感染予防
1.新しいクラスB
オートクレーブ滅菌装置
クラスBオートクレーブは、小型高圧蒸気滅菌器のヨーロッパ基準(E13060)で
「あらゆる種類の被滅菌物を安全に滅菌することができる」とされています。
今までの歯科で使用されている滅菌器よりもさらに厳しく、
医科で使用されている大型滅菌器の規格(EN285)に準じ、
歯科で使用できるようコンパクトにしたクラスBオートクレーブ、それが「リサ」です。
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クラスN
裸の固形物滅菌のみ、滅菌後すぐに使用の事(輸送、保管不可)
クラスS
メーカーによって特定された製品の滅菌のみ。
クラスB
(リサ)
医科の水準の滅菌。固形、多孔性、中空、非包装、包装、一重、二重包装。 |
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医科の水準をクリアするクラスBの安心
●滅菌プログラム開始時には、真空と蒸気の注入を繰り返すことにより、従来のオートクレーブでは滅菌できなかったところも滅菌。
パルス真空による完全乾燥
●感想時には、ドアを開けずに乾燥を行うので
外部の雑菌を入れずに乾燥することが可能。
●タービンのカートリッジや0リングなどを傷めず、陰圧と約80℃の熱で完全乾燥。(水分残量:固体で0.2%以下
、多孔体で1.0%以下)
▼リサで滅菌できるもの |
▲包装したもの(滅菌バック) |
▲固形のもの |
▲多孔性のもの |
▲中空のもの |
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Lisaに使用する純水を水道水より採取するための純水器です。(壁付け用金具付属)
カートリッジ1カ月で約150リットルの純水が得られます。
LED表示による水質計が付属しており、カートリッジの交換時期になるとLEDが緑から赤に変化し、交換時期を知らせます。 |
▲Lisa用純水器 |
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ケア3はいつでも簡単・確実にコントラ、
タービンの洗浄と注油を自動的に行えます。 |
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ホワイトファミリーの徹底した器具管理で、
いつもあなた専用の器具を使います。
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院内感染に関して(歯削る機器 半数使い回し)
日付:2017/10
日本歯科医師会医療管理・税務担当常務理事 三井博晶
本年7月2日付読売新聞に「歯削る機器 半数使い回し」と題した記事が掲載された。記事は、厚労科研「歯科ユニット給水システム純水化装置の開発に関する研究」平成29年5月報告をベースに作成されており、使用したタービンを「全ての患者ごとに交換」52%、「感染症患者とわかった場合」「血液が付いた場合など」に交換するとしたのはそれぞれ17%、16%というデータについて、院内感染のリスクが根強く残る現状が浮き彫りになったとしている。
一方、研究報告書では「平成24年3月と比較し、滅菌している割合は増加。また、感染管理にかかる概念や方法論は概ね広く浸透していた。歯科ユニットの含嗽水は通常行われているフラッシングを行えば水道水基準に準拠する水質が得られる。ハンドピースの水は、歯科ユニット給水管路全体を定期的に化学的な洗浄を行い、フラッシングを毎日行うことにより水質基準を満たすレベルに改善される可能性が示唆された」と報告・考察し、平成24年よりも改善した。しかし、「未だ改善の余地はあると自覚しており、より改善を図るためには、施設基準や診療報酬の面での充足が必要である」と示唆。また、「歯科ユニットのハンドピースの水を水道水基準で管理するためには、使用前のフラッシングを毎朝行うだけでなく、定期的な給水路全体の化学的洗浄を併用するなど、他の方策が必要であることが示された」と結論づけている。
報道を受けて、データ・資料をいかに読み取るか、危機感・マイナス要素を煽り立てるのが良いのか、地道に可能性を求め進むのが良いのかなど様々考えさせられるが、日歯としては一歩一歩確実に、スタンダード・プリコーションの周知・履行を進めて参りたい。
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<関連記事>
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バクテリオキラー
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特徴
●スーパーオキシドイオンが細菌と闘う。BKだからできる、中性機能水での流水洗浄除菌。手洗いの習慣が衛生管理の第一歩です。
●流水式だから洗浄と除菌が同時に行なえます!! スーパーオキシドイオンの働きで様々な細菌・雑菌に対して効果を発揮します。
●優れた除菌効果!!
センサーに手を近づけるだけで、優れた除菌力を持つスーパーオキシドイオンを含む除菌効果水を生成。手洗いなら石鹸を使う必要がなく、15秒で除菌完了します。
●人にも環境にもやさしい安全設計です。バクテリオキラー除菌効果水は低濃度で中性ですから、皮膚の弱い乳幼児やお年寄りにも安心してご使用頂けます。
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ウイ−ルス(HIV・C型、B型肝炎)や、食中毒O−157など、通常の消毒では作用しにくいものに高い殺菌効果が認められております。
口腔内細菌の除菌や、根管内洗浄、歯周ポケット内洗浄、外科創傷洗浄、器具、手指消毒に安全で、効果的です。
常に連続して、かけ流しで使うことが大切な条件です。
食塩水を中性付近で電気分解することにより, 次亜塩素酸ナトリウムよりはるかに殺菌効果の高い次亜塩素酸(HOCl) や陽極側で発生すると思われる“スーパーオキシドイオン”を含む殺菌水を調製することができます。これがいわゆるBK (bacteriokiller) 水です。BK水は種々の報告にあるとおり, MRSAをはじめとする病原微生物に対し殺菌作用をもちますが, 消毒剤の一般的な問題である有機物の混入によりその効力の低下も認められています。よって, 一次洗浄した後に, 適切な濃度, 浸漬時間を守れば有効な消毒方法だと思われます。また, pHが中性付近であるため, 金属製品への腐食性も低く, 幅広い医療器具の消毒に使用できると考えられます。
消毒剤のレベルとしては, 強酸性電解水と同じ「中水準消毒薬」に分類される。
当院では各サプライと、各チェアに特殊な配管とフィルターを設置し、テフロンチューブ配管と、毎日の終了時の洗浄を行うことで、この除菌水を豊富にかけ流し状態で使用しております。
これらの装置の設置は15年に及ぶ、イオン水生成器の販売を行ってきた、株)ヒューマニーとヒューマンテックの協力により、2002年から稼動させております。
毎日常に配管内を酸化還元水が通過することで、当院の機器の内部は完全殺菌状態であり、無菌水です。
ORP酸化還元電位は大体500から1000mV以上をキープしております。Pプラチナ電極を用い、定期的に交換しております。
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POCIウオーター
衛生・殺菌水:タンパク分解型除菌水(POIC水)
いわゆる次亜塩素酸水?
タンパク分解型除菌水(POICウォーター)は、純度99.9%の塩と不純物を限界まで取り除いた超純水を電気分解させた電解水です。
〜 POIC(ポイック)とは 〜
Professional Oral Infection Control (専門的 口腔感染症予防)を意味します。
この電解水はほとんどの細菌・カビ・ウイルス(肝炎ウィルス、ノロウィルス、HIV、MRSA、インフルエンザウィルス、O-157、他)を30秒以内に除菌することが可能です。
産生される次亜塩素酸の作用により強力な殺菌力を発揮します。
次亜塩素酸は人体由来の免疫成分であり、人間の体内で白血球が、侵入してきた微生物(細菌・ウィルス)に対し、殺菌する過程で産生する成分ですので、小さいお子様からご年配の方まで安心してご使用いただけます。
当院では可能な限り臨床において殺菌水を使用しています。
・成分:次亜塩素酸(HCLO)
・生成:超純水と純度99%以上の食塩を混合した低濃度の水溶液を電気分解して作られます。
・PH値:9(弱アルカリ性)
・特性:高純度の次亜塩素酸を含む水溶液が生成される。希塩酸等の薬品を一切使用していませんので、生成時に塩素ガスも発生しません。そのため、500ppm以上の高濃度次亜塩素酸も生成できます。
・用途:現在、歯科医療用として歯周病の治療や院内感染予防などに使用されています。
■厚生労働省食品添加物認可
次亜塩素酸水は、平成14年厚生労働省より食品添加物として指定されています。また生成方法は「食塩水を電気分解することにより得られる、次亜塩素酸を主成分とする水溶液であること」と定義されています。
〜 タンパク分解型除菌水(POIC水)の特徴 〜
除菌作用がある
タンパク分解作用がある(バイオフィルムの破壊)
消臭力がある
暖めるほど殺菌性が上がる
人体には無害
80ppm以下なら食品添加物扱いになる
pHが中性に近いのでむし歯になる心配がない
〜 タンパク分解型除菌水(POIC水)で殺菌できるもの 〜
ほとんどの細菌
カビ
ウイルス(B型・C型肝炎ウィルス・ノロウィルス・HIV・MRSA・インフルエンザウィルス・O-157、カンジタ菌など)
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強酸性水または、EO水ともいいます。各サプライにてすべての器具は一度この強酸性水をかけ流し、C,B型や、HIVなどのウイールスも消毒します。さらにオスバンにて沈析して超音波洗浄も行ないます。
外科器具、根治綿栓、注射器具などは、132℃ (2気圧) で1時間のコースでオートクレーブ滅菌にかけ、滅菌ボックスに保管します。
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除菌効果に優れ、ポテンシャルのある高い酸化還元電位を有した驚異の水
■ |
酸化還元電位(ORP値) |
: |
1,100mv以上 |
■ |
水素イオン濃度(PH値) |
: |
2.7以下 |
■ |
溶存塩素(Hclo) |
: |
約10PPM(他社:30〜60PPM) |
■ |
溶存酸素(O) |
: |
約25PPM(他社:10PPM) |
■ |
溶存オゾン(O3) |
: |
約0.1PPM |
この水は、
これらの相互効果により、ウイールス微生物を不活性化、あるいは、死滅させる効果を有し、微生物の増殖を抑制していることが明らかにされております。
■細菌、酵母及びカビが生息できる最適PH範囲はPH4〜9迄の間であり、このPH範囲外では増殖が困難とされています。
■酸化についても生息できるとされている環境は-400mv〜+800mvまでのため、微生物の呼吸代謝まで犯されることになります。
※特にこの水は、活性酸素濃度が高く、酸化還元電位の高いことが、殺ウイルス、殺菌効果を分子レベルで破壊するというところに特異性があります。
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臨床応用 |
1. |
医科、歯科医院のあらゆる治療機材・機器・機具の応用 |
6. |
抜歯・膿瘍切開・小手術などの術後の利用 |
2. |
手指・白衣などの応用 |
7. |
インプラント手術における
・術前の器具及び術野の応用
・術中の骨内形成窩の洗浄
・術後管理としての洗口 |
3. |
アフター性口内炎等の軟組織疾患の軽減 |
4. |
歯周病におけるポケット内
洗浄 |
8. |
エナメル質・象牙質のマイルドコンディションニグ |
5. |
歯内療法時の応用 |
9. |
印象取得時の止血・洗浄 |
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5.
WFでは、採用しません。 |
アクアナノデンタル
製品中のオゾンが口臭や虫歯、歯垢などの原因となる様々な汚れを浄化、口腔内環境を清潔に保つというアイテム。
洗口液は、オゾンが水分中のミネラルに反応して表れたピンク色ですが、口腔洗浄後は透明な生理食塩水へと変わり、効果が分かりやすいとのことです。
製品中のオゾンが口臭や虫歯、歯垢などの原因となる様々な汚れを浄化、口腔内環境を清潔に保つというアイテム。
WFでは、採用しません。
ただ、オゾン水は残留性がないため効果は一時的、殺菌状態は長く続きません。
また、オゾンは活性酸素ですから、0,1PPM以下でないと安全性に疑問が感じられます。細菌空気清浄器にもオゾン発生のものがありますが、
やはり発ガン性や、気管、肺などへの損傷が認められています。また、そのオゾン水の保存状態と、使う時のコストが問題です。 |
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6.
WFでは、採用しません。 |
電解機能水はWFでも、以前から使っていますが、生成器はせいぜい50万円以下で、家庭用は8万円くらいからです。
パーフェクトぺリオを作った、野口研究所の生成器は150万から200万オーバーという、途方もない値段です。電解生成器そのものは20年以上も前からアルカリ生成器として各メーカが作っていましたし、せいぜい高くても20万円前後です。それに少しの工夫で強酸性水の殺菌水を中性に近づけながら、次亜塩素酸濃度を保つということで、PPW(パーフェクトぺリオ液)は出来ているのですが。
この発案者はこれを歯周病殺菌水として多くの人に活用してもらいたいと思っているのか?疑問です。あまりに価格設定が高すぎると思うのです。高級品のブランディングとして、贅沢品の値段設定と、こういう、医療・公共的製品は違うという、企業理念が違っているのではないでしょうか?
その電解機能水は1リッターで4000円です。一回のうがいに100cc使うとすると、400円のコストがかかります。
効果はあっても、出来てくる機能電解水は高い値段になるよね?
一体、どれだけの人が一回400円のコストで、うがいするのでしょう?
効果は一瞬で、表層的です。深いポケット内や、
厚くなったプラークバイオフィルム内に滲透殺菌というわけには行かないのです。
しかもその実験データーも菌が液に触れる10秒間だけの比較でグラフをだしています。ここが問題なのです。瞬間殺菌というのは聞こえはいいのですが、CHX(グルコン酸クロルヘキシジン0.5%液)はそのカバーリング効果で約2時間弱制菌殺菌作用が続き、長く安定してきっちり除菌、溶菌してくれるので、日常使用の環境で考えれば、効果は逆転してCHXのほうがコストもかなり安く?(一回数10円で済むので)私としては、CHXに軍配を上げます。
CHX洗口液のほうが安くて、安全性もあるのでは?
電解水といえども、次亜塩素酸の酸性水ですからね。
トヨタだってホンダだって、プリウスなどを、発売当初は赤字覚悟でかなりの値引き販売して今に至っています。
それは、社会正義として企業活動の根本が違うからでは?どうせ、すぐにほかの大手の機能水製造機がPPW並みの機能水生成器をかなり安い値段で出すでしょうから、WFとしては、当分静観して、今まで通り、CHXによるオーラルケア除菌活動を続けていくでしょう。 |
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対象 |
医薬品名 |
一般細菌 |
MRSA |
緑膿菌 |
結核菌 |
真菌 |
芽胞 |
ウイルス |
感受性菌 |
耐性菌 |
一般
ウイルス |
HIV |
HBV |
ヒト
・
環境
・
器具 |
イソプロパノール |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
× |
消毒用エタノール |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
× |
塩化ベンザルコニウム* |
○ |
△ |
○ |
× |
× |
△ |
× |
× |
× |
× |
塩化ベンゼトニウム* |
○ |
△ |
○ |
× |
× |
△ |
× |
× |
× |
× |
塩酸アルキルジアミノエチルグリシン* |
○ |
△ |
○ |
× |
△ |
△ |
× |
× |
× |
× |
グルコン酸クロルヘキシジン* |
○ |
△ |
○ |
× |
× |
△ |
× |
× |
× |
× |
主にヒト |
ポビドンヨード |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
○ |
○ |
× |
希ヨードチンキ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
○ |
○ |
× |
主に
環境 |
消毒用フェノール |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
× |
× |
× |
× |
クレゾール石ケン液 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
× |
× |
× |
× |
次亜塩素酸ナトリウム |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
○ |
△ |
○ |
○ |
○ |
グルタラール |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
ホルマリン |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
○ |
○ |
○ |
○:有効 △:効果が弱い場合がある ×:無効
*:抗菌スペクトルが限定され,耐性菌も存在するので,注意して使用する。 |
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Comparison of Hand Antiseptic Effects and Costs of 0.5w/v% Chlorhexidine Gluconate / Ethanol Lotion and 4w/v% Chlorhexidine Gluconate Scrub
- 川合 由美 KAWAI Yumi
- 山形大学医学部附属病院看護部 Division of Nursing, Yamagata University Hospital
- 布施 明美 FUSE Akemi
- 山形大学医学部附属病院看護部 Division of Nursing, Yamagata University Hospital
抄録
従来から術前の手洗いは,4%グルコン酸クロルヘキシジンなどのスクラブ製剤を使用して行われているが,米国疾病管理センター(CDC)のガイドラインでは,速乾性擦式消毒薬を用いたウォーターレス法を推奨している.そこで,4%グルコン酸クロルヘキシジンスクラブ剤と0.5%グルコン酸クロルヘキシジンエタノール剤の手指消毒効果について看護師22名を対象にグローブジース法にて比較するとともに2製剤を使用した場合の経済効果を併せて検討した.その結果,消毒直後および消毒3時間後では2製剤間に有意差は認められず,2製剤の同等性が認められた.また,経済効果では,スクラブ製剤に比較してエタノール製剤のコスト低下が認められた.
Preoperative hand washing is normally based on scrubbing with 4% chlorhexidine gluconate, but the Guidelines of the Centers for Disease Control and Prevention (CDC) nows recommends waterless methods using quick-drying antiseptics. Therefore, hand antiseptic effects and costs were compared between a 0.5 w/v% chlorhexidine gluconate/ethanol lotion preparation and 4 w/v% chlorhexidine gluconate by the glove juice method in 22 nurses. No significant difference was observed in antiseptic effects between the two agents immediately and 3 hours after hand washing, but the ethanol-based preparation was more cost effective.
収録刊行物
- 日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections 23(2), 124-128, 2008-05-23
日本環境感染学会
-
手術部位の消毒に用いるクロルヘキシジンアルコールと
ポビドンヨードの比較
Chlorhexidine-Alcohol versus Povidone-Iodine for Surgical-Site Antisepsis
R.O. Darouiche and others
- 背 景
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患者の皮膚は,手術部位感染を引き起こす病原体の主要な発生部位であるため,最適な術前皮膚消毒を行えば術後感染を減少させられる可能性がある.われわれは,クロルヘキシジンアルコールによる術前皮膚消毒は,ポビドンヨードに比べて感染防御能が高いと仮定した. |
- 方 法
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6 病院にて準清潔手術を受ける成人を,術前の皮膚消毒処置として,クロルヘキシジンアルコールを塗擦する群と,ポビドンヨードを塗擦・塗布する群のいずれかに無作為に割り付けた.主要転帰は,術後 30 日以内の全手術部位感染とした.副次的転帰は,発生部位別の手術部位感染とした. |
- 結 果
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849 例(クロルヘキシジンアルコール群 409 例,ポビドンヨード群 440 例)を intention-to-treat 解析の対象とした.全手術部位感染率は,クロルヘキシジンアルコール群のほうがポビドンヨード群より有意に低かった(9.5% 対 16.1%,P=0.004,相対リスク 0.59,95%信頼区間 0.41〜0.85).クロルヘキシジンアルコールは,ポビドンヨードに比べて,表層感染(4.2% 対 8.6%,P=0.008),深部感染(1% 対 3%,P=0.05)のいずれの防御にも有意であったが,臓器・体腔感染(4.4% 対 4.5%)の防御には有意差はみられなかった.30 日間の追跡調査を完了した 813 例の per-protocol 解析でも同様の結果が観察された.有害事象は両群で同程度であった. |
- 結 論
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準清潔手術後の手術部位感染予防において,クロルヘキシジンアルコールによる術前皮膚消毒はポビドンヨードより優れていた.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00290290) |
新型インフルエンザの消毒でクロルヘキシジン、エタノール、イソプロパノール、ベ...
papaooonさん
新型インフルエンザの消毒でクロルヘキシジン、エタノール、イソプロパノール、ベンザルコニウムでは作用がどうちがうのでしょか??
薬学生さん、薬剤師さん等教えてください。
ベストアンサーに選ばれた回答
gongoti0314さん
<クロルヘキシジン> 一般細菌、エンベロープありウィルス(インフル等)に効く。
<エタノール・イソプロパノール> 芽胞(微生物で一番頑丈なもの)以外の全てに効く
エタノールは濃度70〜80%が一番効く イソプロパノールは濃度50〜70%が一番効くがエタノールより毒性やや強い
<ベンザルコニウム> 一般細菌、真菌に効く。ウィルスには効果なし
手指・粘膜・医療器具・傷口に使う。
消毒力の強さでいくと、
クロルヘキシジン=ベンザルコニウム<エタノール・イソプロパノール ですかね。
ベンザルコニウムはウィルスを殺せないので新型インフルの消毒に使うのはちょっとおかしいですね。
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10.消毒、滅菌の対象で手ごわい芽胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2009.6.4
芽胞
芽胞(がほう、spore)とは、一部の細菌が形づくる、極めて耐久性の高い細胞構造。胞子膜、皮層、芯部からなり、胞子膜の外側に外皮を持つものもある。芯部には、DNA、リボソーム、酵素、低分子化合物などが含まれており、半結晶状態になっている。以前は、(細菌の)胞子(ほうし、spore)、内生胞子(ないせいほうし、endospore)とも呼ばれていたが、真菌やシダ植物の胞子とは役割が異なるため、それらと区別するために、芽胞という名称で呼ばれるようになった。 |
枯草菌の芽砲(緑色) |
芽胞を作る細菌は限られており、有芽胞菌あるいは芽胞形成菌として、細菌を分類する上での指標の一つにされている。有芽胞菌の中にはアンフィバシラス属、バシラス属、クロストリジウム属、スポロサルシナ属などが存在する。このうち、バシラス属とクロストリジウム属が、病原性や微生物の有効利用などの面から、ヒトに対する関わりが深く、代表的な有芽胞菌として取り上げられることが多い。
芽胞を作る能力を持った細菌が、栄養や温度などの環境が悪い状態に置かれたり、その細菌に対して毒性を示す化合物と接触したりすると、細菌細胞内部に芽胞が形成される。このとき、細菌の遺伝子が複製されてその片方は芽胞の中に分配される。芽胞は極めて高い耐久性を持っており、さらに環境が悪化して通常の細菌が死滅する状況に陥っても生き残ることが可能である。しかし、芽胞の状態では細菌は新たに分裂することはできず、その代謝も限られている。このため芽胞は耐久型、休眠型と呼ばれることがある。
生き残った芽胞が、再びその細菌の増殖に適した環境に置かれると、芽胞は発芽して、通常の増殖・代謝能を有する菌体が作られる。この通常の菌体を芽胞と対比して、栄養型、増殖型と呼ぶことがある。
芽胞の耐久性
芽胞は通常の細菌と比べて極めて高温に強く、100℃での煮沸によっても完全に不活化することが出来ない。芽胞を高温で完全に不活化するにはオートクレーブ処理(約2気圧の飽和水蒸気中で121℃15分以上)、乾熱処理(180℃30分あるいは160℃1時間以上)などの処理が必要。芽胞を完全に不活化することが可能な条件で、器具や培養液などを処理することを滅菌と呼び、医療器具の扱いや、微生物学や生化学の実験、食品科学などの分野で重要である。滅菌の技術が発達する以前には、芽胞による汚染(コンタミネーション)が問題になることが多く見られた。
また高温以外にも、消毒薬などの化学物質にも耐久性を示す。 一般的な消毒薬では次亜塩素酸ナトリウムがやや有効な程度で、塩化ベンザルコニウム(オスバン液)、アルコール類等では不活化する事が非常に困難であり、確実に不活化するには最も強い消毒薬であるグルタラールを長時間接触させる必要がある。
他に、エックス線にも高い耐久性を示す。
滅菌法
芽胞を不活化するには、上に挙げた熱による方法の他、エチレンオキシドやホルマリンによるガス滅菌、メンブランフィルターを用いたろ過滅菌、ガンマ線滅菌などが有効である。また芽胞に特化した滅菌方法として間欠滅菌と呼ばれる方法がある。間欠滅菌とは、材料を一旦煮沸したあと一晩室温で放置し、再び煮沸する作業を3回繰り返すもので、室温で放置している間に芽胞が発芽して栄養型になることを利用した、手間のかかる方法である。
芽胞を作る代表的な細菌
☆バシラス(バチルス)属(好気性または通性嫌気性の有芽胞グラム陽性桿菌)
・炭疽菌:炭疽の病原菌
・セレウス菌:食中毒起因菌の一つ
・枯草菌:枯れ草などにつく非病原性細菌。遺伝子研究の材料に用いられる
・納豆菌:枯草菌の変種とされることもある。納豆の製造に用いられる
・卒倒病菌:カイコなどのチョウ目の昆虫の幼虫の消化管内でBT毒素を産生し、卒倒病を起こす
☆クロストリジウム属(偏性嫌気性の有芽胞グラム陽性桿菌)
・破傷風菌:破傷風の病原菌
・ボツリヌス菌:食中毒起因菌の一つ。食品中でボツリヌス毒素を産生し、毒素型食中毒を起こす
・ウェルシュ菌:ヒト腸内に常在する菌の一種。食中毒やガス壊疽の原因になることがある |
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11.消毒薬の使用濃度(空欄は使用せず)
対象 |
医薬品名 製品名 |
原液の濃度 |
人体(%) |
器具・環境等(%) |
備 考 |
手指・皮膚 |
皮膚の創傷部位 |
粘膜の創傷部位 |
手術部位 |
含嗽用 |
医療用具 |
室内(手術室,病室) |
排泄物 |
|
ヒト
・
環境
・
器具 |
イソプロパノール |
50〜70vol% |
50〜70% |
|
|
|
|
50〜70% |
|
|
|
消毒用エタノール |
76.9〜81.4vol% |
80 |
|
|
80 |
|
80 |
|
|
|
塩化ベンザルコニウム
(オスバン) |
10% |
0.05〜0.1 |
0.01〜0.025 |
0.01〜0.025 |
0.1〜0.2 |
|
0.1 |
0.05〜0.2 |
|
配合禁忌多い |
塩化ベンゼトニウム
(ハイアミン) |
10% |
0.05〜0.1 |
0.01〜0.025 |
0.01〜0.025 |
0.1〜0.2 |
|
0.1 |
0.05〜0.2 |
|
配合禁忌多い |
塩酸アルキルジアミノエチルグリシン
(テゴー51)
|
10% |
0.05〜0,2 |
0.01〜0.05 |
0.01〜0.05 |
0.1〜0.2 |
|
0.05〜0.2 |
0.05〜0.2 |
|
|
グルコン酸クロルヘキシジン (ヒビテン) |
20% |
0.1〜0.5 |
0.05 |
|
0.1〜0.5 |
|
0.1〜0.5 |
0.05 |
|
|
0.5% (エタノール液) |
|
|
|
0.5 |
|
0.5 |
|
|
|
主に
ヒト |
|
7.5, 10% |
7.5 |
10 |
10 |
7.5, 10 |
15〜30倍 |
|
|
|
|
|
2.8〜3.2% |
原液又は2〜5倍 |
原液又は2〜5倍 |
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0.05〜0.2 |
0.05〜0.2 |
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0.05〜0.2 |
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2.5〜3.5% |
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原液又は2〜3倍 |
原液又は2〜3倍 |
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10倍 |
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主に環境 |
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95%〜 |
1.5〜2 |
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2〜5 |
2〜5 |
3〜5 |
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次亜塩素酸ナトリウム |
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0.01〜0.05
(100〜500)* |
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0.005〜0.01
(50〜100)* |
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0.02〜0.05
(200〜500)* |
0.02〜0.05
(200〜500)* |
0.1〜1
(1000〜10000)* |
金属製器具不可 |
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2, 20% |
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0.5, 2 |
0.5, 2 |
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12.消毒薬の調製法
原 薬 名 |
原液濃度 |
調製法 |
0.1〜0.5%グルコン酸クロルヘキシジン |
20%(ヒビテン) |
原液5〜25mL→1000mL |
0.05〜0.1%塩化ベンザルコニウム |
10%(オスバン) |
5〜10mL→1000mL |
0.05〜0.1%塩化ベンゼトニウム |
10%(ハイアミン) |
5〜10mL→1000mL |
0.05〜0.2%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン |
10%(テゴー51) |
5〜20mL→1000mL |
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13.CHXとアルコールを混合した
ウオーターレスジェルものが
最近消毒に使われる、果たして
良いとこどりになっているのか?
0.5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有エタノール製剤を用いたウォーターレス法の手術時手指消毒としての評価
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1) 青森労災病院 薬剤部
2) 青森労災病院 臨床検査科 |
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(受付 2009/02/16)
(受理 2009/07/09)
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要旨
0.5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)エタノール製剤を用いたウォーターレス法と,4 w/v%CHGスクラブ製剤と0.2 w/v%CHG含有エタノール製剤を用いたスクラブとラビングの2段階の方法(従来法)の各手術時手指消毒方法につき,医療従事者30名を対象に比較検討した.両方法の菌数減少値は,消毒直後はウォーターレス法;1.443±0.647,従来法;1.508±0.801,また消毒3時間後は同1.431±0.716, 1.251±0.745を示し,ともに有意な差は検出されず(p=0.565, p=0.173),両方法の手指消毒効果は同等と判断された.従来法に比べ,ウォーターレス法では処理時間の短縮がみられ,安価であった.さらに満足度調査において,ウォーターレス法の満足度は高い傾向にあった.総合的に,CHGのような持続活性を有する成分を含有したアルコール製剤によるウォーターレス法は,手術時手指消毒として有効に活用しうる方法と考えられる.
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CHG を塗布した皮膚に供試したアルコールジェル製
剤を適用し,その上にE. coli を播種した場合のRF を図
1に示した。CHG 単独適用部位でのRF は4.08 と,皮
膚に残留したCHG の殺菌活性を認めた。しかしCHG を
塗布した上にGel B を上塗りした場合のRF は,100μL
塗布部位で−0.46,200μL 塗布部位で−0.95 とCHG の
持続的殺菌活性を完全に阻害していた。Gel C を上塗り
した場合のRF は,100μL 塗布部位で2.94,200μL 塗布
部位で2.63 とCHG の殺菌活性を弱めていた。被験アル
コールジェル製剤の主薬・アルコール以外の成分・組成
を調べたところ(表1),Gel B とGel C には粘稠剤と
して陰イオン系高分子であるカルボキシビニルポリマー
が共通して含まれていた。一方,0.2w/v% CHG を主薬
とするアルコールジェル製剤の基剤であるGel D を上塗
りした場合のRF は, 100μL 塗布部位で3.28,200μL 塗
布部位で4.81 とCHG の殺菌活性への影響は小さいもの
であった。
CHG を塗布していない皮膚に供試したアルコールジ
ェル製剤を適用し,その上にE. coli を播種した場合の
菌数(Log10CFU)を表2に示した。無処置コントロール
4.考 察
2005 年に厚生労働省から医療施設における院内感染の防止に関する通知が発出され,術前手指消毒の方法としては,アルコール手指消毒薬を用いる方法と外科用ス
クラブ薬を用いる方法があり,外科用スクラブ薬を用い
る場合はアルコール手指消毒薬を併用することが望まし
いとされた10)。これを受けて,外科用スクラブ薬とアル
コール手指消毒薬を併用する施設が増加しつつある4)。
このような状況を踏まえ,我々は,本邦で繁用されてい
る代表的なジェルタイプのアルコール手指消毒薬につい
て予備的に検討したところ,CHG の持続的殺菌活性を阻
害することを見出した6)。今回我々は,本邦で市販され
ているアルコールジェル製剤2 製剤(Gel B, C)と陰イ
オン系の添加物を含まない試作ジェル製剤(Gel D)の
計3 製剤を用いてさらなる検討を加え,さらに,これら
のアルコール手指消毒薬のアルコール以外の成分が,播
種した細菌に与える影響についても合わせて検討した。
その結果,市販アルコールジェル製剤のGel B はCHG
の殺菌活性をほぼ完全に阻害する作用,また,Gel C は
CHG の殺菌活性を弱める作用を示し,いずれも負の影響
を与えた。このことから,アルコールジェル製剤のCHG
阻害作用の強さは製剤によって異なることが示唆された。
一方,0.2w/v% CHG を主薬とするアルコールジェル製
剤の基剤(Gel D)はCHG の殺菌活性にほとんど影響を
及ぼさないことが示唆された。Gel B およびGel C には,
含量が不明であるが,陰イオン系の合成高分子であるカ
ルボキシビニルポリマーが共通して含有されており,こ
れがCHG の殺菌活性に影響した可能性が示唆された。
一方,Gel D に含まれる粘稠剤は開示されていないもの
の,他のCHG を主薬とするアルコールジェル製剤と同
様に,非イオン系の高分子が含まれているものと思われ
た。
さらに,これらアルコールジェル製剤中のアルコール
以外の成分がE. coli に与える影響について調べたとこ
ろ,Gel C ならびにGel D においてはE. coli の生存性
に多少影響するように見受けられたものの,これらアル
コールジェル製剤のCHG の殺菌活性阻害作用の評価へ
の影響は小さいものと考えられた。E. coli の生存性が変
化した原因は,製剤中の成分の影響というよりも細菌播
種後の菌液の乾燥時間が変化した可能性が大きいものと
思われた。
これらのことから,本邦で市販されているアルコール
ジェル製剤は,米国のアルコールジェル製剤と同様に
CHG の殺菌活性を阻害することが強く示唆され,術前の
手指消毒に外科用CHG スクラブ剤とアルコールジェル
製剤を併用する場合は,カルボキシビニルポリマーなど
の陰イオン系の物質を含有しないアルコールジェル製剤
を選択する必要があると思われた。
なお,本報告は中間結果に基づくものであり,今後例
数を重ねてさらに検討を加える予定である。
2.医薬品に指定されている消毒薬であれば、その使用期限は製品容器などに必ず記載されています。したがって、開
封後の消毒薬の使用期限は、適正な使用がなされていれば、その製品容器などに記載されている使用期限です。通常
は、製造後1〜3年間です。以下に、それぞれの消毒薬の使用期限についての留意点を述べます。
・アルコール系
消毒用エタノール、70%イソプロパノールおよび0.5%クロルヘキシジンエタノール液の使用後には、キャップを
よく締めて、揮発を防ぐことが大切です。
・低水準消毒薬
これらの低水準消毒薬で消毒綿や消毒ガーゼを調製した際には、微生物汚染の観点から、その使用期限は24時間と
するのが望ましいです。
・ヨード系
ポビドンヨードの綿球やガーゼを調製した際には、その使用期限は14日間としてください。徐々に分解するからで
す。
・その他
アクリノールの綿球やガーゼを調製した際には、微生物汚染の観点から、その使用期限は24時間としてください。
カテーテル挿入部の消毒薬:日米の相違
以前から気になることで・・・日本では70%イソプロパノールを特に勧めており、米国ではchlorhexidineを勧めていることである。
このセミナーのpdf()よくまとまっていると思う
皮膚の部分をアセトンで取り除いてから消毒していたが、かえって皮膚を痛めるため不要である。同じ理由から、除毛や剃毛も必要ない。また、垢などがついていたらアルコール清拭し、消毒後は消毒薬をよく乾燥させることが重要である。ポピドンヨードを使用したあとは、拭き取った時点で殺菌効果がなくなるため、すぐにハイポエタノールで脱色するのは避ける。
皮膚の消毒薬は通常、アルコール、クロルヘキシジン、およびポピドンヨードが主に使用される。アルコールは、細菌や真菌、ウィルスを消毒するが、芽胞には無効で、引火性があるということに留意しなければならない。また、ポピドンヨードは、血液や有機物で賦活化されやすいが、皮膚に存在する限りは静菌作用があり、ウィルスにも有効である。クロルヘキシジン、クロルヘキシジンアルコールは、ポピドンヨードより皮膚細菌の減少に効果があり、1回の使用でも持続効果があるうえ、血液や有機物で不活化されにくいという利点がある。実際に術前の皮膚消毒にクロルヘキシジンを用いた場合、皮膚膿瘍発生率がポピドンヨードに比べ有意に抑制されたという報告もある。
本日のNEJMのレクチャービデオは、下肢の静脈カテーテル挿入法であった。”Placement of a Femoral Venous Catheter N Engl J Med. Vol 358:e30”であるが、"Prepare the skin with chlorhexidine, and cover the area with a sterile drape"とかかれており、また、ガイドラインでも血管内カテーテルの推奨消毒薬は”chlorhexidine”と思われる。
米国のガイドラインでもクロルヘキシジンを推奨
Guidelines for the Prevention of Intravascular Catheter-Related Infections
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/rr5110a1.htm
2% chlorhexidine preparation for skin antisepsis
消毒薬テキスト 新版(http://www.yoshida-pharm.com/text/index.html)と書かれ
実際に用いられている消毒薬としては、10%ポビドンヨード液、0.5%クロルヘキシジンエタノール液、消毒用エタノール、70%イソプロパノールなどを挙げることができるが、日本における勧告は消毒用エタノールまたは70%イソプロパノールの使用を薦めている。アルコールは速乾性であり残留薬物がないため、操作性、安全性の面からも望ましい。
とかかれている。
日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp/sisetunai/index.html)の監修分では、
”IVHチューブやポートの消毒にはイソジン等のヨード製剤よりも生体、非生体の両方に使用できる消毒薬である70%アルコールの方が適切であるといえます”
とかかれている。”クロルヘキシジン”は紹介だけでその可否についての判断もなされていない。
クロルヘキシジンの添付文書を見ると、
“0.1〜0.5%水溶液(本剤の50倍〜10倍希釈)又は0.5%エタノール溶液(本剤の10倍希釈)”と書かれ、米国のガイドラインの2%chlorhexidine preparationとは異なるので注意が必要。
粘膜面や眼などの使用は禁忌であり、過敏症の存在にも注意が必要。
集消毒薬の選び方
山口大学医学部附属病院 薬剤部
尾 家 重 治
要 旨
歯科器材の消毒には熱水がもっとも適している。紫外線の使用は勧められない。また、グルタラール(グルタルアルデヒド)、フタラール(オルトフタルアルデヒド)および過酢酸などの高水準消毒薬は、熱水消毒が行えない場合で、かつ換気が十分な環境下での使用にとどめるべきである。
はじめに
消毒薬には一長一短がある。例えば、洗浄剤含有4%クロルヘキシジン(ヒビスクラブ、マスキンスクラブなど)や洗浄剤含有ポビドンヨード(イソジンスクラブ、ネオヨジンスクラブなど)は、手指消毒にすぐれた抗菌力を示すものの、5回/日などの頻回使用により手荒れを招く1,2)。したがって、消毒薬の使用は適正に行う必要がある。
1.消毒薬の基礎知識
図1に、微生物を消毒薬抵抗性の強い順に並べるとともに、消毒薬の抗菌スペクトルを示した。また、表1に消毒薬の主な消毒対象と使用上の留意点を示した。
グルタラール(ステリスコープ、サイデックスなど)、フタラール(ディスオーパ)および過酢酸(アセサイド)は、効力の面では“消毒薬の横綱”であり、内視鏡の第一選択消毒薬として汎用されている。また、熱消毒の設備がない場合で、換気が良い環境下であれば、ウイルス汚染の金属製器材の消毒にも適している。ただし、毒性の面でも横綱であるこれらの消毒薬では、蒸気曝露や付着に対する注意や、器材への残留に対する注意が必要である。
また、次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン、ピューラックスなど)は、汚れ(有機物)が少なければ、すべての微生物に有効な消毒薬である。本薬は経腸栄養剤の投与セットなどの「食」関連器材や、蛇管などの「呼吸器」関連器材の消毒に適している。また、印象材などの非金属製器材や、シーツなどのリネン類の消毒にも適している。なお、欧米ではデブリードメント効果を期待して創部の洗浄・消毒に用いられている。
グルタラールや次亜塩素酸ナトリウムに次いで広い抗菌スペクトルを示す消毒薬として、ポビドンヨード(イソジン、ネオヨジンなど)やアルコール(消毒用エタノール、70%イソプロパノール)があげられる。ポビドンヨードやアルコールは、細菌芽胞を除くすべての微生物に効力を示す。ポビドンヨードは正常皮膚・粘膜・創傷の消毒に、またアルコールは正常皮膚の消毒に使用できる。
一方、クロルヘキシジン(ヒビテン、マスキンなど)や塩化ベンザルコニウム(オスバン、ザルコニンなど)は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの一般細菌や、カンジダなどの酵母様真菌に有効な消毒薬であり、ほぼ無臭で使い勝手がよい特徴を有している。
2.生体消毒における留意点
表2に、生体に対する消毒薬の選択例を示した。生体適用での留意点を次にあげる。
(1) 適正濃度での使用を!
クロルヘキシジン(ヒビテン、マスキンなど)の0.05%液は創部消毒に有用であるが、誤って1桁高い0.5%液を用いるとショックが生じる可能性がある3,4)。また、クロルヘキシジンの0.02%液は結膜嚢の消毒に用いられるが、誤って0.2%液を用いると重篤な眼障害が生じる5,6)。
このような消毒薬の濃度の誤りは、希釈調製時に生じることが多い。したがって、濃度の誤りを防止するため、クロルヘキシジンや塩化ベンザルコニウム(オスバン、ザルコニンなど)などの生体適用では、希釈・滅菌済み製品の使用が勧められる。0.05%クロルヘキシジン製品にはヒビディール液や0.05%マスキン水が、また0.025%塩化ベンザルコニウム製品には0.025%ザルコニン液や0.025%ヂアミトール水などがある。
(2) アルコールの引火性に注意!
0.5%クロルヘキシジンアルコール(いわゆるヒビテンアルコール;マスキンエタノール、ベンクロジドエタノールなど)での術野消毒後に電気メスを使用したところ、患者が熱傷を負った例がある(図2)。皮膚と手術台の間に溜まっていた本薬に電気メスの火花が引火したためであった7,8)。
このように患者付近から青白い炎が上がる事故はまれではない。術野へのアルコール製剤の使用に際しては、皮膚と手術台の間に溜まるほどの大量使用は避けるとともに、アルコールの乾燥を確認してから電気メスなどを使用する必要がある。
(3)細菌汚染に注意!
塩化ベンザルコニウム(オスバンR、ザルコニンRなど)、クロルヘキシジン(ヒビテンR、マスキンRなど)および両性界面活性剤(テゴー51R、ハイジールRなど)などの抗菌スペクトルの狭い消毒薬では(図1)、使用中の細菌汚染に対する注意が必要である。典型的な汚染パターンは、これらの消毒薬の綿球やガーゼを長期間にわたって分割使用やつぎ足し使用した場合である(図3)9-11)。したがって、これらの消毒薬の綿球やガーゼは、調製後24時間以内に廃棄するのが望ましい。なお、0.025%塩化ベンザルコニウム綿球では滅菌済みの単包化製剤(ザルコニン0.025%綿球C)が市販されている。
一方、ポビドンヨード(イソジン、ネオヨジンなど)やアルコール(消毒用エタノール、70%イソプロパノール)の綿球やガーゼが、使用中に微生物汚染を受ける可能性はない(ドロなどの混入による芽胞汚染を除く)。
3.環境や器材の消毒における留意点
表3に、環境や器材に対する消毒薬の選択例を示した。環境や器材の消毒での留意点を次にあげる。
(1)ホルマリンくん蒸は望ましくない
旧法律の伝染病予防法では、ホルマリン(ホルムアルデヒド)くん蒸が推奨されていた。しかし、ホルマリンガスには粘膜刺激性があるのみならず、動物実験で発がん性が報告されている12,13)。したがって、ホルマリンくん蒸は、毒性の観点から差し控えるべきである。病室のホルマリンくん蒸や、いわゆるホルマリンボックスの使用は中止する必要がある14)。
(2) 紫外線は望ましくない
紫外線は角結膜炎などの原因になり、発がん性が指摘されている15)。また、紫外線はクリーンな表面には有効なものの、汚れなどが付着した表面には無効である。したがって、紫外線による器材消毒は差し控えたい。
歯科領域では紫外線を利用した消毒装置(図4など)が汎用されている。しかし、本装置では、非照射部分で抗菌効果が得られない。また、本装置では効力がなくなった紫外線管球が使用されていることも少なくない。したがって、本装置の消毒目的での使用は勧められない。なお、紫外線消毒は伝染病予防法では推奨されていたものの、1999年に施行された感染症法では推奨されていない16)。
(3) オゾンは望ましくない
オゾンはMRSAや緑膿菌などの一般細菌のみならず、結核菌や芽胞にも有効である17)。しかし、有効濃度である0.1ppm以上のオゾンガスには強い毒性があり、動物実験で発がん性も指摘されている18)。また、オゾンは腐食性が強く、とくにゴムを傷めやすい。したがって、オゾンによる環境や器材(尿器など)の消毒は差し控えたい(図5)。ただし、水の殺菌や完全密封空間(滅菌機など)での使用は問題ない。
なお、オゾンの脱臭効果は否定されている。したがって、病室やポータブルトイレの脱臭にオゾンを使用することも、毒性の観点から差し控えたい。
(4) クレゾール石けんは勧められない
伝染病予防法の時代には、クレゾール石けんが汎用されていた。しかし、クレゾール石けんはもともと腐食性が強い消毒薬である。原液〜5倍希釈液の皮膚付着で化学熱傷が生じるのみならず、その化学熱傷部位からの吸収により全身毒性が発現する19,20)。実際、病院や学校などでのクレゾール石けんによる事故例は少なくない。また、本薬は分解されにくいので、環境汚染の面でも問題がある。さらに現在では、両性界面活性剤(テゴー51、ハイジール)などの代用となり得るいくつかの消毒薬が市販されている。したがって、クレゾール石けんの使用は勧められない。
(5) 器材消毒には熱が適している
熱(熱水、蒸気)は、消毒薬に比べて効果が確実である21〜23)。また、熱には取り扱い者に対する毒性や、残留毒性がない。したがって、耐熱性で耐水性の歯科器材には熱消毒が適している。熱消毒は、従来からの煮沸消毒ではなくて、「洗浄→熱消毒」の工程が自動的に行える装置で行うのが望ましい(図6など)。
なお、図7に微生物を熱抵抗性が強い順にならべるとともに、熱の抗菌スペクトルを示した。また表4に、熱による消毒例まとめた。
4.消毒薬の副作用
消毒薬は、抗生物質に比べるとはるかに高い毒性を示す。したがって、消毒薬の有害作用は、患者のみならず取り扱い者にも生じることに留意したい。表5には、患者に生じた消毒薬の有害作用例をあげた。また、グルタラール、フタラールおよび過酢酸などの高水準消毒薬では、皮膚付着で化学熱傷が、蒸気曝露で眼刺激などが取り扱い者に生じる24)。
おわりに
英国での報告によれば、過去5年間に歯科治療などを行ったヒトは、そうでないヒトに比べてC型肝炎ウイルスへの感染率が高い25)。また、この原因として、歯科器材の不十分な消毒が指摘されている。したがって今後は、歯科器材の消毒には効果が確実な方法を推進していく必要があろう。
また、歯科領域では、使用済み器材の洗浄中に、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなどへ感染する例が少なくないと推定される26)。したがって、病院においては一次洗浄を廃止して中央洗浄とするのが望ましい。また、医院においては自動的に洗浄および熱水消毒ができる装置(ウオッシャーディスインフェクタなど)の利用が勧められる。
引用文献
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14.当院使用の消毒薬 使用方法
ウイールスやプリオンなど、最近は予防も難しい感染が多いです。
それら、ウイールスや普通の細菌感染にも、適材適所で、薬剤の環境汚染や副作用をコントロールして、使い分ける工夫が求められています。
強酸性水または、EO水ともいいます。各サプライにてすべての器具は一度この強酸性水をかけ流し、
C,B型や、HIVなどのウイールスも消毒します。さらにオスバンにて沈析して超音波洗浄も行ないます。
外科器具、根治綿栓、注射器具などは、132℃ (2気圧) で1時間のコースでオートクレーブ滅菌にかけ、滅菌ボックスに保管します。 |
消毒液名 |
消毒液説明 |
使用場所 |
当院使用方法 |
オスバン
〈塩化ベンザルコニウム〉
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塩化ベンザルコニウムとは、陽イオン界面活性剤(逆性石けん)であり、石けんとは逆の荷電を有しています。グラム陽性菌、グラム陰性菌、多くの真菌に有効です。実用濃度では皮膚粘膜に対する刺激性が少なく臭気もほとんどないので、粘膜などの生体消毒に使用されます。
<基本的使用方法>
塩化ベンザルコニウム0.1%溶液に10分間浸漬(しんせき)するか、又は厳密に消毒する際は、器具をあらかじめ2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後塩化ベンザルコニウム0.1%溶液中で15分間煮沸する。
<使用上の注意>
●皮膚・粘膜の刺激症状、かゆみ、かぶれ、発疹等の過敏症状が起こることがあります。
●本品で消毒したカテーテルで採取した尿はスルホサルチル酸法による尿タンパク試験で擬陽性を示すことがあります
●目に入らないようにすること。目に入った場合は、水でよく洗い流すこと
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#1.#3
サプライの
洗い場
|
原液を100倍に薄める。
(0.1%溶液)
水の量は12ml(「ここまで水を入れる」というテプラが貼ってある所まで)
オスバン12ml
(キャップ約2杯半)
|
#1.#3
サプライの
超音波洗浄器
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原液を100倍に薄める。
(0.2%溶液)
水の量は8ml(ラインの所まで)
オスバン8ml
(キャップ約2杯弱) |
ムツミ
ネオゾール
(歯科用小器具専用除菌剤) |
<成分>
塩化ベンゼトニウム0.2%(除菌剤)
ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト0.6%(防錆剤)
ポリオキシエチレン(防錆剤)
ハイドロジェネィティッドチャストールオイル0.2%(界面活性剤)
<基本的使用方法>
小器具を除菌する場合、水で2倍にうすめた溶液に約10分間浸漬します。
血液の付着した器具はあらかじめ中性洗剤で洗浄してから浸漬してください。
<使用上の注意>
●本品に血液を混入させないよう注意してくたさい。
●眼に入らないよう注意してください。万一眼に入った場合は大量の水で洗浄した後、医師の診断を受けてください。
●除菌液は一週間程度で交換してください。
●密栓し、直射日光をさけて保存してください。
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各チェアサイド
バイトブロックの入っている
容器
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2倍に薄める。 |
各チェアサイド
リーマ用
スポンジ液
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2倍に薄める。 |
RVG(デジタル)
ホルダー入れ
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2倍に薄めた液 |
※揮発性があるため当院では扱ってません |
医療器具の化学的殺菌・消毒(高水準消毒) 劇薬
微生物又は有機物により汚染された器具の化学的殺菌・消毒に使用
迅速な殺菌作用、低揮発かつ低刺激、使用前の調製が不要、高い安定性
各種の栄養型細菌・真菌・結核菌および各種ウィルスに対して、5分で殺菌効果 、不活化効果を示します。蒸気の発生が少ないので、作業環境にやさしい製剤です。
最長14日間の連続使用が可能です。有機物混在による影響がほとんどありません。
<対象器具>
内視鏡類、レンズ装着の装置類、麻酔装置類、人工呼吸装置類、外科手術用器具、産科用器具、歯科用器具又はその補助的器具、注射筒、体温計並びにゴム・プラスチック製器具類等で加熱による殺菌・消毒ができないもの。ただし、生体の無菌域に使用される医療器具類は適切な滅菌処置を行うこと
<成分・組成・性状>
フタラール0.55w/v%を含有する
添加物 リン酸水素2K.リン酸二水素K.ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸3Na.クエン酸、安定剤、pH調整剤、緑色201号
pH 7.2〜7.6
<基本的な使用方法>
本剤は原液のまま使用すること。
医療器具等は本剤に浸漬させる前に水又は酵素洗浄剤を用いてじゅうぶんに洗浄する。
通常、器具等の消毒には、本剤に5分以上浸漬させる。
浸漬後、取り出した器具等は、水又は滅菌水でじゅうぶんにすすぎ、本剤を除去する。
細孔を有する等構造の複雑な器具類は、内孔部への注入等の操作により、本剤とじゅうぶんに接触させること。またすすぎの際、内孔部への水の注入等の操作により、本剤をじゅうぶんに除去すること。
<使用上の注意>
●人体には使用しないこと
●本剤又はフタラールに対し過敏症の既往歴のある者には、本剤にて消毒を行った医療器具等を使用しないこと
●本剤又はフタラール又は他の化学物質に対し過敏症の既往歴のある者は、本剤を扱わないこと。
●蛋白結合性があるので、本剤を素手で取り扱わないこと。また、人体に直接接触しないよう注意すること。本剤を取り扱う場合には、ゴム手袋、ゴーグル、マスク、ガウン等の保護具を装着すること。
●皮膚に付着したときは、直ちに水洗いすること。また、眼に入った場合には、直ちに流水で15分以上洗った後、専門医の処置を受けること。コンタクトレンズ装用の場合は、コンタクトレンズをはずした後、じゅうぶんな洗眼を行い、専門医の処置を受けること。また取り外したレンズは再使用しないこと。
●異物の混入を避けるため浸漬にはふた付き容器を用い、使用中はふたをすること。
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希釈せずそのままを使用 |
流水下で1時間、その後
○Rディスオーパに浸ける。
有効期限はテストストリップスにて効力を調べて#1サプライの所に置く。
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15.院内消毒液の検討
【衛生・消毒・消臭関連】
●ピュアクリーンV:薬用アルコールジェル(速乾性手指・皮膚用殺菌消毒剤)
医薬部外品
院内感染・食中毒等の防止の基本は手指の消毒です。水洗い不要、短時間(15秒)で強力に手指・皮膚を殺菌消毒するアルコールジェル。
適量を手のひらに取り、擦り合わせるだけで手指・皮膚を清潔にします。保湿剤配合により、潤いを保ち、手荒れを防ぎます。
緑膿菌、MRSA、O-157等、又SARSウィルス、インフルエンザにも効果があります。
医療施設はもちろん、ペットショップ、ビューティーサロン、エステサロン、介護施設、食品工場、飲食店厨房、スーパー、コンビニ、一般家庭等、衛生面に気を使うところでしたらどこでもご使用いただけます。
●インスツルメントキレイ:器具用除菌清浄液(色が消える。)
清浄力が低下すると色が薄くなり、液交換の目安となります。殺菌剤イルガサン(0.5%)、特殊界面活性剤、無機アルカリビルダー等を効果的に配合した器具用清浄液で、安全性、安定性に極めて優れています。殺菌剤、清浄剤の相乗効果で蛋白質(血液)、脂肪分、バクテリア等を速やかに清浄します。防錆剤配合。
●スチールキレイ:歯科用小器具防錆・除菌清浄液
スチールキレイは、一般細菌に対し、清浄力と除菌力をそなえたテゴ51と殺菌剤イルガサンDP300を効果的に配合した歯科用小器具専用の除菌・清浄液です。器具に付着した血液、唾液等の汚物に対し、優れた清浄力と除菌力があります。
http://www.dm-corp.jp/main/002.html
【手指殺菌消毒薬用石けん液 (商品番号0351/5)】
●薬用 マルククリーンA (医薬部外品)
■販売価格 700mlポンプタイプ 1,470円(税込)
4リットル詰替用 4,410円(税込)
マルククリーンAは全国の病院・歯科医院・産婦人科等の医療施設、食品工場、老人福祉施設、幼稚園などで使用されています。強力な殺菌力を保持しつつ、手肌にやさしいヤシ脂肪酸を配合しました。長期間使用されても手あれがしない泡タイプの石けん液です。
【医療・理化学用器具除菌・清浄液(商品番号0413) 】
●メディカエースV (トリクロサン配合)
■販売価格 4リットル 8,295円(税込)
殺菌剤トリクロサン(イルガサンDP300)、特殊界面活性剤、無機アルカリビルダー等を効果的に配合した医療器具用特殊清浄剤で、安全性・安定性に極めて優れています。殺菌剤、洗浄剤の相乗効果でタンパク質(血液)、脂肪分、バクテリア等を速やかに清浄します。
外科用インスツルメント・歯科用インスツルメント・ピペット・プレート試験管・サンプルカップ他の除菌処理に最適です。
【医療・理化学用器具 即効性除菌・清浄液 (商品番号0411/2)】
●イソラピッド (アルデヒドフリー)
■販売価格 950ml スプレータイプ 5,880円(税込)
2リットル補充用 9,765円(税込)
医療機器・器具の表面を1分間で確実に除菌します。また、アルデヒドを含まない有効かつ安全性の高い除菌・清浄液です。
医療機器・器具、歯科治療用ユニット、レーザー装置等の“即効性”除菌・清浄液です。
【手指・器具兼用アルコール除菌・清浄剤 (商品番号0416-32)】
●マルククリーンDP (トリクロサン配合)
■販売価格
手指用 500ml 2,362円(税込)
器具用 500ml 2,362円(税込)
4リットル詰替用 7,476円(税込)
中性タイプでベタつきがなく、スプレー噴霧で手指の清浄から器械・器具類(車椅子、ベッド、トイレ・便器・便座、手すり、ドアノブ、スリッパ、他)の除菌まで幅広くお使いいただけ、衛生管理に最適です。
http://www.medix-web.com/lizer.html
【減菌・消毒の手順】
1.使用済器具
■ 汚染度が高い場合、使用後に●●2%溶液に浸漬してください。
2.水洗
■ 流水下で水洗してください。
3.超音波洗浄・浸漬洗浄
■ 血液や蛋白質が付着した場合、防錆洗浄液を使うと効果的に除去できます。なお、洗浄液を使用する場合、各洗浄液の「使用上の注意」をよくお読みください。
■ミラートップ、ペリオプローブには超音波洗浄器を使用しないでください。また洗浄の際は、他器具との接触を避けてください。
■洗浄の際、クレンザーやワイヤーブラシ、スチールウール等は使用しないでください。
■ 滅菌・消毒前に必ず洗浄を行ってください。汚れが残っていると滅菌・消毒の効果が低下したり、金属腐食を招きます。
すぐれた防錆効果と強力な洗浄力 YDMの歯科用小器具防錆洗浄液「ゼッ トワン」
http://www.ydm.co.jp/sm/sm_01.html
【手指殺菌消毒薬用石けん液】
●医療用 マルククリーンA (医薬部外品)
マルククリーンAは全国の病院・歯科医院・産婦人科等の医療施設、研究室、食品工場、老人福祉施設、幼稚園などで使用されています。強力な殺菌力を保持しつつ、手肌にやさしいヤシ脂肪酸を配合しました。長期間使用されても手あれがしない泡タイプの石けん液です。。
【成分】
トリクロサン(イルガサンDP300)、エチルアルコール、ヤシ脂肪酸、ラウリル硫酸塩、他
■販売価格
700mlポンプタイプ 1,470円(税込) 商品番号:4005
4リットル詰替タイプ 4,410円(税込) 商品番号:4006
・純植物性(ヤシの実油)で手にやさしい石けん液です。
・泡状なので扱いやすくまた、泡切れもよく簡潔に殺菌洗浄ができます。
・長期にわたって使用しても手あれがしにくくなっています。
・1回の洗浄で1円〜3円と低コストです。
【使用方法】
適量(ピンポン球約1個分)を手に取り、よく泡立てて水で洗い流して下さい。
700mlポンプタイプの場合、約500回の洗浄ができます。
【殺菌剤配合衣類用洗剤(液状)】
●リネンブライト
・医療機関では血液・唾液等が付着したタオル、シーツ、ユニフォーム類の消毒・洗浄に
・老人福祉施設・幼稚園等では排便・排尿等が付着した衣類、シーツ、おむつカバー、タオル類の消毒・洗浄に
・食品工場ではタオル、ユニファーム等、リネン類の消毒・洗浄に幅広く活躍しています。
■本剤を使用することにより洗濯機槽内も消毒できます。
ベタイン型界面活性剤のほかにノニオン系、アニオン系界面活性剤を有効に配合していますので2種類の殺菌剤との相乗効果が一層高まり、白く洗い上げる洗浄力と殺菌及び柔軟効果があります。
■一般洗剤、柔軟剤は不要です。
【成分】
トリクロサン(イルガサンDP300)、テゴ51、界面活性剤、水溶性溶剤、キレート剤、他
■販売価格
1500mlタイプ 2,572円(税込) 商品番号:4020
4リットル詰替タイプ 7,560円(税込) 商品番号:4021
【医療・理化学用器具除菌・清浄液 (トリクロサン配合)】
●メディカエースV
殺菌剤トリクロサン(イルガサンDP300)、特殊界面活性剤、無機アルカリビルダー等を効果的に配合した医療器具用特殊清浄剤で、安全性・安定性に極めて優れています。殺菌剤、洗浄剤の相乗効果でタンパク質(血液)、脂肪分、バクテリア等を速やかに清浄します。
・外科用インスツルメント・歯科用インスツルメント・ピペット・プレート試験管・サンプルカップ他の除菌処理に最適です。
【成分】
トリクロサン(イルガサンDP300)0.5%、高級アルコール系非イオン界面活性剤、エチルアルコール、無機アルカリビルダー、防錆剤、洗浄助剤、他
汚れの度合いに応じて30〜50倍の範囲で希釈し、30分以上浸漬、除菌・洗浄します。
(水1リットル:本剤30ml〜50ml)
■販売価格
4リットル 8,295円(税込) 商品番号:4025
【手指・器具兼用アルコール除菌・清浄剤 (トリクロサン配合)】
●マルククリーンDP
中性タイプでベタつきがなく、スプレー噴霧で手指の清浄から器械・器具類(車椅子、ベッド、トイレ・便器・便座、手すり、ドアノブ、スリッパ、他)の除菌まで幅広くお使いいただけ、衛生管理に最適です。
【成分】
トリクロサン(イルガサンDP300)0.3%、エチルアルコール、グリコール系界面活性剤、精製水、他
■販売価格
手指用 500ml 2,362円(税込) 商品番号:4030
器具用 500ml 2,362円(税込) 商品番号:4031
4リットル詰替タイプ 7,476円(税込) 商品番号:4032
【手指自動消毒器】
●ハンディミストミニ
毎年あとを断たない、O-157をはじめとする細菌性食中毒や大きな問題になっている病院などで起こる院内感染は、手指を介しての感染が大きな原因といわれています。
そこで、食中毒防止や感染防止の衛生管理に欠かせない、手指消毒器の決定版「ハンディーミストミニ」をおすすめします。病院や、福祉施設、ご家庭でも簡単に使えて幅広く活躍しています。
セット内容:本体、単二乾電池2本
(専用消毒液は別途お買い求め下さい)
■販売価格 20,790円(税込)商品番号:4050
−別売品−
専用ACアダプター 1.500円(税別) 商品番号:4051
専用消毒液1000ml 1.400円 (税別)商品番号:4052
※光センサーが感知して消毒液を自動噴霧。
※手にムラなく消毒液を吹きつける噴霧タ イプ。
※好きな場所に設置できるコンパクトサイ ズ。
※見た目は小型でも、1100ccもあるタンク容量。
※乾電池・AC電源両用。(ACアダプター使用)
乾電池またはAC電源
設置場所などに合わせて、乾電池(単二形×2個)使用とAC電源(アダプター使用)の両用ができます。
*ACアダプターは別売りです。
◇ワンチップマイコン採用、省エネ設計
無駄な電力をカットするワンチップマイコンを採用し、より乾電池の寿命が伸び消費電力も抑えられるので大変経済的です。
◇交換時期を知らせる電池モニター
乾電池がなくなってくると赤く点滅し、交換時期を知らせてくれる、とても便利なモニターです。
◇小型でも1100ccの大容量
タンクをそのまま本体に使用しているので、小型ながら1100ccの大容量。中身が見えるので、消毒液の残量が
一目でわかります。
◇置く場所をとらない小型
今までにない小型サイズでスペースをとらず、設置場所を選びません。また、計量で持ち運びもラクにできます。
http://www.trysystem.com/sub6.html
■次亜塩素酸ナトリウムについて教えてください
【質問】
当院で気管カニュレの内筒の消毒に次亜塩素酸ナトリウムを選択しようと考えていますが, 結核病棟を有することもあり,
濃度は0.1% (1,000 ppm)でと考えております。一般的に次亜塩素酸は食塩に変わるため,
消毒後の水洗は必要ないとも言われていますが, 0.1%という高濃度でも問題ないものでしょうか???
(臭いの問題も気になります)
また現在, ネブライザーのジャバラなどの消毒にも0.1%次亜塩素酸ナトリウムを使用しているのですが,
消毒後に水道水による水洗を行っております。この水洗も省略し, 消毒後, 乾燥させることで問題ないでしょうか???
ご教授, よろしくお願いします。
【回答】
本剤 (次亜塩素酸ナトリウム) は金属腐食性があり, またプラスチックやゴムを劣化させることも知られています。したがって,
0.1%以上の液は, 通常, 器具類の消毒には用いられません。やむなく金属製品に使用するのであれば,
適用後によく水洗いすることが必要です。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/sodium-hypochlorite.html
■ 食塩電気分解水の効果について
【質問】
はじめまして。歯科医師です。質問させていただきます。知人の歯科医師で, 器具の消毒に“食塩電気分解水
(中性水と呼んでいます)”を使用しておりますが, その効果について教えてください。ウィルスを含む,
すべての微生物に効果があるとのことで, 一次洗浄した後に10分間浸漬するという使い方をしておりますが,
実際の消毒レベルはいかほどのものなのでしょうか??? 滅菌されているいるとはとても思えないのですが。よろしくお願い致します。
【回答】
食塩水を中性付近で電気分解することにより, 次亜塩素酸ナトリウムよりはるかに殺菌効果の高い次亜塩素酸
(HOCl) や陽極側で発生すると思われる“スーパーオキシドイオン”を含む殺菌水を調製することができます。これがいわゆるBK
(bacterio killer) 水です。BK水は種々の報告にあるとおり, MRSAをはじめとする病原微生物に対し殺菌作用をもちますが,
消毒剤の一般的な問題である有機物の混入によりその効力の低下も認められています。よって,
一次洗浄した後に, 適切な濃度, 浸漬時間を守れば有効な消毒方法だと思われます。また,
pHが中性付近であるため, 金属製品への腐食性も低く, 幅広い医療器具の消毒に使用できると考えられます。消毒剤のレベルとしては,
強酸性電解水と同じ「中水準消毒薬」に分類されるのではないでしょうか。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/shokuen-denkibunkai.html
■ オートクレーブとプリオン
【質問】
私は歯科医師国家試験浪人中です。今年の第97回歯科医師国家試験において, 以下のような問題が出題されました。
[問題]オートクレーブが有効でないのはどれか。
a. プリオン
b. ウイルス
c. 芽胞
d. 真菌
e. 原虫
予備校の解説によると答えは aです。そこで私はプリオンについて, もっと知りたいと思い,
ネット上を検索していたところ, こちらのページを見付けまして質問しようと思い立ちました。質問箱の中に「B型肝炎ウィルス(HBV)
はオートクレーブで死滅する???[http://www.jarmam.gr.jp/situmon/hbv.html]」という質問がありますが,
この質問に対する答えの欄にプリオンについて言及している部分があります。それによると「オートクレーブの滅菌時間と温度について・・・プリオンという病原体では132℃
(2気圧) で1時間, または135℃, 20分間以上のオートクレーブが必要になります。」となっています。ということは,
プリオンにもオートクレーブが有効であるということになり, 予備校の解説は誤り・・・というか,
問題の答えすらなくなってしまうことになります。この場合どのように考えたら良いのでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが,
お答えいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
【回答】
まず第一に, “問題の文章が充分, 正確でない”という点が指摘できます。“オートクレーブ”という言葉が極,
慣用的に使用されています。出題者は通常よく使われる2気圧 (121℃) 15〜20分間の高圧滅菌を意味して問題を作成したものと思われます。この条件だと,
プリオンの感染性は失われません (有効でない)。しかし, オートクレーブをもっと広い意味でとらえると,
温度 (圧力) と滅菌時間を変化させることで滅菌される微生物の種類が変わってきます。プリオンが,
通常用いられるオートクレーブとは違う条件 (132℃, 1〜2時間) で著しく感染性が失われることは,
有名な教科書, 戸田新細菌学 (改訂32版), 856〜859頁に記載されています。ただ,
プリオンの感染性に関しては未だ不明な部分も多いことを理解してください。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/autoclave-prion.html
■ オキシドールの消毒効果
【質問】
某病院勤務の看護師です。オキシドールの消毒効果についてお教え下さい。ある資料では,
オキシドールはグルタラールに匹敵する高水準レベルの消毒薬とありますが, 本当でしょうか???
一般家庭では創部の消毒に使用していますが, 医療機材, 特にオートクレーブに対応出来ない機材の消毒には使用可能なのでしょうか???
可能であれば, どのように使用すればよいのでしょうか??? ご指導願えれば幸いです。
【回答】
日本において2.5〜3.5%の過酸化水素水は「オキシドール」と呼ばれ, 創傷・潰瘍部位などの消毒に使用されます。APICのガイドラインはクリティカル器具などに使用して滅菌を行える消毒薬を化学滅菌剤
(chemical sterilants) と呼び, 2〜3.5%グルタラール製剤への長時間
(例えば3〜10時間) 浸漬の他に, “6%安定化過酸化水素への6時間浸漬”, 過酢酸への浸漬をあげています。しかしながら,
「化学滅菌剤は適切な前洗浄が行われたとき, かつ有機物汚染, 接触時間, 温度, pHが適切なガイドラインに従っていたときのみ信頼がおけるものである」と注意を喚起しています。なお,
医療用器具消毒薬としての“安定化過酸化水素”は未だ日本で市販されておりません。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/oxydol.html
■歯科の消毒 (安全性と使用感)
【質問】
はじめまして。歯科医院に勤めています。消毒薬の件ですが, グルタラール製剤の発ガン性とかを最近聞きます。グルタラールは刺激があるけれども,「こういうもの」という感覚で使用しています。実際,
内視鏡消毒のようなことは歯科ではしていませんが, 最近メーカーなどからフタラール製剤,
過酢酸製剤と聞こえてきます。歯科では安全性より使用感の良いものを使い気味との指摘も受けましたが,
どうなのでしょう。過酢酸は「酢の強い臭い」と聞きますし, フタラールは滅菌はできないとも聞きますが・・・。
【回答】
医療器具の消毒に関しては, 高レベル消毒液であるグルタール製剤 (サイデックスなど)
が使用されておりましたが, 揮発性が強く, 室内環境を悪化させるなどの理由により,
最近では使用されなくなってきています。その代替品として登場したのがフタラール製剤 (ディスオーパ)
です。フタラール製剤はアミノ酸と反応して暗緑黒の発色をおこします。そのため残留したフタラール製剤が舌,
咽頭に同じような発色反応を起こす危険性があり, 場合によっては粘膜損傷の危険性も考えられます。そのため,
フタラール製剤の使用に関しては, 薬剤残留を防ぐために浸漬後, 十分に水洗いすることが重要です。殺菌効果としては,
グルタラール, フタラール, 過酢酸は同レベルと考えていいのではないでしょうか。使用する状況に応じて使い分けてかまわないと思います。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/sika-shodoku.html
■ エチレンオキシド (酸化エチレン) について
【質問】
はじめまして。エチレンオキシド (酸化エチレン) についてお尋ねします。
エチレンオキシド [(CH2)2O] が核酸やたんぱく質をアルキル化することで滅菌をするのはわかったのですが,
反応後のエチレンオキシドの生成物は何になるのでしょうか??? 水と反応するとエチレングリコール[(CH2OH)2]が生成されるのは調べられたのですが,
やはり滅菌した際もエチレングリコールができるのでしょうか???
またエチレングリコールの毒性や臭いについても調べられなかったので, お尋ねしたいと思います。宜しくお願いします。
【回答】
エチレンオキシドは構造的に (C-O-Cの結合が大きく歪められているため) 非常に活性の高い化合物です。殺菌機序は,
微生物のもつ核酸の水酸基 (OH-) やアミノ基 (NH2-) などの置換基と反応し,
C-O結合が開裂して環が開きます (結果的にアルキル化: R-OH + (CH2)2O
→ HO-CH2-CH2-O-R)。二次的生成物としては, エチレンクロロヒドリンやポリエチレンオキサイド・エチレングリコールなどがあります。
エチレングリコールの物性と毒性ですが;
物性: 無色, 甘味を持つ粘稠な液体。沸点が197.6度のため, 臭いに関する記載はありません
毒性: 不凍液として使用されているため注意が必要です。中枢神経症状として, 嘔吐,
うとうとする, 昏睡状態, 呼吸不全, 痙攣, 腎障害から無尿, 尿毒症から死にいたる場合もあります。
エチレンオキサイドを滅菌に使用することは「毒をもって毒を制する」ことであり, その化学的特性を十分に熟知していなければなりません。また,
滅菌後の残留ガスは人体に害をあたえる大きな要因であるので十分な注意が必要です。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/ethylene_oxide2.html
■ クレゾール石鹸液について
【質問】
愛知県の○×病院の細菌検査を担当しております。細菌検査6年くらいです。病床数は450床で,
外来は1500人/日くらいです。私は, 当院のクレゾール使用を廃止したいと考えております。理由は:
1. 使用する医療スタッフの人体に危険が大きい, 2. 排水に関して基準があるときいているという2点を耳にしたからです。最も大きい理由は1です。ただ,
薬剤部が「クレゾールは, 汚染物が混入したときの殺菌力が持続するから使いやすい良い消毒薬である。人体への害は,
どの消毒薬にもあるので, 同じことである」ということで, 汚物に汚染されたものに関してクレゾールを使用することを院内のマニュアルに載せています。反対するにも,
クレゾールに替わる消毒薬を提示しないと意味がありません。便などの消毒に効果のある消毒薬
(商品名で) を教えてください。
【回答】
クレゾール石けんは, 損傷皮膚から吸収されやすい特性があるため, ご指摘のとおり,
取り扱い次第ではスタッフに悪影響があるかもしれません。また, 廃棄に関しても水質汚濁防止法と下水道法により,
フェノール類として5 ppmの排水規制が定められています。以上の点から, 病院での使用が適切なのは「排泄物の消毒」などに限定されるでしょう。しかしながら,
本品の消毒力は有機物の存在するときも, ほかの多くの消毒剤と比べて, 効力の低下が少ない点や古くから効力の確認されている消毒薬であるため,
使用を全面的に廃止するのはいかがなものかと感じます。代替消毒薬としては, 次亜塩素酸ナトリウム液
(ミルトン), またはグルタラール (サイデックスなど) があります[http://www1.mhlw.go.jp/topics/touseki/tp0225-1_11.html#chapt2-11]が,
両薬剤ともそれぞれ毒性があります。消毒薬の選択においては, 危険だから使用しないのではなく,
適正に使用することが大切なのではないでしょうか
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/cresol2.html
■ 有効塩素と残留塩素の違い
【質問】
私は液体調味料の製造会社で品質管理をしております。早速質問させていただきます。
“有効塩素”と“残留塩素”の違いがわからないので教えてください。次亜塩素酸ナトリウムで製品を充填する機器などの殺菌を検討しております。宜しくお願い致します。
【回答】
殺菌効力のある塩素系薬剤を“有効塩素”といいます。塩素系薬剤が水に溶解した時にできる次亜塩素酸
(HOCl) や次亜塩素酸イオン (OCl−) も有効塩素です。一方, 水に溶解した場合に塩化物イオン
(Cl−) となるNaClなどの無機塩化物や有機化合物と結合した有機の塩素化合物の大半は反応性がないため,
有効塩素ではありません。
有効塩素が水中で殺菌作用を起こしたり, 汚染物と反応したり, 紫外線の作用で分解した後に,
なお残留している有効塩素を“残留塩素”といいます。残留塩素には, 遊離塩素と結合塩素があり,
次亜塩素酸 (HOCl) や次亜塩素酸イオン (OCl−) を遊離塩素と呼び, クロラミンを結合塩素と呼びます。遊離塩素,
遊離型塩素, 遊離有効塩素, 遊離残留塩素などの用語はすべて同じ意味で使われています。
次亜塩素酸ナトリウム (Sodium Hypochlorite) は殺菌消毒剤として,
飲料水, 果実・野菜の消毒, 乳製品製造を始め, 各種食品の製造過程において装置,
器具などの消毒に広く用いられています。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/yuukou_enso.html
■ 歯科領域での感染予防対策
【質問】
病院に勤める歯科衛生士です。当院は, CDCのガイドラインに沿って感染予防対策を行っております。以下の3点についてお聞きします。
(1) イソジンなどの綿球つぼ, アルコール綿を毎日交換することの根拠について: 綿球つぼはディスポ製品を使用し,
毎日交換しています。アルコール綿はワンショットプラスで, 24時間で廃棄していますが,
今後1枚ずつのパックになる予定です。薬液を継ぎ足したり, 開封後24時間以上経過したアルコール綿を使用した場合,
細菌が増殖するという根拠はあるのでしょうか。
(2) クリティカル器具を滅菌する前に, 以前はグルタールアルデヒドなどに浸してから洗浄し,
滅菌していました。現在は, 一時消毒なしに流水で洗浄後, 滅菌するという方法に変更になっています。洗浄時は,
手袋・マスク・ディスポガウンを着用していますが, 洗浄中の針刺しなどで, 感染の危険はないでしょうか。
(3) 歯科におけるスタンダードプリコーションをどうしたらよいか, 試行錯誤しています。患者の口腔内に入れる器具で,
滅菌できないものもあります。また, 開業医レベルの人員で, コストのかからない感染予防対策を実行するにはどうしたらよいのでしょうか。
【回答】
(1) 結論から申し上げると,「薬液を継ぎ足したり, 開封後24時間以上経過したアルコール綿を使用した場合,
細菌が増殖する」という根拠は見つけきれません。もちろん, 「適切に使用されていなかったアルコール綿が汚染されたことによる病院感染が発生し,この場合,
アルコールの揮発による濃度低下が指摘されています」という記載はあります。しかし,例えばワンショットプラスと同等と思われるヨシダ製薬の一体成型ポリチャック付パッケージ製品“エコ消エタ綿A”のパンフレットに,その製品と万能つぼを使用した場合のエタノール濃度を比較したデータがあり,その製品のエタノール濃度は低下しないものの,
万能つぼのそれは低下したとしていますが, 後者でもその値は7日後に85%でした。エタノール使用濃度としては60〜90w/w%が適当であるとされていますので,
万能つぼでもそう簡単にその濃度が低下することはないように思います。そのため, よほど“不適切に”使用しなければ,
細菌が増殖することはないのではと考えます。
(2) ご質問の趣旨がよくわからなかったのですが, 強いていえば, 次のことがいえると思います。針などの尖った器具は洗浄を行わずに廃棄する場合が多いと考えられますが,
洗浄を行わねばならない場合は洗浄中の針刺しによる感染の危険はあるでしょう。ただし,
針刺しによる感染はそれに付着している血液の量に関連 (比例) するようですから, 洗浄時は血液の濃度が薄まっていると考えられるため,
刺した場合に体内に入る血液量は極端に少ないと予想しています。
(3) コストのかからない感染予防対策を実行するにはどうしたらよいか, という問題は,
国立大学病院において仕事をしている私たちも含め, 皆悩んでいると思います。もちろん時には,
うまくいっているなと思う事例もあります。下に紹介する本の目的は“資源が限られている状況下で,
院内感染防止・管理を行うための枠組みを提供する”ことにあるそうです。私自身, 全部を読みこなしているわけではないので,
有用であるかもしれないとしかいえませんが。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/kansen_sika.html
■ 強酸性水について教えてください
【質問】
私は歯科医院に勤務している歯科衛生士です。強酸性水の効果についてお伺いします。
あらゆる細菌やウイルスに威力を発揮するというデータを多く目にします。今現在, ミラーやゴム材の高圧蒸気滅菌できないものをグルタラールアルデヒドに頼っていますが,
強酸性水がグルタラールアルデヒドと同じ位の効果を発揮するのであれば, これらの器材を強酸性水に置き換えていく事は可能なのでしょうか???
もし有効なのであれば, 最大限に強酸性水の効果を発揮させる為にどのように洗浄し, 何分くらい浸す必要があるのか教えてください。また芽胞菌への効果は賛否両論のようなのですが・・・。
是非 回答を宜しくお願いします。
【回答】
強酸性水は実験的に試験管内 (in vitro) ではさまざまな微生物を死滅させますが,
臨床応用した場合には, 蛋白の共存するものについては短時間で失活してしまい, 効果がありません。すなわち,
器具の消毒のために浸漬するのは基本的に効果がなく, お勧めできません。流水で洗う方法であれば,
効果が期待できますが, お尋ねの器材の洗浄・消毒には無効とお考えください。(ご存知と思いますが,
現在適用されているのは, 手洗いと内視鏡洗浄です)
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/kyousansei.html
■ 芽胞形成菌と院内感染, 滅菌
【質問 (その1)】
芽胞を形成する菌はほとんどが嫌気性菌だと思いますが, 病院内で医療器具が芽胞形成菌に汚染されたと考えられる患者さんへの感染報告はどのくらいなのでしょう???
芽胞形成菌で病院のリスクとなる代表的な菌種は何ですか??? あまり心配は要らないのでしょうか???
【質問 (その2)】
中央材料室に勤めている方からよく質問されます。何故滅菌しないといけないのか???
EOGなどを使用すると人体にも影響が出るし, ランニングコストが高い。パスツール殺菌ではいけないのか???
これまで院内感染の原因が芽胞形成菌による事例はありますか??? もし事例がなければ,
医療器具は75℃, 30分のパスツール殺菌で十分なのではないでしょうか???
【回答】
医学的に重要な芽胞菌は, 偏性好気と通性嫌気菌を含むBacillus spp.と偏性嫌気性菌のClostridium
spp.と考えていいでしょう。芽胞形成菌でしばしば病院内感染を起こす芽胞菌には, Bacillus
subtilis(BS), Bacillus cereus(BC), Clostridium
perfringens(CP), Clostridium difficile (CD)などがあります。
BSやBCは, 環境中にふつうに見られる菌で, 免疫不全の患者さんに敗血症を起こすことがあります。従って,
通常無菌の部位に使用する医療器具は胞子を殺すことができる滅菌, 加熱滅菌できない材料でも胞子をも殺菌できるような高度なレベルの消毒法が必要です。免疫不全状態の患者さんに使用する医療器具をパスツリーゼーションですませるというのはとんでもない話です。
CPやCDは糞便中にみられる嫌気性菌で,, 特にCDは抗生物質治療を受けているような抗菌薬関連下痢症や偽膜性腸炎
(Clostridium difficile: CD症ともいいます) の原因になる菌として知られています。CD症で下痢をしている人の病室やそのひとが使用するトイレなどは,
CDの胞子で汚染されているのです。医療従事者の手にCDの胞子がついていることがあります。口腔や粘膜表面で使用するような医療器具がこの胞子で汚染していると,
抗菌薬関連下痢症状や偽膜性腸炎の原因となり, さらに医療従事者が介する交差感染により,
アウトブレイクが起こることがあります。また最近, 高齢者の入院患者さんで, 消化管に異常がみられないにもかかわらず,
血液中からCDが分離される例が報告されていますので, BSやBCの場合と同じように,
汚染した医療器具が原因となっている可能性も十分考えられます。
とにかく, 酸素に弱い嫌気性菌でも, その芽胞は大気中で長期間生きていますし, 酸化還元電位が低い傷口などにつくとすぐ増殖可能ですので,
十分注意して下さい。病院内で医療器具が芽胞形成菌に汚染されたと考えられる患者さんへの感染報告は多いのかという質問には,
CDによるアウトブレイク例はたくさんありますとお答えしておきます。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/gahou_keiseikin.html
・超音波洗浄機の正しい使い方
その中でも再使用する注射器外套等の凹形状の洗浄については細心の注意が必要です。
超音波洗浄は強力な洗浄力がありますが“洗浄ムラ”が多く、例えば洗浄カゴに何段にも積み重ね入れた場合、低部発振タイプは底にある数点は超音波が直接あたり(必ず洗浄途中に器具を反転させ全面に超音波にあたるようにしなければなりません)キャピテーション効果を期待できますが、それ以外はキャピテーション効果は期待できません。キャピテーション効果が期待できる洗浄対象は金属・ガラスです。
消毒の基本
強酸性水はウイルスに対しても消毒効果があり、さらにグルタラール製剤のような毒性がなく扱いやすい優れた電解水です。
しかし有機物(脂質、タンパク質)が残存しておれば消毒効果は期待できません。 洗浄工程に化学的洗浄(界面活性)が採用され有機物が完全に除去されていることが条件です。
もし化学的洗浄(界面活性)工程のない装置なら悲惨な結果になります。
グルタラール・アルデヒド消毒薬のガスは有毒です。有毒ガスに被曝しない方法で消毒作業しなければなりません。
最後に 「病院がそなえておくべき第一の必要条件は、病院は病人に害を与えない事である」ナイチンゲール
http://www.d1.dion.ne.jp/~jamec/kouen/index.html
院内消毒液についての検討
一応、業者さんよりのお薦め資料を添付します。
●タイフレッシュ・エース(太平化学産業)
・器具類を錆からがっちりガード
・血液、脂肪、バクテリアなどに優れた洗浄効果がある。
・人に優しい成分
・イルガサンDP300配合
<使用方法>
・小器具類は原液〜10倍稀釈液に10分間以上、一般器具類は30〜50倍稀釈液に30
分間以上浸してください。
・超音波洗浄器には、100倍稀釈液をお使いください。
・清拭の場合は、原液〜10倍稀釈液をガーゼまたは布に浸してお使いください。
・使用後は水洗い、水きりを十分に行ってください。
・使用液はできるだけ毎日取り替え、常に新しい状態でお使いください。
4リットル入り 8,050円
●ウィルクリーン(東豊薬品)
Rawlins等により合成された第四級アンモニウム化合物である塩化ベンゼトニウムは、陽イオン界面活性剤で逆性石鹸とも呼ばれ、殺菌消毒作用が強く、速効性で比較的組織刺激性が少なく、有効濃度では無色、無臭で芽胞のない細菌、カビ類に広い抗菌スペクトルを有します。
本剤は、歯科用小器具の消毒剤として防錆剤を配合し、金属器具を腐食させない殺菌消毒剤です。
本品100ml中
塩化ベンゼトニウム 0.2g(0.2%)
添加物として安定剤ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、防錆剤ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトを含みます。
<用法・用量>
塩化ベンゼトニウム0.1%溶液(本剤を常水で2倍に稀釈)に10分間浸漬する。厳密に消毒する際には、器具を2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後、塩化ベンゼトニウム0.1%溶液中で15分間煮沸します。
価格4リットルで3,800円
日本歯科薬品から出ているラスノンメディカル液と成分は同じ塩化ベンゼトニウムで、歯科用小器具の消毒剤で、防錆剤の配合もされていて、お薦めだそうです。
歯科診療室で使用頻度の高い消毒剤と使用法
※揮発性があるため当院では扱ってません |
ステリハイド
ステリハイドL
デントハイド
サイデックス |
器具消毒 |
一般細菌
0.5%溶液10〜30分
HIV 2%溶液 10〜30分
HBV 2%溶液 30〜60分 |
次亜塩素酸
ナトリウム |
ミルトン
ピューラックス
タイクロン
テキサント |
器具消毒 |
HIV 0.05〜0.5%溶液 10〜30分
HBV 0.1〜1%溶液 60分 |
手指消毒 |
HIV.HBV汚染手指を約10秒間浸漬 |
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イソジン液
手術用イソジン
イソジンガーグル |
手指・皮膚消毒 |
手指・皮膚7.5%〜10%溶液浸漬、塗布 |
口腔内消毒 |
口腔粘膜・5%溶液塗布 |
含嗽・洗口 |
7%液2〜4mlを60mlの水で稀釈して使用 |
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ヨードチンキ
希ヨードチンキ |
手術部の消毒 |
5%消毒 |
口腔内局所の消毒 |
1.5%溶液を局所に塗布 |
エタノール |
消毒用エタノール |
器具消毒 |
浸漬 |
手指消毒 |
手洗後1〜2分間浸漬、噴霧、塗布 |
逆性石鹸 |
オスバン液
ハイアミン液 |
器具消毒 |
0.1%10分間浸漬 |
手指・皮膚消毒 |
0.05〜0.1%に約30秒間浸漬 |
グルコン酸クロルヘキシジン |
ヒビテン液
ヒビスクラブ
マスキン液
ベンクロジト液 |
手指・皮膚消毒 |
手指 0.5%水溶液に30秒以上浸漬
皮膚 0.5%加エタノール溶液 |
器具消毒 |
0.1%溶液に10〜30分間浸漬 |
医療用具の消毒
消毒用エタノール |
消毒用エタノール 原液に浸漬
イソプロパノール 50〜70%溶液に浸漬
注意
血清・膿汁等のたんぱく質を凝固させ内部まで浸透しないことがあるので、これらが付着した医療器具に用いる場合、十分に洗い落として使用すること。
合成ゴム製品、合成樹脂製品、光学器具、鏡器具、塗装カテーテル等には変質するものがあるので、長時間浸漬しない。
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イソプロパノール |
塩化ベンザルコニウム
・ オスバン
・ デアミトール
・ ムロゾール
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通常0.1%溶液に10分間浸漬。厳密に消毒する場合には、器具をあらかじめ2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後、本剤の0.1%溶液中で15分間煮沸する。
歯科用器具消毒剤として販売されているムロゾールとアグサールは金属器具のさびを防止する目的で亜硝酸ナトリウムとラスレスがそれぞれ添加してある。 |
塩化ベンゼトニウム
・ ハイアミン液
・ アグサール
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塩酸アルキルポリアミノエチルグリシン
・テゴー51
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0.05〜0.2%溶液に10〜15分間を浸漬する |
グルコン酸クロルヘキシジン
・ 5%ヒビテン液
・ ヒビテン・グルコネート液
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通常の場合、0.1%溶液に10〜30分間浸漬する
グルコネート液の稀釈に水道水等の常水を使用すると難溶性の塩を生成し効力が低下することがてるので、稀釈液の調整には新鮮な蒸留水を使用することが望ましい。
5%ヒビテン液では含有される界面活性剤が、長期保存の間に接着剤を侵すことがあるので、接着剤を使用してある器具の長期保存には使用しない |
次亜塩素酸ナトリウム
・テキサント
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通常の場合0.02〜0.05%溶液に1分間以上浸すか、又は温溶液を用いて清拭する。
腐食されるので金属類には使用しない。ステンレス製品の場合でも長時間浸漬しない。
原液または濃厚液が付着した場合には刺激症状を起こすことがある
稀釈液は用時調整すること |
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クレゾールとして0.5〜1%溶液による浸漬又は清拭を行い、2時間以上放置する
皮膚、粘膜に刺激作用があるので、皮膚、粘膜に付着しないようにし、付着した場合には多量の水で洗い流す。蒸気は呼吸器粘膜に刺激作用があるので吸入を避ける |
※揮発性があるため当院では扱ってません |
2%実用液の調整 2%液1リットルに対し、緩衝化剤を加える。又は20%液100mlを精製水900mlに除除に加え、さらに緩衝化剤を加えて製する。
調態した2%実用液を微生物もしくは有機物により高度に汚染された器具または皮下組織、粘膜に直接適用される器具の化学的殺菌、およびHBウイルスの汚染が予想される器具の消毒に用いる。消毒時間は、体液等の付着した器具では1時間以上、体液等の付着していない器具では30分以上とするが、液に器具が完全に浸漬するように注意する。浸漬後、取り出した器具類は、付着物があれば除き、多量の滅菌水で十分洗浄する。使用目的によっては水道水等の常水を使用することもできる。
皮膚に付着すると発疹、発赤等の過敏症状を起こすことがあるので、液を取り扱う場合にはゴム手袋などを装着すること。また、皮膚に付着したときは直ちに水で洗い流すこと。
本剤の蒸気は粘膜を刺激するので、吸入又は接触しないように注意すること。又浸漬にはふた付容器を用い、使用中はふたをすること。
眼鏡等の保護用具をつけるなど、眼には入らぬように十分注意して取り扱うこと。
細孔のある器具は液と十分接触させ、浸漬後の洗浄にも注意すること。
緩衝化剤添加後の実用液は不安定なので、調整後は直ちに使用すること |
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片手で使える薬液ディスペンサー
16.ワンタッチ!一滴君
2012.7.23
清掃簡単・薬液汚染ゼロ・電源不要
■ブローチやピンセットを持った手の小指側で滴下レバーを押すと、薬液が正確に一滴ずつ綿繊維や綿球に滴下されます。薬液を微量に無駄なく使え、非接触のため汚染はゼロです。薬液受け皿に滴下しておくこともできます。
■5個の滴下レバーは、長さや水平角度を自由に調節できます。
■薬液ビンのシリコンキャップは、5個別々の色です。薬液の種類が直感的に判ります。薬液ビンをセットする薬液ビン固定座も、シリコンキャップに対応した5色になっています。
■本体は丈夫で錆びないステンレス製(一部樹脂製)で、清掃・洗浄も容易な構造です。
■電動式に負けない精度と使いやすさで、電動式よりはるかに低価格です。
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WFでは、症状の程度によって、慢性炎症も大きくなければ、MTAプロルートセメントや、スーパーボンドを用いた、接着を試みて保存して経過を見る場合もあり、その予後は、50%くらいです。