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「救命救急処置に関する講演会」


 2月22日(金)、荒川区歯科医師会で救命救急処置に関する講演会が開催され、日本歯科大学附属病院の高橋誠治氏が講演した。アメリカ心臓協会(AHA)のインストラクターとしても活躍する高橋氏は、歯科麻酔に限らず、救命救急処置全般に明るい。

冒頭、高橋氏は蘇生法における国際ガイドラインについて説明した。現在、国際ガイドラインは国際蘇生連絡協議会(ILCOR・1992年設立)によって世界中の各地域から集まった代表者により、数年に1度更新されている。各地域の代表は、そのガイドラインを、各国の死生観、宗教、風習等の実情にマッチさせて導入しているという。日本歯科麻酔学会を含む各種学会や、日本救急医療財団、日本赤十字等を含む各団体で構成されている日本蘇生協議会(JRC)は、ILCORにアジアから唯一正式参加。2009年には大阪でILCOR会議が開催されている。

2010年改正、最新のガイドラインのポイントを解説。
胸骨圧迫(心マッサージ)は10秒以上の間隔をあけてしまうと蘇生率が下がるという。人工呼吸用のポケットマスクの作成には、慣れた人でも15秒、通常は1分近くかかってしまうため、そうした作業は周囲の方に任せ、胸骨圧迫を続けることが大切

胸骨圧迫は一定のテンポで行うことが重要


脈評価は医療従事者でも難しいため、自信がない場合は呼吸の評価と胸骨圧迫に専念することを勧めていた。

 2003年に厚生労働省が発表した歯科医師の救命救急研修ガイドラインについても言及した。
現在、歯科医師は器具や医薬品を用いずに救命処置を行う一時救命処置(BLS)のみならず、気管挿管等を含む二次救命処置(ACLS)の実行と専門医への適切なコンサルテーションが求められている。
大学での教育のみならず、歯科医師会主催の研修会等での生涯教育と反復研修の重要性を強く訴えた。

 AEDや静脈確保の代替手段としての骨髄ルート確保、麻酔等によるアナフィラキシーの危険性など、ACLSに必要な対応について解説。参加者は熱心に聞き入っていた。

(DW編集部 中川)

2013年3月2日 提供:DW編集部 中川 様