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アナフィラキシーはIgG抗体も関与?

アナフィラキシーショック発症メカニズムを解明
白血球「好塩基球」が原因

◇東京医歯大教授ら

ハチ刺されや食べ物が原因で起きる急性アレルギー反応「アナフィラキシーショック」の新たな発症メカニズムを、烏山一・東京医科歯科大教授(免疫アレルギー学)らが突き止めた。白血球の一種の「好塩基球」が活性化することで、ショックが起きていた。予防法などの開発につながる成果で、米医学誌「イミュニティ」電子版に13日掲載された。

烏山教授らは、アトピー性皮膚炎など慢性アレルギー反応の引き金となる好塩基球に着目。ペニシリンでアナフィラキシーショックを起こすマウスから好塩基球を除去すると、ペニシリンを投与してもショックを起こさないことを確認した。

一方、ショックを起こしたマウスの好塩基球を調べると、表面のIgGと呼ばれるたんぱく質(抗体)がアレルゲン(原因物質)と結合し、アレルギー症状を引き起こす血小板活性化因子を放出することが分かった。

これまで、アナフィラキシーショックは、皮膚や粘膜などの細胞の表面にあるIgEという抗体とアレルゲンが結び付いて起きることが知られていた。

重症のアナフィラキシーショックでは、血液中の血小板活性化因子の濃度が増加している。烏山教授は「血液中のIgGを調べれば、アナフィラキシーを起こすアレルゲンを事前に判定できるかもしれない」と話している。【大場あい】


2008.3.14 記事提供 毎日新聞社