的医療保険が適用される保険診療と、保険がきかない自費診療を併用することで、原則禁止されている。保険適用外の治療を併用すると通常は保険の対象となる入院料なども含め全額自己負担となる。保険外の治療法も使いたいがん患者らから解禁を強く求める声が出ている一方、日本医師会などは金持ち優遇になるなどとして反対。10月に最高裁は原則禁止は適法との初判断を示した。国は例外的に混合診療を認める「保険外併用療養費」制度を設けており、先進医療や差額ベッド代などでは、保険診療との併用が認められている。

2011年11月8日 提供:共同通信社