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介護予防事例紹介:歯科的事業・高知市の充実目立つ”かみかみ百歳体操”


厚労省
介護予防事例紹介:歯科的事業・高知市の充実目立つ”かみかみ百歳体操”

 厚生労働省は5月27日、介護予防に積極的に取り組んでいる事例を公表した。地域事情に応じた効率・効果的な事業でありそれぞれ工夫が施されている。その中から歯科的分野の介護予防でも参考になる事業があるが、高知市の事業の充実ぶりが目立ったが、特に独自開発した”かみかみ百歳体操”が、行政・住民から高い評価を得ており、広く各地域も参考・模倣している。概要は以下の通り。
高知市は全体にその取り

 組みは意欲的で高い評価を得ている。特に注目されている「いきいき・かみかみ百歳体操地域支援事業」は、介護予防を目的に高齢者の運動・口腔機能の維持・改善を図り、いきいき・かみかみ百歳体操を実践する地域住民の取組みを支援している。体操実施の希望のある地域住民の要望に基づき、健康づくり課職員(保健師・理学療法士・歯科衛生士・栄養士・看護師)を派遣し、住民主体で体操が継続して実施できるよう支援を行っている。

 また、口腔ケアや高齢期の食育についての健康講座等も実施している。口腔ケアについては、かみかみ百歳体操。3カ月後フォロー時に口腔ケアの健康講座導入を打診し、かみかみ百歳体操開始後6カ月頃に歯科衛生士が実施(かみかみ百歳体操開始の会場すべてに投げかけをしている)。さらに、年1回の追加支援時に、歯科衛生士や看護師が訪問して、口腔ケアの必要性や低栄養予防のワンポイントアドバイスを講義している。高齢期の食育については、体操会場からの依頼に応じて、栄養士の講座や食生活改善推進員による説明と調理実習等を実施(5〜10件/年程度)。そもそも「かみかみ百歳体操」は、新たな介護予防の展開として、平成17年口腔機能向上の取組みとしてを考案されたもので、いきいき百歳体操を開始している体操会場へ導入を勧めたもので、体操の導入に関しては、住民側で決定しており、行政の提案を住民の判断で決定してその共通理解が意義があるとしている。
その他の地区の事例は次の通り。

△高知県中芸広域連合:
在宅歯科衛生士により、口腔ケアに関する健康教育を1会場あたり3回/年行っている。義歯の手入れや口腔清潔等についての指導を行い、「かみかみ百歳体操」を行う。さらに、かみかみ百歳体操の効果を測るために、口腔機能の評価(嚥下機能、義歯チェック等)を実施している。

△岡山県総社市:
医師による「高齢者の身体特性」についての講義、運動器の機能向上や口腔ケア、ノルディックウォーキング(2本のポールを持っての歩行)、総社市の介護保険の現状等の講義及び実技を6回講座で開催。『いきいき百歳体操』を中心に地域で介護予防に積極的に取り組み,普及にも協力してもらうサポーターを養成した。

△大阪府島本町:
「かみかみ百歳体操」は、高知市が作成した口腔機能向上の運動である。いきいき百歳体操を行「っていることを前提に行う。体操時間は約15 分である。「いきいき百歳体操」、「かみかみ百歳体操」共に対象者は主に高齢者であるが、特に何も制限はない。住民が自分たちの意志で拠点を立ち上げる。住民主体で行っており、住民が日常的に運営し、継続している。

△大阪府大東市:
活動が半年以上継続した団体には、市で年2回の体力測定・25項目チェックリスト、年1回の口腔機能評価を行っている。これらとは別途、年3〜5回コースの派遣型介護予防講座(運動、栄養、口腔、認知症のリスクに対する実技と講話)を開催し、講師として運動指導員、栄養士、歯科衛生士を派遣している。

△静岡県静岡市:
誰でも「簡単・効果的」な体操を作成し、専門的な知識がなくともDVD等を媒体に容易に実施できる共通プログラム(指体操・筋力向上体操・口の体操等)を様々な場所で行うことが効果的との判断に至った。既に介護予防効果が見られていた高知市の「いきいき百歳体操」を参考に体操を作成し、介護予防事業におけるプログラムの統一を図り、運動器機能向上事業内で実施して地域へ普及を図った。

△千葉県印西市:
平成24 年3 月に高知市、津山市の事業視察を行い、事業実施のノウハウを学び、地域での事業展 開の準備を行った。印西市では、運動・口腔・栄養・認知の介護予防を総合的に実施する「まるごと教室」の利用者が 多く、教室終了後の受け皿が必要になったため、平成24 年10月からモデル事業として開始することにした。

(奥村勝氏)

2014年5月28日(水)

更新日:2014年6月11日