歯科治療に来た患者に痛みを和らげるとして「イオン」と称する電流を手に流したり、高圧酸素カプセルを使用したりするのは「望ましくない」として、神奈川県保健福祉部が、同県厚木市内の歯科医院の男性院長に指導していたことが19日、関係者の話で分かった。
院長側も県に事実を認め「患者への使用は見合わせる」と回答した。
関係者によると、医師はこのほか、患者の足裏や腰を押さえる「金の棒」も使用しており、それぞれ数千円を本人に請求していたという。
また患者の1人だった神奈川県の主婦(35)が19日、架空の治療費などを保険請求して診療報酬約28万円を不正に受給したとして、詐欺容疑で、院長を横浜地検に告発した。
告発状によると、主婦は2005年から約2年間通院。別の歯科医院で治療した内容を、この歯科医が治療したように装うなどして架空の治療費を請求していたという。「イオン」や酸素カプセル、「金の棒」も使われたという。
神奈川社会保険事務局の個別指導も受けた院長は、一連の行為について「患者の要望通り治療をした。治療内容の是非は行政の判断に委ねたい」と説明している。
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