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東京歯科保険医協会メディア懇談会:
”保険対象CAD/CAM”" 51年通知廃止”等論議

東京歯科保険医協会メディア懇談会:”保険対象CAD/CAM”" 51年通知廃止”等論議

東京歯科保険医協会がメディア懇談会を3月14日に開催した。協会からは、藤野健正副会長(広報部長)、矢野正明副会長が出席し、参加メディア関係者に「政策委員長談話」、「51年通知関連」などについての資料を基にした報告・解説がされ、さらに参加者と意見交換が行なわれた。「政策委員長談話」要旨は次の通り。

「今回の診療報酬改定は、2025年までの社会保障・税一体改革に向けた第二歩に位置づけられている。在宅への訪問診療や周術期などの医療連携など在宅療養者への対応は今まで以上に求められていく。現行制度では、訪問歯科診療は外来診療の延長上に位置づけられており、訪問歯科診療の推進は外来診療の安定が不可欠。

今改定では、消費税率引き上げへの対応が多く占め、基礎的技術料の引き上げにつながるものはごくわずかで、多くの歯科医療機関の経営安定化につながらないと思われる。義歯管理料は再編され、歯科開業医には影響が大きい。義管Aや歯科口腔リハビリテーション料Tの算定が月1回の算定にされたことから診療にかかる時間と点数算定とにゆがみが生じ、現場が混乱することが予想される。歯周治療関連では、SPTや歯周治療用装置などのしばりが緩和されるようだが、どれだけ運用しやすくなるのかは現在では、不透明であり、注視していきたい」。

続いて、今回の改定の中で、注目された “保険対象CAD/CAM” と “51年通知廃止” が取り上げられた。特に、”CAD/CAM” が保険導入へのある意味での期待が先行していたのは事実。しかし、具体的に内容がわかると、多くの関係者からは落胆の色を隠せない状態でもあった。配布資料では、以下のように説明がされた。「保険導入対象機械を導入しているのは全国では5台のみであることが解かった。対象のシステムは、GCが販売するAadvaのLW-1、GN-1のみ。LD-1は対象外。この機械を入れている歯科医院またはラボは先進医療で扱っていた北海道医療大学、広島大学、大歯大、東北大学、コアデンタル横浜の5件。CERECについては、クラスT(200セット販売)は対象となるが、クラスUは対象外。多くの歯科医院で普及(2000台)しているのはクラスU。材料組合からの意見で、検討がされる模様。CERECクラスT=間接のセット、同U=直接法のセット」。

参加者からは、「現実的に、どの程度の台数を見込んでいるのか」「ある程度、限定されることを見据えて点数を設定。手が挙がらないのは想定して改定・新規項目にしているのが厚労省の手法」「検討を始めた歯科医院も当然あるだろうが、採算にあうかどうか計算しているはず」「保険導入に対応すべ機器・機械を購入したが、結局普及せず結局は廃止。歯科はこうしたケースは何回もあるので慎重に対応する必要がある」などと参加したメディア関係者からも意見が出された。

また、唐突の感があった” 51年通知廃止”にも、協会からの指摘・問題提起もあり議論は集中した。「51年通知廃止に代わり留意事項通知が出され、その文言中”歯及び口腔に対する治療体系が細分化されている歯科治療の特殊性に鑑み”があるが、今後に向けての何らかの意味があるのかどうか」「厚労省は、従来と同様な内容というが、注視していく必要がありそうだ」などの見方が示された。

奥村 勝 氏

2014年3月18日 提供:NPO法人 歯科医療情報推進機構