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噛める、生きた歯を再生できた!
これで、インプラントも変わってくる。

そしゃく可能な歯を再生 東京理科大、マウス実験

歯のもととなる細胞を歯が抜けた場所に移植するマウスの実験で、正常に機能する歯を再生させることに世界で初めて成功したと、東京理科大の辻孝教授(再生医工学)らが米科学アカデミー紀要(電子版)に4日付で発表した。東北大、東京医科歯科大との共同研究。

 再生した歯は、ものをそしゃくするのに十分な硬さがあるほか、神経がつながっており、刺激を与えると脳に痛みが伝わった。

 幹細胞から人為的に器官や臓器をつくる再生医療が注目されるものの、そうしてつくった器官や臓器が実際に機能するかどうかは分かっていなかったが、十分に機能する可能性を示すものだとしている。

 辻教授らは、マウスの胎児にあり、歯のもととなる「歯胚(しはい)」から、さまざまな器官のもととなる上皮細胞と間葉細胞を取りだし、2種類の細胞を再び集めて「再生歯胚」を作製。大人のマウスの上あごから臼歯を抜き、そこに再生歯胚を移植した。すると約50日後には、歯は通常に近い大きさまで伸びた。

 この歯は硬く、内部には正常の歯と同様に神経線維があった。

 外部から刺激を与えると、痛みを感じた際に脳でできるタンパク質がこのマウスの脳でできていることを確認し、歯から脳に痛みの刺激が伝わっていることが判明した。

 辻教授は「原理は同じで、歯だけでなく、ほかの臓器に応用も可能と考えられる」と話している。


2009.8.4  記事 共同通信社