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人口歯治療を支援

立命大など ソフト開発 骨にかかる力解析 

立命館大学と東京歯科大学などの研究グループは、人工歯根を埋め込む歯のインプラント治療の支援ソフトを開発した。歯をかみ合わせたときにあごの骨にかかる力の分布を、従来より10分の1の細かさで解析できるため、人工歯根を差し込む角度や深さを適切に設定するのに役立つ。歯学関連の研究者や医療機関向けに採用を呼びかける。

開発したソフトは、あごの骨のエックス線CT(コンピュータ断層撮影装置)画像をもとに、伝わる力の分布を10−30マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルごとに計算して示す。骨の内部は、スポンジ状の骨(海面骨)や、骨の成分粒子(アパタイト)が複雑に入り組んでいる。こうした骨の微細構造から、力が伝わる向きや大きさを割り出す。

骨は力の向きなどに合わせて成長する。事前に力のかかり具合が精密に把握できれば、人工歯根に沿って骨を適切に成長させるため、人工歯根を最適な位置に調節できる。

人工歯根を埋め込んだイヌのあごの骨のCT画像で試した。歯から人工歯根に力がかかり、さらに力が海面骨からあごの骨へ伝わっていく様子の細部が分った。

骨は内部構造が複雑なので、骨にかかる力が伝わっていく様子や影響を正確に測るのは難しかった。今後は骨がもろくなる骨粗しょう症の診断などへも応用したいという。


(2007.3.5 日本経済新聞)