2.あなたの唾液効果力はどのくらい?
未来のためのカリエスリスク(虫歯なりやすさ)評価
サリバテストのお薦め
2013年10月
虫歯になる本当の原因・・・・・が解かる「唾液検査:サリバテスト」というものがあります。
なぜ?唾液が大事なのでしょうか?大事なご自分の唾液の能力がどの程度なのか?
同じようにお手入れしているのに全く虫歯もできず、歯周病の進行が遅い方もいらっしゃいます。
虫歯も歯周病もバイ菌感染による発症です。
お口の中にいるバイ菌の感染経路は、生まれたときからの垂直感染と配偶者の方からの水平感染があります。
どういう種類のバイ菌がお口の中で活動しているのかを知ることで、的確なお手入れ法をご指導できます。
感染したバイ菌の活動を抑制し、コントロールしている唾液。
大事なご自分の唾液の能力がどの程度なのか?バイ菌が作り出す酸を中和する緩衝能力や、加齢とともに減少傾向にある唾液量など、今のご自分の唾液性能を知ること
@感染したバイ菌の活動を抑制し、コントロールしている唾液の抗菌力。
A バイ菌が作り出す酸を中和する緩衝能力。
B 唾液による歯へのカルシウム・リンなどミネラルの補給という再石灰化力。
C 唾液に含まれるパロチンホルモン成分による上皮系組織の若返り、白内障予防・粘膜「気管、胃腸」上皮 の活性化と神経賦活力。
D 唾液中の細菌の特定 など
今のご自分の唾液性能を知ることで虫歯予防につながります。
原因が違えば、予防方法も異なります。
虫歯の本数や食事の習慣、体質・・・色々な原因の組み合わせによって異なります。
確実な予防法を得るために、唾液検査は効果的です。
検査は簡単で、痛みは全くありません。
検査内容
@ 唾液量の検査
唾液の量がどのくらい出ているのか?ガムを噛んで、唾液量を測ります。
唾液は食べ物を洗い流してくれる、自浄作用の働きがあったり、歯の質を強くしてくれたり、抗菌作用が働いたりします。
A 唾液の中和力検査
中和する働きがどのくらいかを調べます。
食後何もしないとお口の中は酸性に傾きますが唾液が出ることにより中性〜アルカリ性に戻そうとします。
B むし歯菌の検査
虫歯のきっかけを作る菌や、虫歯を進行させる菌の量を測定します。
唾液の質を変えるのは簡単なことではありません。
今の自分の唾液の性質を調べることにより虫歯になるリスクが高いか低いかを知り、オーラルケアトリートメントに活用させていただき、生活上のアドバイスをさせて頂きます。
ご自身の生活上の問題点は、ご自分では確認しずらいものです。
生活アンケートをさせて頂き、分析してご指導に加えさせていただきます。
※ ビフォーアフターで、経過を診るために、定期的な検査が必要です。
唾液検査をしてみてはいかがでしょうか。
唾液検査とは・・・
個人のカリエスリスク(う蝕のなりやすさ)を判定する検査です。
健康の未来を予測する事もできるのです。
唾液検査から得られるもの
@ 唾液検査は目に見えない虫歯の原因を調べることができます。
A 検査結果を元に一人ひとりのお口の環境に応じた予防法を立てることができます。
B 唾液検査を体験することで自分のオーラルリスクを知り、
オーラルケアのモチベーションを高めることができます。 |
なぜ検査をしなければいけないか
日本人は96%の人が1日1回
磨いているのに80%以上の人が 虫歯がある
なぜかというと 目に見えないカリエスリスク(細菌の繁殖能力、接着能力・唾液性能の衰えや量の減少、生活習慣による免疫力低下)があるからです。
それは唾液検査によってわかるのです。
目に見える、見えない両方の検査をすることが重要!!
(目に見えるのは う蝕経験数 プラークの量 で口腔内診査でわかる) |
目に見えない細菌のプラーク形成能力(接着力)、
酸産生能力・唾液の緩衝能力、 抗菌能力、唾液成分
サリバテスト・むし歯テスト
2012年7月
検査サービス
歯周病やう蝕治療の前後に検査することで、客観的な治療効果の確認
口腔内の細菌の種類と菌数を測定することで、確実な治療方針立案
インプラントなどの外科手術前後の精密検査や定期的なメンテナンスチェックは
とても重要なのです。
人の理解力とは
聞くだけ 20% 聞いて見る 50%
聞いてみて 実際にやってみる 90% 検査で実際に行って見てもらうのが効果的!
オーラルケアトリートメントを受ける前後での比較で効果が実感できるのです。
唾液の成分
無機成分 リン カルシウム 酵素 アミラーゼ
抗菌物質 ラクトフェリン たんぱく質 唾液中のホルモン:パロチン
上皮系細胞の活性化で・皮膚、気管、肺、胃腸、大腸、肛門までの粘膜、目、脳せき髄神経の若さを保つ、
パロチン錠は白内障の治療薬。 etc…
細菌
口腔内細菌は400種類前後で9割は無害 害があるのは1割
しかし、それらの細菌群は相互に協力し合って、プラークコロニーを形成します。
唾液1mL中に7〜8億個の細菌がいる
唾液の種類
漿液性唾液 (刺激時唾液)
* 主に耳下腺から分泌 約40〜50% * 洗浄作用に優れている
粘液性唾液 (安静時唾液) * 主に顎下腺から分泌 約65%
* 粘膜保護 (成分 ムチンの働き)
唾液の効果
赤ちゃんで唾液が多く、よだれが出るのは、とても健康な証拠、その唾液の出が少なくなっているとすると…。
唾液とは口の中の腺より分泌される液体の集合体です。唾液腺は左右対称で、耳下腺・顎下腺・言下腺の3大唾液腺とその他の小唾液腺から分泌されます。一日に1〜1.5リットル分泌されています。その成分は、ナトリウム・カリウム・無機リンなどの無機成分やムチン・スタテリンなどの蛋白質、アミラーゼ・リゾチームなどの酸素、ラクトフェリン・ラクトペルオキシダーゼなどの抗菌成分です。
唾液の作用としては、次のようなものがあります。
1)消化作用 2)自浄作用 3)緩衝作用 4)抗菌作用 5)抗溶解作用
6)保護作用 7)上皮系細胞の活性化
噛む運動や、刺激物が口の中に入って、分泌量が増えてきます。コレを反射唾液といいます。絶えず口の中を流れ、口の中を清潔に保つ、抗菌作用。粘膜を洗う自浄作用は重要です。絶えず出ているのは固有唾液といいます。出るのは、とても、健康な証拠、その唾液の出が少なくなっています。
どんな影響で少なくなってるのでしょう?分泌される過程では自律神経の影響を受けます。神経の作用によって分泌量や、性質も変わり、交感神経が刺激されると、粘っこい唾液が、副交感神経が働くとサラサラな唾液が出ます。
緊張したり、イライラしたり、興奮したり、それは、交換神経過敏といわれるような、強い状態でなくても起こります。一人、淋しく、ご飯を食べたりしても分泌は減ります。また水分摂取不足や、汗をかいたり脱水状態では出なくなります。
歳をとると、他の分泌と同じく減ってきます。老人や閉経後の女性は口腔内乾燥を起こります。耳鼻科の病気で、鼻水や、くしゃみなどアレルギー症状を抑えるお薬は分泌を抑制します。唾液腺機能は他の全身的病気の作用で衰えたり、その部位の放射線治療でも影響を受けます。唾液分泌の大元は体液としての血液です。自覚していない方が、ほとんどですが、喫煙習慣のある方、精神的ストレスを感じている方は血液はドロドロになり血球成分がくっ付き、体の細い血管では、流れが悪くなったり、詰ったりを繰り返しています。もちろん、血液は酸性化しています。
こういう方のお口のPHをリトマスで測ってみると、驚くことに100%歯が溶ける臨界PHの5.5度よりも、酸性の状態です。お口の汚れで虫歯にもなり、歯周病も進みます。 |
唾液の役割
* 消化作用 唾液中のアミラーゼの働きにより、でんぷんを麦芽糖までに分解し消化する。
* 潤滑作用 唾液中のムチン等の粘液成分によって咀嚼を円滑にし、嚥下を助ける
* 溶解作用 豊富な水分により、固形の糖や塩分を溶解し、消化や嚥下を助け、味覚物質の味蕾への到達を容易にする
* 歯の保護作用 唾液のたんぱく質や糖たんぱく質は歯の表面ペリクルとして吸着し歯を被覆、保護する。* 抗菌作用 リゾチーム・免疫グロブリン(IgA)ラクトフェリン等の働きによって微生物の働きを抑制したり、殺菌したりする作用がある。
* 希釈・洗浄作用 薄め洗い流す。 唾液分泌量が少ないと口の中が不潔になりやすい
*緩衝作用 酸を中和する重炭酸イオン(耳下腺から出る)等の働きによって酸性に傾いた口腔内を中和する働き
* 再石灰化作用 歯を修復する働き 永久歯はPh5.5〜5.7で溶け出すが乳歯や歯根面は5.7〜6.2で溶け出す。
*上皮組織活性化と神経賦活力:唾液に含まれるパロチンホルモン成分による上皮系(皮膚・粘膜)組織の若返り、白内障予防・粘膜「気管、胃腸」上皮 の活性化と神経賦活力と神経再生
唾液分泌量
15歳以上 1〜3ml/min 11〜14歳 0.7ml/min
10歳以下 0.5ml/min
唾液分泌量に影響を及ぼす因子
・唾液腺に障害がある場合(シェーグレン症候群など)
・神経に障害がある場合(自律神経失調症など)
・薬剤の副作用(口渇作用のあるもの 40種類以上あり)
・時間(日内変動あり 午前中に検査するとよい)
・咀嚼不全 (かみ合わせを直すだけで唾液量が増える) ・季節 (夏<冬)
・ホルモン (女性ホルモン 閉経期注意 月経時唾液多い)
・環境 (緊張 ストレス 刺激) ・体調
☆ ウ窩とウ蝕は違う
う窩・・穴が空いている状態
う蝕・・脱灰と再石灰化を繰り返している、う蝕は治る。
唾液検査の 秘密
唾液検査から得られる情報は
* ミュータンス連鎖球菌 (う蝕原生細菌)
* ラクトバチラス菌 (乳酸菌) (う蝕原生細菌) * 口腔カンジタ菌
* 唾液緩衝能 * 唾液分泌量
う蝕原生細菌とは
・ 強い酸を産生する ・ 酸性環境に強い抵抗性を示す
(他の口腔内細菌に比べう蝕を作り出す力に優れている)
Dentocult SM
* 唾液 プラーク中のミュータンス連鎖球菌の測定
* 感染レベルを知る
バイオフィルムとは・・
細菌集団同士が粘液産生してエキストラン多糖のネバネバ粘液を介しその中でコロニーで集団共存、共栄しているもので、細菌の生き残り方の1つと考えられています。強い接着性があり歯の面に付着して、磨いても残存します。
ミュータンス連鎖球菌(通性嫌気性グラム陽性球菌)
・う蝕のきっかけとなる菌 ― 脱灰の初期に重要な役割を果たす
・歯など(義歯、クラスプ含む)の硬い面に付着する。
・唾液を通じて感染する (母子感染=子育て感染)
☆日本人女性のミュータンス菌保有数 世界一
Dentocult LB
* 唾液中のラクトバチラス菌(乳酸菌)の測定
* 食生活の乱れを知る。
ラクトバチラス菌(通性嫌気性グラム陽性桿菌)
・う蝕を進行させる菌→脱灰の後期に重要な役割を果たす
・炭水化物に比例するので食生活の乱れを知るための目安となる
・不適不良修復物など停滞部位があるしるし
(進行した象牙質う蝕、不適合マージン、補綴物、矯正装置等矯正装置をつけると5倍に増える)
補綴物が入るとカリエスリスクが高まる。機能は治るが環境は悪化する。
菌自体の数は減らない(菌交代現象)による。善玉菌を増やすことがオーラルケアの目的
減らすよりプラークコントロールと言う
Dentbuff Strip
* 唾液緩衝能(歯を酸から守る力)を測定
Dentcult CA
* 唾液中または口腔粘膜に存在するカンジタ菌を測定
カンジタ菌
・真菌類でカビや酵母の仲間
・抗生物質の連用、抵抗力低下時等に異常増殖し病原性を示す
・口腔粘膜に炎症を引き起こす ・疲れたときに出るので、疲労の検査にもなる
唾液検査を行う際の注意事項
*検査前1時間は飲食、喫煙、ブラッシング、
フロスをしないでください。
*検査前12時間以内に、アルコールが含まれた
洗口剤(CHX洗口液・コンクールなど)の使用を 避けてください。
*検査前に運動をすると、だ液の分泌が 減りますので、なるべく避けてください。
*なるべくリラックスした状態で検査を受けてください。
*体調が悪いときは避けてください。 *お薬を飲んでいる方は、検査前にスタッフに
お申し出ください。(風邪薬・抗生物質など) |
(1)1回の検体採取で、
一度に最大5菌種の「歯周病原細菌」を検査。
検査できる菌種
検査菌種は、歯周病に最も関連があるといわれているレッドコンプレックス「P.gingival」「T.denticola」 「T.forsythia」3菌種を含む、最大5菌種まで自由に選択が可能です。
Red Complexとは
上図は、口腔内に存在している数百種類の細菌を、歯周病への関連が高い順に分類し、ピラミッド状に模式図化したものです。
Red Complex(レッドコンプレックス)と呼ばれる3菌種(P.g.菌、T.d.菌、T.f.菌)は、ピラミッドの頂点に位置し、重度の歯周炎に最も影響を及ぼしていると言われています。
高度なリアルタイムPCR法による検査
「サリパチェックラボ」は、リアルタイムPCR法を採用した細菌検査です。リアルタイムPCR法は特定の細菌などのDNAを短時間で増幅させ、その数を定量的に測定する検査方法であり、細菌の生死に関係なく測定できるという特徴があります。
これにより、測定が難しかった嫌気性菌である歯周病原細菌の数も正確に測定することが可能になりました。
検査報告書
@患者さんの検査基本情報
患者さんの氏名、性別、カルテナンバーはもちろんのこと、採取検体、検体採取日等、基本情報が記載されます。検体に歯肉溝滲出液を選択した場合は、採取部位、出血の有無、ポケット深さも記載されます。
A各歯周病原細菌比率のグラフ
各歯周病原細菌の比率が棒グラフにて分かりやすく記載されます。前回の検査との比較も色分けで記載されるので、患者さんにも治療効果を理解していただけます。
B各菌数と対総菌数比率
各検査菌種の菌数が数値(cell数)で記載されます。また、総菌数に占める各菌の比率も合わせて記載されます。前回の検査結果も並列記載されるので、比較も容易です。
C「レッドコンプレックス」のまとめ
「レッドコンプレックス」の菌種のみを合計し、菌数、対総菌数比率が記載されます。
※P.g.菌、T.d.菌、T.f.菌の3菌種を全て測定した場合のみ。
チェアサイド検査項目:出血の有無/歯周ポケットの深さ(歯肉溝滲出液を検体とした場合)
チェックセンター検査項目:総菌数/総菌数中のP.gingivalis菌比率及び菌数/総菌数中のT.denticola菌比率及び菌数/総菌数中のT.forsythensis菌比率及び菌数/総菌数中のA..actinomycetemcomitans菌比率及び菌数/総菌数中のP.intermedia菌比率及び菌数
「サリバチェックラボ」の活用場面
(2)3種類の「う蝕関連細菌」を検査
う蝕関連細菌
3種類のう蝕関連細菌を1度に検査
「S.mutans」 「S.sobrinus」 「Lactobacillus(乳酸桿菌)」の3種類のう蝕関連細菌を測定。特にその存在がカリ工スリスクの増大に大きく影響すると言われている「S.sobrinus」を同時に測定・報告するのは本製品だけです。
詳しく、わかりやすい「検査報告書」
総レンサ球菌数と各種菌数および比率
総レンサ球菌数、各種菌数、各総レンサ球菌比率が細かく表記されます。
チェックセンター検査項目:
総レンサ球菌数/総レンサ球菌数中のS.mutans菌比率および菌数/総レンサ球菌数中のS.sobrinus菌比率および菌数/Lactobacillus(乳酸桿菌)菌数
臨床検査結果の対策法
ミュータンス連鎖球菌がハイリスクの場合
[セルフケア]
* 適切な口腔清掃オーラルケアトリートメントを定期的に受け、毎日の生活に活かす。
* キシリトールガムやタブレットの摂取
(1日3〜5回朝昼夜 間食時 プラーク中のスコアに変化でる)
* 毎晩のフッ素ジェル使用とイオン導入を年間二回クリニックで受ける。フッ化第1スズの使用
(ナトリウムではない、ミュータンス菌に効く) |
臨床検査結果の対策法2
[プロフェッショナルケア] * オーラルケアトリートメント(口腔清掃指導)
* P.M.T.C(器械的クリーニング) * フッ素イオン導入法
ラクトバチラス菌がハイリスクの場合
[セルフケア]
*間食飲食回数の制限
* 糖濃度の高い食品を避ける
* キシリトール、シュガーフリー製品の利用
[プロフェッショナルケア]
*不良修復物など停滞部位の除去、やり替え・虫歯治療
* 食生活指導
カンジタ菌がハイリスクの場合
[セルフケア]
* 口腔内を清潔に保つ
* 免疫力を上げるための栄養管理や、規則正しい生活
[プロフェッショナルケア]
*抗菌剤の投与(ただれ等の症状ありの場合DRの判断にて)
唾液分泌量・緩衝能がハイリスクの場合
[セルフケア]
* フッ化ジェルの使用
* キシリトールの使用
[プロフェッショナルケア]
* 高濃度フッ化物のイオン導入
* 咀嚼機能の改善
* 体質改善の運動療法や自立神経治療、食事指導を受ける。
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セミナーに出て、虫歯はただ単にプラークが多いからというわけではないことを再認識しました。なんで虫歯ができたのか、予防の方法がわかるのはとても有効的だと思います。ただ磨くということでうんざりしている患者様へ新たなアプローチになればと思います。迫田
唾液検査は虫歯予防の一つでもあり、自分の口腔内環境(唾液量や虫歯になる菌が多いか少ないか)を目で見て認識することができるのでよいと思います。
再初診でメンテナンスに来た患者様にカリエスが見つかったとき、お子様の虫歯の心配をしているお母様にお薦めできたらと思います。志田
2008.9.4 志田・迫田
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