1.がんリスク検査(高確率な唾液によるサリバチェック)
”唾液は身体の鏡”
私は消化器外科医の道を選択し、中でも膵がんの診療に尽力してきました。最も予後不良な膵がんと向き合い少しでも患者さんの役に立ちたいという志しからです。
「こんなに元気なのになぜ手術が出来ないのですか。」「手術したのにもう転移したのですか。」
膵がんの多くは発見された時には進行がんのステージで、手術後にも転移対策が重要です。未だ満足できる状況ではありませんが、発見が早期であれば膵がんの外科治療成績は良好です。
多くの方が年一回の健康診断を受けられていると思います。はたして年一回の検査には根拠があるのでしょうか?膵がんの平均余命は半年以下。もっと頻繁に検査を受けることで、早い段階でがんを見つけられる仕組みをつくりたい。
私たちの提案は「セルフ・ヘルスケア」です。自分自身の健康状態を簡単な検査で把握していれば、がんを早い段階で発見することが可能になります。例えば早期の大腸がんや胃がんが発見できれば内視鏡による切除が可能で、お腹を切ることもなく直ちに日常生活に復帰できます。
このセルフ・ヘルスケアには、簡単で身体に負担の少ない検査が適しています。私たちが開発した唾液検査は針を刺す必要もなく、少量の唾液が必要なだけなので、職場や自宅でも検査が可能になります。唾液中のがんに特有な複数の物質を測定し、人工知能でがんのリスクが計算されます。遺伝子検査とは異なり、今現在の自分の体内で何が起きているのか、ということが分かるのです。
簡便で体に優しい唾液検査は、繰り返し何度でも、一人一人の健康状態に応じて適時検査が可能です。がん疾患の早期発見、早期治療に唾液検査を役立てて下さい。
代表取締役 砂村 眞琴
唾液がんリスクスクリーニング検査
2人に1人ががんになる時代。
今を知って、未来を生きる 早めに備えるがん対策

1つでも当てはまる人はサリバチェッカー®で現在がんの疑いがあるかどうか調べましょう。
SalivaChecker®(サリバチェッカー®)の特長は?
がん早期発見の 可能性
症状が出にくい膵がんも早期発見できる可能性があります。もしがんになっても、早期発見ができれば治療の負担も少なく、家族も安心です。
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痛くない
数滴のだ液を採取するだけなので、体に負担をかけません。血液検査が苦手な方でも安心して受けていただけます。
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1度に複数のがんのリスクがわかる
・肺がん・膵がん ・大腸がん・乳がん ・口腔がん
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確かな臨床研究
SalivaChecker®のだ液がんリスク検査技術の基礎となった研究は、多くの論文が国際的な学術誌に掲載されています。
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SalivaChecker®とは?
唾液は「身体の鏡」といわれ、血液や尿と同じように健康状態の指標となる多くの情報を含みます。唾液中の成分の大部分は血液由来のため、がん細胞から染み出す代謝物質は血管を通り、唾液中に染み出します。
SalivaChecker®は、最新の測定装置を用いてこれらの物質の濃度を解析することで、現在がんの疑いがあるかどうかを調べます。
人間の唾液には、安静時唾液・刺激唾液の2種類があります。SalivaChecker®は血液成分に近いといわれる「安静時唾液」を用いて検査を行っています。

SalivaChecker®の流れ
医療機関で 検査申し込み |
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唾液採取 |
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検体をWEBで登録 |
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検体の発送 |
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サリバテックへ 検体到着 検査・解析 |
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検体到着後3週間 レポートの お渡し(WEB) |
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検査結果の 受け取り |
検査を受けたあとは、がんのリスク値が高い場合は、検査を受けた医療機関に相談されることをお勧めします。
リスク値が低い場合でも、定期的にSalivaChecker®を受診することをお勧めします。
SalivaChecker®を受けましょう
1 検査はだ液を少量とるだけ

医療機関でだ液を採取します。採取は2~5分程度で終わります。 |
2 衛生検査所にてだ液成分を測定
だ液中のがんに特有の代謝物質の濃度を解析することで、
現在がんの疑いがあるかどうかを調べます。 |
3 検査結果を受け取る
検査実施日より約3週間で医療機関へ結果を提供します。
検査を受診された方へお渡しするまでの期間は各施設ごとに異なります。 |
4 検査を受けたあとは
がんのリスク値が高い場合は、検査を受けた医療機関に
相談されることをお勧めします。リスク値が低い場合でも、
定期的にSalivaChecker®を受診することをお勧めします。 |
唾液採取前の注意事項
検査2日前 | 以下の食品の摂取を控える
・枝豆、納豆、煮豆、豆腐などの「豆」を主原料とした料理
・クルミ、アーモンドなどのナッツ類
・シジミなどの貝類
・豆類、ナッツ類、シジミなどの貝類を材料としたサプリメント
※ コーヒー豆は検査に影響ありません。前日夜9時までであれば 飲食可能です。
※ 黄な粉、油揚げ、ピーナッツは豆類になるため、唾液採取の
2日前より控えていただきますようお願いいたします。
主原料ではなく、ごく少量含まれている程度でしたら、
検査結果に影響はありません。 |
検査前日 | 夜9:00以降、水以外の飲食を控える |
検査当日 | 朝食を控える
・歯磨きは検査2時間前までに済ませる
(歯肉を傷つけてしまうような強いブラッシングは控える。歯磨き粉の使用は可能)
×口紅、リップクリーム ×ガム、飴、トローチ ×うがい薬 |
検査1時間前 | ×激しい運動 ×喫煙 ×口腔内の手入れ |
検査直前 | 30分前にコップ半分(100ml)程度の水を飲む
(他の検査で水分を摂取できない場合は軽く口をゆすぐ)
※ドライマウスや唾液の出にくい方は事前に検査担当者に伝えてください。
※薬を服用中の方は事前に医師にご相談ください。
※口紅、リップクリームは検査前に拭き取ってください。 |
唾液採取の方法


スクリーニング検査の必要性
医療の高度化に伴いがんの治療効果は劇的に向上してきました。しかし、がんの絶対患者数の増加と医療の高度化による二重の要因による医療費増大により、医療経済的な負担はますます増大することが懸念されます。がん対策の新しいシステムの構築によるパラダイムシフトが必要とされています。
【膵がんの早期発見には高頻度な検査が必要】
部位ごとの傾向として、2018年の臓器別がん罹患者数の予測値は、大腸、胃、肺、乳腺、前立腺、膵臓と続き、死亡者数では、肺、大腸、胃、膵臓、肝臓、胆嚢・胆管が上位を占めます(いずれも男女計)。5年生存率の推移をみると、男性の前立腺がんは97.%、女性の乳がんでは91.1%と極めて高いものもある一方で、膵がんは男女ともに7%台と極めて低く、この20年間でほとんど上昇がみられません。日本だけでなく世界でも同様に膵がんの予後は極めて悪く、多くの症例がステージⅣの転移症例で見つかるために、現状では手術適応段階(ステージⅢあるいはそれより前)での発見が困難です。また、具体的なリスクファクターも同定されておらず、ハイリスク群の選別も難しいため、進行しないと症状が出てこないことも進行状態で見つかることの要因となっています。
膵がん検査には、腫瘍マーカー(CE、CA19-9、SPAN-1、DUPAN-2など)、膵酵素(アミラーゼ、エラスターゼ1など)等の血液検査があるものの、早期発見や特異性の限界があるため、実際には腹部エコー、CT、MRI、超音波内視鏡等で見つかることが多いのが現状です。高頻度な検査を行わなければ早期発見が難しいとはいえ、これらの検査を年に数回行うことは被験者にとっても負担であるだけでなく、限られた医療資源の中では非現実的です。膵がん早期発見のためには、医療機関の努力だけでは不十分であり、患者自らが低侵襲で簡便なスクリーニング検査を定期的に行えることが必要であると考えられます。
代謝物がなぜがん発見につながるのか?
がんは遺伝子変異によっておこる疾患です。家族性のがん等の変異(germline)だけでなく、加齢や生活環境による変異(somatic)の蓄積によって発症が誘発されるとされています。がん遺伝子の変化をみることでがん発症のリスクは推測できる一方、現在がんに罹患しているかどうかは、より直接的にがんから分泌される分子などバイオマーカーを検査する必要があります。そこで、サリバテックは代謝物に着目してきました。がん化した細胞は、正常細胞と異なる特殊な代謝機能を使って活発な増殖に必要なエネルギーを産生しています。この現象は、1920年代にドイツの生理学者オットー・ワールブルグによって発見されました(1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞)。
一方、技術的には私たちの体の中にある約3000程度の代謝物を一斉に測定することが難しいという現実がありました。しかし、近年の分析技術の革新的な進歩により、がんで起きる様々な代謝経路の活性化を調べることが可能となってきました。山形県鶴岡市にある慶応義塾大学先端生命科学研究所では、これらの技術では世界に類を見ない分析方法を確立してきました。
そこで我々も本技術を用いて、がんに特異的な代謝異常を調べ、さらにこれらの変化が血液・尿・唾液等の体液にも表れないかを調べてきました。我々は0.1ccの唾液を高感度分析装置(LC/MS)においてがんで特異的に上がってくる複数の物質を分離・検出し、その複数の物質をAIで解析し臨床研究のデータと照らし合わせてリスクを算出する手法を確立しました。
なぜ唾液の代謝物でがんがわかるのか?
これまでの研究で、代謝物の中でもポリアミン類ががん組織の中で異常に高濃度になることを観測してきました。がん抑制遺伝子のAPCに異常が起きると、その下流のMYC遺伝子の発現が抑えられなくなり、さらにはODCと呼ばれるオルニチンからポリアミンを作る酵素が活性化します。大腸がん等でも同様のメカニズムが見られ、特にMYCによって早期でもがんの代謝が変化していることも報告されています。膵がんや大腸がんだけでなく、様々ながんでこれらの代謝経路の物質の血中・尿中濃度が上昇することが報告されています。
我々は唾液においてもこれらの代謝物の濃度上昇があることを発見しました。膵がんにおいては少なくともステージⅢで、スペルミン・スペルミジンあるいはこれらのアセチル化した物質などの様々なポリアミン類の唾液中濃度が上昇していることも報告しました。一方、乳がんでも同様の報告が行われています。したがって、単体物質では特異性は低く、高精度な検査のためには複数物質の複合的なパターンを見ることが重要です。我々はAIを用いてこのパターンを学習する方法論の開発を行ってきました。そして、唾液中のポリアミン類のパターンによって臓器ごとにがんリスクを算出する方法をサリバチェッカーとして実現しました。

大腸がん臨床データ
(臨床データどこからのものか確認)からの大腸がん約300例のステージごとのポリアミン濃度の結果を示します。内視鏡的手術が可能なステージⅢまでの病期であっても、コントロール群に比べて有意に差があることが認められます。特にステージ0、1であってもコントロール群との差が認められることから、早期におけるがんの発見が期待できます。
今後は血液や尿だけでなく、唾液も体内の情報を反映している体液として、口腔内のみならず全身のがんスクリーニングに応用でき、他の体液に比べて、簡便で低侵襲かつ定期的に検査できることが大きな利点です。実臨床の場では、健康診断のオプションとしての利点、PET検診の前段階での利用などケースはさまざまです。歯科の分野においても非侵襲的な検査という点で注目をあつめているほか、今後は自宅でのセルフチェック・スクリーニング検査として普及させていく方向でも進んでいます。




Q & A よくあるご質問
Q.SalivaChecker®は定期的に受けたほうが良いんですか?
また、SalivaChecker®を受ければ他のがん検診は受けなくても大丈夫ですか?
A.本検査は唾液を採取した時点でのがんの疑いがあるかどうかを調べる検査です。生涯にわたってのリスクを予測するものではありませんので、定期的に受けていただくことをお勧めします・また、各検査には長所と短所があり、互いに補いあっています。SalivaChecker®と他の検査を併せて受けると、がんを見つけ出せる可能性は高くなります。
Q.SalivaChecker®は遺伝子検査ですか?
A.本検査は、遺伝子検査でがんになりやすい体質かを調べるものではなく、検査を受けた時点でがんの疑いがあるかどうかを調べる検査です。そのため、生涯に一度きりではなく、定期的に受けていただくことをお勧めします。
Q.SalivaChecker®は必ずがんを発見できるのですか?
A.本検査は、がんを診断するためのものではなく、現在がんの疑いがあるかどうかを調べる検査です。高いリスク値が出てがんの発見につながる場合もある一方で、リスク値がちくい場合でもがんがある可能性もあります。必ずがんを発見できるというものではありません。リスク値が高い場合には、検査を受けた医療機関または検査後の相談ができる医療機関にご相談いただくことをお勧めします。
Q.SalivaChecker®は他のがん検診と比べてどんな特長がありますか?
A.本検査は、少量の唾液を採取するだけで、複数の種類のがんのリスクを調べることができます。
Q.SalivaChecker®は保険診療で受けられますか?
A.本検査は最先端技術を用いた新しい検査法のため、健康保険診療は適用されません。自由診療となりますので、検査料は検査を受ける方の全額負担となります。検査料は医療機関へお問い合わせください。
Q.SalivaChecker®を受けるにはどうすれば良いですか?
A.医療機関へ直接お申し込みください。検査を受けられる医療機関はサリバテックのWebサイトに掲載しています。
Q.SalivaChecker®は今までがんになったことがある人や現在治療中の人でも受けられますか?
A.本検査を受けることはできますが、体内に強い炎症があるとリスク値が高く出る可能性があります。
2019.10.16
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