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歯と口の健康アラカルト 歯が抜けたまま、放置していると


いまだに、日本では、こういう放置があるの?

歯と口の健康アラカルト 歯が抜けたまま、放置していると

 歯が抜けたまま放置していると大変なことになります。むし歯で歯に穴が開いているのに、痛みを我慢して歯科を受診せぬまま放置し、気がつけば知らない間に歯がなくなっていた、というような場合は特に危険です。勝手に歯が抜けたと勘違いしてしまう患者さんもおられます。歯ぐきの上に歯がなくても骨の中にまだ根が残っている可能性があります。永久歯の根は乳歯のように自然に吸収しません。骨の中で残った根が化膿して、突然顔まで腫れる恐れもあります。さらに放置すれば、周囲の骨をどんどん溶かして隣の歯の周りの骨まで失うことになります。急いで歯科を受診、レントゲンの検査で骨の中を調べてもらう必要があります。

 抜けた部分の隣の歯も長期間放置すると徐々に抜けた部分を覆うように傾いてきます。かみ合っていた反対側の歯は伸びてきます。傾いたり、伸びた歯ではうまくかめません。また空気も漏れるため話しづらくなります。正常な位置から歯がずれてくると、その部分の清掃が難しくなり、むし歯や歯周病が進行しやすくなります。かみ合わせのバランスも崩れ、あごが痛くなることもあります。

 特に見えない奥歯は抜けても放置しがちです。1本ぐらいと考えて歯がなくなった場所を放っておくと周りの健康な歯まで病気になります。とにかく早急に歯科を受診することをお勧めします。はじめが大切です。(府歯科医師会学術部)

引用:毎日新聞社 2014年7月2日(水)
更新日:2014年7月3日