White Family dental-site

デンタルトピックス


歯周病や口臭はガンの発生原因?

役に立っても、臭いのと、ガンを増やすことは変わらないからね! 

硫化水素が血圧制御で大きな役割を果たしているらしいことが判明

一酸化窒素のみが血圧を制御するのではないことが判った。悪臭の原因ともなる気体である硫化水素が、重要な生理的血管拡張物質で血圧制御因子であることが最新研究で示された。
Michael O'Riordan

(メリーランド州ボルチモア)一酸化窒素(NO)が心血管系の重要なシグナル物質であることを発見して米国の科学者がノーベル賞を受けてから20年経った今、血圧の決定因子の特定に役立つ知見として、もう一つの気体の存在が最新の研究で明らかになった。硫化水素(H2S)が重要な生理的血管拡張物質かつ血圧制御因子として働いている。

「一酸化窒素は気体である点がユニークであり、体内のメディエーターは化学物質群に入ることから、その他にも同様の働きをする気体があるとは他の者はあまり思っていなかった」と、『Science』2008年10月24日号に発表された論文の著者の一人であるDr Solomon Snyder(ジョンズホプキンス大学医学部、メリーランド州ボルチモア)が語った。

腸内細菌によって産生されるH2Sは、動物に注射すると血圧を下げることはかなり前から判っていた。しかし今回の研究グループは、生理的血管弛緩物質で血圧決定因子としてのH2Sの働きを正確に求めようとした。Snyder博士のheartwireへの説明によれば、指導研究者のDr Rui Wang(レイクヘッド大学、オンタリオ州サンダーベイ)を始めとする研究グループは、H2Sがシスタチオニンγリアーゼ(CSE)で産生されるのではと考え、CSE遺伝子をノックアウトしたマウスモデルを開発した。

CSE遺伝子を欠如させると、血清、心臓、大動脈、その他の組織に含まれるH2S濃度が顕著に減少することが判った。

「我々は、脳を除く体内のほとんどの場所での硫化水素産生がノックアウトマウスで消失することを発見した」とSolomon博士は言う。「我々は『やった!』と声を上げた。これで、そうした変化を見せたマウスの特性を調べることができるようになった。当然ながら最初の大きな疑問は、『血圧に何か変化は起きたか?』だった。思った通り、血圧は顕著に上昇していて、それは少なくとも、一酸化窒素の遺伝子をノックアウトしたマウスに同等以上だった。」

正常マウスに比べると、変異マウスの血圧は12週齢の時に最高の135 mmHgに達し、対照マウスよりも18 mmHg近く高かった。

次に、変異マウスの腸間膜動脈が、弛緩経路に関与する神経伝達物質であるメタコリンにどのように反応するかが調べられた。正常マウスの血管にメタコリンを加えると、動脈が弛緩した。しかしCSEノックアウトマウスの血管にメタコリンを加えても、腸間膜動脈は弛緩しなかった。

「今後は多数の血管および多数の動物種でたくさん実験をして、一酸化窒素と硫化水素の相対的重要性を明確にする必要がある。しかし今回の研究により、血管機能と血圧にとって硫化水素がかなり重要な決定因子であることは明白である」とSnyder博士は言う。

この2種類の気体は同じような機能を持つように見えるが、一酸化窒素とH2Sが共同して作用するのか、相互に排他的であるのかは分かっておらず、それは今後も研究を続ける必要があるとSnyder博士は語った。考えられる長期の臨床的意義としては、H2Sを別の分子と化学結合させて錠剤に閉じこめ、そこから放出させることで血圧を制御できる可能性があると博士は述べた。

今回の発見は大変に興味深く、このような結果が出たことがなかなか信じられなかったとSnyder博士はheartwireに語った。「あくまでも理論に過ぎなかったので、Rui Wang博士の研究室と我々の研究室とで共同していろいろな実験をたくさんやり続けた。するとどの実験も我々の考えが正しいことを示していた。優れた科学とは、自分の仮説を反証するありとあらゆる実験を行っても、反証するものがないことだ。」

Yang G, Wu L, Jiang B, et al. H2S as a physiologic vasorelaxant: hypertension in mice with deletion of cystathionine γ-lyase. Science 2008; 322:587-590.

 

2008.10.23 記事提供 Medscape

口臭」原因 健康に悪影響 
「歯周病」「がん引き金」 舌の清掃で予防を

口のにおいに悩む人は多い。程度の差はあるが、口臭は年齢や性別、病気の有無にかかわらず、誰にでも起こり得る。最大の発生源は舌の表面に付着する「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる汚れ。においの原因物質は歯周病を誘発したり、全身の健康に悪影響を与えたりする。予防には舌の清掃が大切だ。

口の細菌で

 「おじさんの方が臭いということはありません。男性も女性も、においの強さは同じです」

男女で差なし

こう話すのは、新潟大医歯学総合研究科の宮崎秀夫教授。十代から六十代までの男女計二千六百人について口臭の原因物質を測定した結果、年齢が上がるほど濃度は高くなったが、男女間で差はなかったのだという。

この場合の口臭は「生理的口臭」と呼ばれるものだ。歯周病などの口の病気や、呼吸器や耳鼻咽喉(いんこう)系などの病気で起きる「病的口臭」とは違い、大半の健康な人に発生する。その主要な原因が舌苔とみられている。

鏡で舌を見てみよう。白いコケのようなものが付いていたら、それが舌苔だ。はがれた粘膜の細胞や血液成分、食べかすなどが堆積(たいせき)したもので、タンパク質を多く含む。

毒ガスの温床

もともと口の中には三百種を超える細菌がすんでいる。その一部は、タンパク質を分解する際、硫化水素やメチルメルカプタンといった口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物(VSC)」をつくり出す。うっすらと付く程度の舌苔は正常だが、過剰な場合は口臭の温床になってしまう。

宮崎教授によると、口臭の強さは一日の中でも変動する。「においの強さは唾液(だえき)の分泌量に関係している。唾液が少ない就寝中はにおいが強い。起きて食事をして唾液が出るとにおわなくなる」。加齢で唾液の分泌量が減ると舌苔も付着しやすく、口臭が強くなる。

ところで、VSCの一つである硫化水素は火山ガスにも含まれる有毒な気体で、卵の腐ったようなにおいを発する。日本歯科大の八重垣健教授は「〇・三ppmでも不眠やむかつきが現れる。口臭として出るのは一ppm。悪影響がないわけがない」と毒性を強調する。

バリアー破壊

細菌や毒素が歯肉中に侵入し、歯の土台が壊される歯周病。八重垣教授によると、通常は基底膜という組織が侵入を防いでいるが、VSCはバリアーを破壊した上、歯周病を発生させる化学反応を起こす。歯周病になると、硫化水素より臭いメチルメルカプタンが大量につくられ、においはさらに強烈になる。

ほかにもVSCが、遺伝子を傷つけてがんの引き金になる活性酸素を増やすことや、硫化水素がDNAを直接損傷することなど、口臭物質の悪影響が分かってきた。

また、舌苔は口内の細菌が気道に入り肺で増殖する誤嚥(ごえん)性肺炎の危険性を高める。物をのみ込む機能が衰えた病人や高齢者は特に用心したい。

では、口臭はどうやって防ぐのか。必須なのは舌を傷つけないよう注意しながらブラシなどで舌苔を清掃する方法。タンパク質分解酵素を配合した錠剤を口に含み、舌苔を化学的に除去する方法もある。ただし歯周病がある場合は、これを治すのが最優先だ。

 

2007.11.17 記事提供 熊本日日新聞

歯周病、がんのリスクが高まる可能性=研究

[シカゴ 27日 ロイター] 歯周病によりがんのリスクが高まる可能性があるとの研究結果が27日明らかになった。インペリアル・カレッジ・ロンドンのドミニク・ミショー博士らが専門誌に発表した。
歯周病歴のある男性医療専門家を対象にした長期研究で、がんを患う可能性が全体的に14%高いことが判明した。論文では「喫煙その他のリスク要因を考慮した上でも、歯周病は肺や腎臓、すい臓、血液のがんのリスク増大と大きな関連性があった」としている。
これまでの研究では、歯周病で心臓病や糖尿病の発生リスクが高まる可能性が示されていた。

2008.5.28 記事提供 ロイター

ガンリスクでもある歯周病連鎖

歯周疾患患者は癌発症リスクが高い

歯周疾患がある患者は癌に罹患する可能性が高いことが、約5万人の追跡調査から示された。これは、英Imperial College Londonの研究者らによるもので、Lancet Oncology誌の2008年6月号に掲載された。この研究で歯周疾患を有する場合に発症リスクが高かったのは、肺癌、腎癌、膵癌、血液癌などであった。

今回の研究は、40歳から75歳の男性約5万人を17年以上にわたって追跡調査し、癌の発症と歯周疾患に関連があるかを調べたもの。その結果、歯周疾患がある場合に何らかの癌を発症するリスクは、ない場合に比べて1.14倍に増加していた。

中でも特に発症リスクが高かったのは、肺癌(1.36倍)、腎癌(1.49倍)、膵癌(1.54倍)、血液癌(1.30倍)であった。

これまでの研究から、歯周疾患を有すると心疾患や糖尿病の発症リスクが高まることが知られている。様々な疾患を予防するという観点からも、歯周疾患を有する場合には、きちんとした治療を受けることが重要といえそうだ。

(小板橋 律子=日経メディカル別冊)

2008.5.29 記事提供 日経メディカルオンライン

歯磨きで3割もガンの発生率低下する!!

歯磨きでがんリスク3割減 発がん性物質洗い流す

1日2回以上歯を磨く人が口の中や食道のがんになる危険性は、1回の人より3割低いとの研究結果を、愛知県がんセンター研究所(名古屋市)がまとめた。全く磨かない人の危険性は、1回の人の1.8倍だった。

 約3800人を対象とした疫学調査の結果で、歯磨き習慣と発がんの関連を示す報告は国内初という。横浜市で10月1日から開催される日本癌学会で発表する。

 同研究所疫学予防部の松尾恵太郎室長は「口やのどには発がん物質とされるアセトアルデヒドを作る細菌がいる。歯磨きで細菌や発がん物質が洗い流されるので、少なくとも朝と夜に磨けば、がん予防に役立つ」と話している。

 同センターを受診した人の中から、口の中やのどなどの頭頸部がんと食道がんの患者計961人と、がんでない2883人に、歯磨きや喫煙、飲酒などの習慣を聞いた。年齢は20〜79歳で平均は61歳。

 解析した結果、2回以上磨く人は1回の人に比べ、がんになる危険性が約29%低く、全く磨かない人の危険性は2回以上磨く人の2.5倍だった。喫煙や飲酒をする人だけの解析でも同様の結果で、歯磨き習慣がないことが、ほかの危険因子と関係なく、独立したがんの危険因子であることを強く示すものだという。

2009.9.28