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医療事故「刑事罰対象外」、第三者機関が調査 医師会が提言


  日本医師会は13日、診療行為に関連した事故は原則として刑事司法の対象とせず、各病院の院内事故調査委員会や医療関係者で作る「第三者的機関」が原因究明と再発防止に向けた調査をするとした提言を発表した。

 一方、厚生労働省は今夏にも、医療事故の患者らを救済するため医師の過失の有無に関わらず補償金を支払う「無過失補償制度」の創設に向けた検討会を設置する方針で、09年の政権交代後、停滞していた医療事故への対応を巡る議論が約3年ぶりに動き出しそうだ。

 提言では、全ての医療機関に院内の委員と外部有識者らで構成する院内事故調の設置を求めた。小規模病院や診療所は医師会や大学が協力。死亡事故で院内事故調の能力を超える事例は医師会や学会のメンバーで構成する第三者的機関が調査。遺族が直接、同機関に調査請求することも可能とした。【佐々木洋】

2011.07.14 提供:毎日新聞社




国民に防護ライン示せ 被ばくリスクに向き合う 武田邦彦・中部大教授


 放射線被ばくのリスクとどう向き合うか-。武田邦彦(たけだ・くにひこ)中部大教授は、福島第1原発事故の発生以来、子どもを持つ親に向けてインターネット上で放射線から身を守る方法についての執筆を続ける。元旭化成ウラン濃縮研究所長で、事故前は「安全な原発なら推進」との立場だった同教授は今、「国の防護政策は甘すぎる」と警鐘を鳴らす。

    ×   ×

 -インターネットで情報発信を始めた理由は。

 「国は原発からの距離に応じて住民退避の是非を判断していた。しかし、重要なファクターは風の影響のはず。これはいかんと思い、執筆を始めました。原子力技術者として事故に責任を感じており、正しい情報を発信して償おうと考えた」

 -文部科学省は児童、生徒が浴びる放射線量について、4月に「年20ミリシーベルトを下回れば平常通りに活動できる」としたが、5月末には「年1ミリシーベルト以下を目指す」との目標を示した。教育現場は混乱している。

 「国際放射線防護委員会が示す年間被ばく量の上限『年1ミリシーベルト』の基準を変えてはならない。放射線で被ばくするという"損失"があるなら、その損失に対して"利益"が上回る必要がある。年1ミリシーベルトの場合の発がんリスクが、原子力による電力供給で国民が得るメリットと相殺されるという考えから、年1ミリシーベルトが国際的な合意となったのだから、もし年20ミリに上げるなら、メリットも20倍にならないと駄目。その議論を十分にしないまま、文科省が年20ミリシーベルトとした罪は大きく、親が納得できなくて当然だ」

 -幼い子を持つ親たちが放射線量を自主的に測定し始めた。

 「非常に評価すべきだ。追随する形で自治体が細かな計測を始めたが、本来なら家庭よりも先に動かなくてはならなかった。気になるのは、子どもへの放射線の影響を気にする親を、神経質などと異端視する社会の風潮。子どものために産地を気にして食品を購入するのは自然なことであり、非難してはならない。給食について不安ならば、学校に食材の産地を明示してもらいましょう」

 -食べることで被災地の生産者を助けようとする動きがあるが。

  「人助けと、自分の体への影響の問題は、切り離して考えなくてはならない。生産者の損失は経済的なものだが、消費者が食べることのリスクは健康に響く。食品の安全性が確認できず、被ばくの恐れがあるならば、当然、注意が必要だ」

  -風評被害を防ぐべきだという声も強い。

 「『風評被害』という言葉が独り歩きしたことが問題。食べ物からセシウムなどの放射性物質が検出されたんだから『風評』ではなく『実害』のはず。その賠償は消費者ではなく、東京電力に負わせなくてはならない」

 -では、安全な食べ物とは何か。継続して摂取しても年1ミリシーベルトを超過しない作物ということか。

 「そうです。正確に言えば、食べ物だけでなく、外部被ばくも含めたトータルの値で、原発事故による被ばくを年1ミリシーベルト以内にとどめないといけない。国には国民の健康を守る決意を持ち、1ミリシーベルト以下にとどめるための日常生活での防護ラインを示してほしいですね」

    ×   ×

 たけだ・くにひこ 43年東京都生まれ。専門は資源材料工学。08年から内閣府原子力委員会専門委員を務める。著書に「子供を放射能汚染から守りぬく方法」など。


2011.07.12 提供:共同通信社

 


 

恐怖記憶つくる仕組み解明 「心の傷」薬の糸口にも


ある場所で怖い体験をすると、その場所を再び訪れた時にそのことが思い出される-。そんな恐怖体験の記憶がラットの脳にある「海馬」という部分でつくられる仕組みを、横浜市立大の高橋琢哉(たかはし・たくや)教授(生理学)らのチームが明らかにし、11日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。

こうした記憶が強く刻まれた「心の傷」に対する薬を開発する糸口になると期待される。

高橋教授らは、明るい部屋と暗い部屋に分かれ、暗い部屋に入ると電気ショックが与えられる装置にラットを入れた。

ラットは電気ショックを嫌って暗い部屋に行かなくなるが、この時、脳の神経細胞同士の情報のやりとりをするシナプスでは、神経伝達物質のグルタミン酸を受け取る「GluR1受容体」が細胞の内部から表面に移動し、情報が伝わりやすい状態になっていた。

一方、受容体の移動を邪魔すると、恐怖がきちんと記憶されないため、ラットは一度は暗い部屋を敬遠するものの、すぐに再び暗い部屋に入ろうとした。 この仕組みを利用すれば、いったん嫌な記憶が定着しても、受容体の移動をむしろ促進して別の記憶による"上書き"を進め、心の傷を残さないような薬に結び付けられる可能性もあるという。



2011.07.12 提供:共同通信社

 


親が受けたストレス、子に遺伝…理研グループ


 外からのストレスで遺伝子の働きが変化する仕組みを、理化学研究所の石井俊輔主任研究員らのグループがあきらかにした。こうした遺伝子の「働き」の変化は、子に遺伝することもわかった。米科学論文誌「セル」に発表した。

 遺伝情報は、「塩基」とよばれる物質の並びとしてDNAに刻まれている。たとえばトウモロコシの実の色は、基本的にはこの塩基の並び方で決まる。気温や日照時間の異常といったストレスが加わると遺伝子の働きが変化し、ストレスが取り去られても、その影響が子に伝わることが知られている。だが、その変化の仕組みがわかっていなかった。

 DNAは、ヒストンというたんぱく質の塊に巻き付いている。石井さんらは、塩基の並びに変化がなくても、その巻き付き方の違いで、遺伝子が働いたり働かなかったりする仕組みに着目した。白い目のショウジョウバエの卵をお湯につけてストレスを与えると、「ATF2」というたんぱく質が活性化してDNAの巻き付きが緩むことを発見。緩んだ結果、赤い色素を作る遺伝子が働くようになり、生まれてくるハエは目が赤くなった。

 そして、この巻き付きの緩さは子に遺伝した。目が赤くなったショウジョウバエの子も目が少し赤くなったが、孫の世代では白い目に戻った。一方、親と子に続けてストレスを与えると、目の赤さは孫、ひ孫、やしゃごまで残った。

 石井さんは「ストレスが生活習慣病や精神疾患を引き起こすメカニズムをあきらかにして、病気の予防などにつなげたい」と話している。



2011.07.14 提供:共同通信社

 


たばこ:禁煙法施行、31カ国に WHO報告書


  【ジュネーブ共同】たばこの健康被害を訴える世界保健機関(WHO)は7日、ほぼすべての公共の場所で喫煙を禁止する法律を施行している国が2010年に31カ国に上り、08年と比較して16カ国増加したとの報告書を発表した。

 31カ国の人口は計約7億3900万人。特に中所得国で取り組みが強化されている。日本は31カ国に含まれていないが、WHOは日本について「たばこの値上げで禁煙に向けた一定の成果が出ている」としている。

 WHOの推計によると、たばこが原因とみられる死者は年間600万人近くで、受動喫煙によるとみられる死者はうち60万人。対策を講じなければ、たばこに関連する世界の死者数が30年までに年間800万人に達する恐れがあると警告している。
   ほかに対策が進んでいるのは、たばこのパッケージでの健康被害の警告。警告を義務付けているのは19カ国で、07年と比べ9カ国増えた。

 WHOは、たばこ規制枠組み条約の締約国に対し、禁煙治療への助成や広告規制、増税など、さらに働き掛けを強めるよう求めている。

2011.07.08 提供:共同通信社

 




たばこ増税検討、1箱最大50円…復興財源に もっと上げて良いと思う。

たばこ増税検討、1箱最大50円…復興財源に

 政府が、東日本大震災からの復興策の財源として、たばこ税率の引き上げを検討していることが6日わかった。

 菅首相の諮問機関である「東日本大震災復興構想会議」の提言を受け、政府は所得税、消費税、法人税の「基幹税」を臨時増税して復興財源を賄う方針だが、大幅な増税には強い反発が予想されるため、国民の反発を比較的受けにくいたばこ税の増税も検討対象に加えることにした。

 政府内には、たばこ1箱当たり最大50円程度増税し、増収分を全額、復興財源に充てる案が出ている。早ければ来年度から実施したい考えだ。1箱50円増税した場合、販売量が減らなかったと仮定すれば、最大で年2000億円規模の増収になるとみられる。

 たばこ税は2010年10月にも1本あたり3・5円増税され、メーカーによる本体価格の引き上げと合わせ、1箱当たり平均で100円を超える値上げが行われた。

2011.07.07 提供:読売新聞

 


リンゴ病大人もご用心 4年ぶり流行 関節痛、流産リスク

 頬が赤くなることから「リンゴ病」の名で知られている「伝染性紅斑」が流行している。国立感染症研究所によると、6月20〜26日の週の定点医療機関当たりの患者報告数は1・47となり、平成4年以降で最も多くなった。感染研は「流行のピークは7月。発疹などの症状が出る前の数日間に一番感染力があるので気をつけてほしい」と注意を呼びかけている。

 リンゴ病は夏に患者報告数が増加。定点当たりの報告数は、昭和57年の調査開始以降、62年に1・58、平成4年に1・56を、それぞれ流行のピークに記録しているが、今回の1・47はこれに続く数値。

 都道府県別で見ると、最も多いのが宮崎で3・92。群馬が3・16▽栃木が3・13▽埼玉が3・03と続く。感染研では「リンゴ病はほぼ4〜6年周期で患者報告数が増加する。昨秋以降、患者報告数は例年より高い水準を継続しており、今年は4年ぶりの流行となった。報告数は平成4年以来19年ぶりの高い数値になっている」と説明する。

 潜伏期間の10〜20日が過ぎると、頬が赤くなり、手足にレース状の発疹ができる。治療法がなく、対症療法で対応するしかない。
  
  子供は重症化する例は少ないが、成人の場合は強い関節痛を伴うこともあり、妊婦が感染すると流産を引き起こす原因にもなる。また、溶血性貧血の患者は貧血の症状が重くなるほか、免疫不全の患者では慢性感染になることもある。

 主にせきやくしゃみなどの飛沫(ひまつ)や接触によって感染するが、周りの人にうつすのは、頬が赤くなったり発疹が出たりする前の数日間で、発症後は感染力はほぼ消失している。

 感染研は「例年より高い水準で夏のピークを迎える。保育園や幼稚園、小学校などで流行している場合、終息するまでの間、特に妊婦は感染に気をつけてほしい」としている。

◆伝染性紅斑
 伝染性紅斑(Erythema infectiosum)は第5病(Fifth disease)とも呼ばれ、頬に出現する蝶翼状 の紅斑を特徴とし、小児を中心にしてみられる流行性発疹性疾患である。両頬がリンゴのよう に赤くなることから、「リンゴ(ほっぺ)病」と呼ばれることもある。本症の病因は長く不明であっ たが、1983年にヒトパルボウイルスB19(human parvovirus B19:以下B19)であることが提唱さ れ、その後の研究によって確実なものとなった。病因が明らかになったことに伴って、本症の周 辺には多くの非定型例や不顕性感染例があること、多彩な臨床像があることなども明らかになった。

疫 学
 感染症発生動向調査(1981年7月から)によると、1987年、1992年、1997年、2001年とほぼ5年 ごとの流行周期で発生数の増加がみられている。年によって若干のパターンの違いはあるもの の、年始から7月上旬頃にかけて症例数が増加し、9月頃症例が最も少なくなる季節性を示す が、流行が小さい年には、はっきりした季節性がみられないこともある。同調査で得られた患者 の年齢分布(5歳毎)では5〜9歳での発生がもっとも多く、ついで0〜4歳が多い。小児科定点疾 患としての調査であるため、成人における発生状況の詳細は不明であるが、臨床の場ではし ばしば経験され、看護学生・看護師などの病院内感染による成人での集団感染事例の報告もある。


病原体
 単鎖DNAウイルスの、パルボウイルス科パルボウイルス亜科エリスロウイルス属に属するヒト パルボウイルスB19である。正式名称としてエリスロウイルスB19が提唱されているが、ヒトパル ボウイルスB19(または、単にパルボウイルスB19)の名称が依然として一般的に用いられている。 レセプターは赤血球膜表面にあるP抗原で、P抗原保有細胞、特に赤芽球前駆細胞に感染し、 増殖する。

臨床症状

写真1.両側の頬に出現した蝶翼状の発疹 写真2.上肢伸側に出現した発疹

 10〜20日の潜伏期間の後、頬に境界鮮明な紅い発疹(蝶翼状−リンゴの頬)が現れ(写真1)、 続いて手・足に網目状・レ−ス状・環状などと表現される発疹がみられる(写真2)。胸腹背部 にもこの発疹が出現することがある。これらの発疹は1 週間前後で消失するが、なかには長引いたり、一度消 えた発疹が短期間のうちに再び出現することがある。成人では関節痛・頭痛などを訴え、関節炎症状により1〜2日歩行困難になることがあるが、ほとんどは合併症をお こすことなく自然に回復する。なお、頬に発疹が出現す る7〜10日くらい前に、微熱や感冒様症状などの前駆症 状が見られることが多いが、この時期にウイルス血症を おこしており、ウイルスの排泄量ももっとも多くなる。発疹 が現れたときにはウイルス血症は終息しており、ウイルス の排泄はほとんどなく、感染力はほぼ消失している。通常は飛沫または接触感染であるが、ウイルス血症の時期に採 取された輸血用血液による感染もある。

伝染性紅斑は当初異型の風疹として発表され、その後独立疾患であることが確立された。これまでも、伝染性紅斑は風 疹の流行時期と重なることが少なくなく、典型的な伝染性紅斑 では臨床診断を誤ることはないが、非典型例では風疹との鑑 別が困難である。英国において行われた血清調査では、風 疹と診断された患者の半数がB19感染であったことが述べら れている。また不顕性感染があり、特に成人に多い。さらに、 成人では発症しても典型的な発疹を伴う頻度が低く、風疹と 診断されている例は小児より多いと推察される。

B19感染像の拡がり−伝染性紅斑のみではないB19感染症
伝染性紅斑は典型的なB19感染症の臨床像であるが、B19感染症の臨床像は単に伝染性紅斑にとどまらない。溶血性貧血患者がB19感染を受けると重症の貧血発作(aplastic crisis)を生ずることがある他、関節炎・関節リウマチ、血小板減少症、顆粒球減少症、血球貪食症候群(VAHS/HPS)や、免疫異常者における持続感染なども伝染性紅斑に合併、あるいは独立してみられる。

胎児感染−胎児水腫
B19感染症で注意すべきものの一つとして、妊婦感染による胎児の異常(胎児水腫)および流 産がある。妊娠前半期の感染の方がより危険であり、胎児死亡は感染から4〜6週後に生ずる ことが報告されているが、妊娠後半期でも胎児感染は生ずるとの報告もあり、安全な時期につ いて特定することはできない。しかし一方では、妊婦のB19感染が即胎児の異常に結びつくも のではなく、伝染性紅斑を発症した妊婦から出生し、B19感染が確認された新生児でも妊娠分 娩の経過が正常で、出生後の発育も正常であることが多い。さらに、生存児での先天異常は 知られていない。したがって、妊婦の風疹感染ほどの危険性は少ないが、超音波断層検査な どで胎児の状態をよく把握することが必要である。

血漿分画製剤からのB19感染リスク
厚生省薬務局発医薬品副作用情報によると、今般、各種血漿分画製剤中にB19DNAがPCR 法で検出されたとする文献が企業より報告されている。B19は他のウイルスに比べて加熱やフィ ルタ−などによる不活化・除去が容易でないため、製剤中への混入の可能性を否定し得ない こと、また、B19ウイルス感染症が一般的には予後良好であるものの、一部の患者に感染した 場合には重篤な症状を招くことがあるとされているため、血漿分画製剤の使用上の注意事項と して、ことに妊婦、溶血性・失血性患者、免疫不全患者、免疫抑制状態の患者に対する使用に あたって注意を喚起している。なお、免疫グロブリン製剤については、製剤中の抗体によって 感染性が失われている可能性も考えられるが、そのことを示す十分な根拠がないため、他の 製剤と同様に使用上の注意事項を変更している。

病原診断
ウイルスを分離することが病原診断の基本であるが、B19は骨髄、胎児肝、臍帯血などの赤芽球系前駆細胞と、一部の赤白血病細胞株でしか増殖できず、通常の組織培養を用いたウイルス分離培養は現在のところ困難である。PCR法による遺伝子の検出も可能であるが、B19を対象にする場合、健康保険による診療での制約がある。したがって、殆どの場合血清学的診断を行うが、ペア血清について酵素抗体法(ELISA)により特異的IgG抗体の上昇を確認するか、あるいは、急性期に特異的IgM抗体を検出することで診断する。

治療・予防
特異的な治療法はなく、対症療法のみである。免疫不全者における持続感染、溶血性貧血患者などではγ-グロブリン製剤の投与が有効なことがある。
前述したとおり、紅斑の時期にはほとんど感染力がないので、二次感染予防策の必要はない。また、ウイルス排泄期には特徴的な症状を示さないので、実際的な二次感染予防策はない。現在のところワクチンはない。妊婦などは、流行時期に感冒様症状の者に近づくことを避け、万一感染した場合には、胎児の状態を注意深く観察する。

感染症法における取り扱い(2003年11月施行の感染症法改正に伴い更新)
伝染性紅斑は5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約3,000カ所の小児科定点より毎週報告がなされている。報告のための基準は以下の通りとなっている。

  診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の2つの基準を満たすもの。
  1. 左右の頬部の紅斑の出現
  2. 四肢の網目状の紅斑の出現
  上記の基準は必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾 患が疑われ、かつ、病原体診断や血清学的診断によって当該疾患と診断されたもの。

学校保健法における取り扱い
伝染性紅斑は学校において予防すべき伝染病の中には明確に規定はされておらず、一律に「学校長の判断によって出席停止の扱いをするもの」とはならない。したがって、欠席者が多くなり授業などに支障をきたしそうな場合、流行の大きさあるいは合併症の発生などから保護者の間で不安が多い場合など、「学校長が学校医と相談をして第3種学校伝染病としての扱いをすることがあり得る病気」と解釈される。通常の学校などでの対応のめやすとしては、発疹が現れたときには感染力はほとんどなくなっているので、発疹のみで全身状態の良いものについては登校が可能であると考えられる。ただし急性期には、症状の変化に注意をしておく必要がある。
国立感染症研究所感染症情報センター 多田有希 岡部信彦)


2011.07.05 提供:産経新聞


「喫煙との闘い」開始 韓国軍

3ポイント減目指す


 【ソウル共同】韓国国防省は4日、一般人に比べて高い軍将兵の喫煙率を下げるため、5月から陸海空の各軍から100部隊を選び、禁煙に向けた集中的な取り組みを始めたことを明らかにした。昨年に比べ、軍全体で喫煙率を3ポイント減らす計画で、軍がこうした禁煙措置を推進するのは初めてという。

 同省によると、韓国軍の喫煙率は47・2%で、一般成人男性の39・6%に比べかなり高い。100部隊のうち、21部隊は「禁煙部隊」として部隊内を全面禁煙にし、全将兵が6カ月以上の禁煙を実施する方針。喫煙率を5%以下にするのが目標で、成功した部隊には賞金100万ウォン(約7万6千円)と運動用具が与えられる。

 残りの79部隊は余裕を持って禁煙を実践する「禁煙集中管理部隊」として、喫煙率を半分にするのが目標。


2011.07.05 提供:共同通信社

 



原子炉事故:7/5号 「火中の栗を拾う覚悟だった」
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長・山下俊一氏に聞く

 「現地の災害対策拠点が崩壊して、最初の1週間、ほとんど何も情報がなかった。福島県は、原発安全神話の中で生きていたので、何かあった時にはまず国に聞く。しかし、国に聞いてもタイムラグがあったり、別のところから情報が出てきたりして、現場は混乱の極み。そうした中で、誰も火中の栗を拾おうとはしなかった。結局、誰も動かなかったから、私が福島に行った。最初から非難を受けることは覚悟していた」

 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長の山下俊一氏に、去る6月14日、インタビューをしました(『「福島は心配ない」と言える理由はある』などを参照)。山下氏は3月半ばから、福島県放射線健康リスク管理アドバイザー、さらには福島県民健康管理調査検討委員会委員長として、福島第一原発事故に伴う放射線被曝の健康影響に関する啓発活動や県民の健康管理などに従事しています。

 「非難を受けることは覚悟していた」のは、そもそも東京電力や政府の出す情報が遅れ、不確かなものが多い上に、「低線量、長期間の被曝」による健康影響についてはエビデンスが乏しいため。こうした状況下で、放射線の専門家でない福島県民に健康への影響を説明するのは容易なことではありません。

 「最初は、クライシス・コミュニケーション、その後は、リスク・コミュニケーションに変わった」と山下氏。事故直後は、心理的にもパニック状態になりがちで、とにかく「安心」させることが先決だったそうです。確かな情報が乏しい中、「100mSvを超えないという自信がないと、“心配は要らない”とは言えなかった」と語る山下氏。その根拠の一つとなったのが山下氏のスタッフの個人線量計のデータ。3月15日から福島市などで活動したスタッフの場合、個人線量計による測定では、1日3〜4μSv、1週間で20μSv、当時の空間線量から予測した年間積算線量とは10倍以上のギャップがありました。

 4月に入ってからは「リスク・コミュニケーション」に移行しましたが、その方法には反省点も。福島の講演会では、会場で様々なビラが配られることがあるそうです。またインターネットやテレビ、新聞、雑誌などでは、放射線の健康影響に関する専門家の異なる意見が流れていますが、「正しいことを言えば、通じる、分かってくれる、と考えていた。しかし、実際には叩かれる。それをブロックしたり、ウソの情報、間違った情報をつぶすという考えは頭になかった」(山下氏)。

 最終的には、日常臨床と同様に、医療者が一対一で説明していく大切さを山下氏は説きます。「医師会の先生方がフロントラインで、診療の合間に、『放射線は心配ない』と言ってあげれば、地域は安定化します。医療は本来、一対一の関係で成り立つものであり、今回の問題もそれが基本だと思うのです」。

 来る7月15日、長崎・ヒバクシャ医療国際協力会(ナシム)主催の、放射線に関する正しい知識の普及を目的とした医療者向けのシンポジウムが東京で開催されます。山下氏とともに、福島県で活動する、長崎大学大学院教授の高村昇氏(『福島県放射線健康リスク管理アドバイザーとして』を参照)、長崎大学病院准教授の大津留晶氏らが参加します(詳細はこちら)。



【長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長・山下俊一氏に聞く】
Vol.1◆「福島は心配ない」と言える理由はある
水素爆発直後でも個人線量は1週間で約20μSv


Vol.2◆多様な発がんリスクをどう捉えるか
政府の情報開示のあり方には問題あり


Vol.3◆最初から火中の栗を拾う覚悟だった
“情報災害”に遭う福島県民を救うのが目的



2011.07.05 提供:m3.com


喫煙で前立腺がん死増加

 喫煙者は非喫煙者に比べて、前立腺がんで死亡する危険性が61%高いとの研究結果を、米ハーバード大などのチームが米医師会誌に発表した。10年以上の禁煙で、危険性は非喫煙者と同程度に下がるという。

  チームは、1986〜2006年に前立腺がんと診断された約5400人を追跡、死因と喫煙との関係を分析した。その結果、診断時にたばこを吸っていた人は、吸ったことのない人に比べ、前立腺がんによる死亡のリスクと、治療後の再発リスクが、ともに61%高かった。

  喫煙によって、より悪性のがんが発生したか、免疫が低下したことなどが考えられるという。

2011.07.05 提供:共同通信社




原子炉事故:45%の子どもが微量被ばく 
千人対象の甲状腺調査

自然状態との差は?微量という基準は?感受性が問題

 福島第1原発事故で、原子力安全委員会は5日までに、国と福島県が3月下旬に実施した15歳までの子ども約千人を対象にした調査で、約45%の子どもが甲状腺被ばくを受けていたことを明らかにした。ただいずれも微量で、安全委は「政府として精密検査の必要はないと判断した」と説明している。

 調査は3月26〜30日、福島県いわき市、川俣町、飯舘村の0〜15歳の1080人にサーベイメーターで実施。甲状腺被ばくは約45%でみられ、実測の最高値は、1歳児の年間甲状腺被ばく線量で50ミリシーベルトに相当する毎時0・1マイクロシーベルトだった。ほとんどは毎時0・04マイクロシーベルト以下で、年間被ばく線量に換算できないレベルだった。

 基準値として設定した毎時0・2マイクロシーベルトを超えた子どもは専門機関で精密検査を行う方針だったが、対象者はいなかった。

 この調査については、国際原子力機関(IAEA)に提出した報告書に記載があるが、基準値を超える子どもがいなかったことだけが説明され、詳細は示されていなかった。


2011.07.05 提供:共同通信社




原子炉事故:生活の注意点を発表 ホットスポットで政府

 福島第1原発事故で政府の原子力災害対策本部は30日、警戒区域や計画的避難区域の外でも局地的に放射線量が高い「ホットスポット」が対象となる「特定避難勧奨地点」で生活する際の注意点を発表した。

 前提として、通常の生活では1年間の積算線量が20ミリシーベルトに達する恐れは小さく「勧奨地点に継続して居住しても差し支えない」と強調。

 その上で(1)土や砂が口に入った場合は、よくうがいをする(2)帰宅時に靴の泥をできるだけ落とす―ことなどを列挙。農作業など屋外作業は最小限にとどめ、ほこりが多い場所での喫煙や飲食は避けるよう呼びかけた。

 同本部は、4月に公表した、計画的避難区域と「緊急時避難準備区域」での注意点も一部改訂。計画的避難区域では、家財道具の持ち出しなどで立ち入る際も「宿泊は決して行わない」ことを求めた。緊急時避難準備区域に関しては、夏場の半袖・半ズボンでの生活や、窓の開放、エアコンの使用は差し支えないとしている。

2011.06.30 提供:共同通信社

 


冷蔵庫でも生きているリステリア菌
妊婦食中毒、胎児死亡・脳障害に

 食中毒の季節。妊婦が感染すれば流産や早産を引き起こす病原菌がある。主に食べ物を介する「リステリア菌」だ。チーズやハムなど、口にすることが多い調理済み食品にも付着している。厚生労働省は「妊娠中はどんなものも火を通して食べて」と、注意喚起に力を入れている。【鈴木敦子】

 ◇低温でも増殖 多くの食品に付着

 ◇国内規制なし 妊婦は必ず加熱を

 リステリア菌は自然界に広く存在し、野菜や食肉、乳製品、魚介類から検出されている。東京都健康安全研究センターが00〜03年に市販食品を調べると、ソーセージや一夜干しのあたりめ、ぬか漬けきゅうりからも見つかった。

 世界保健機関(WHO)によると、リステリア菌による食中毒の発症は「100万人あたり0・1〜10人で比較的まれ」だが、「全症例の約40%が妊娠に関係しており、流産、早産、死産および新生児疾患の原因にもなる」という。妊婦は抵抗力が弱いため感染しやすく、胎児にもうつる可能性が高い。胎児の脳神経にダメージを与え、胎内で死亡したり、髄膜炎や敗血症を発症し、脳障害が残る例も確認されている。

 聖路加国際病院は10年9月、日本産科婦人科学会の学会誌に、妊娠20週の妊婦がリステリア菌に感染し死産した症例を発表した。妊婦は10日前から発熱し、来院時は38・8度と高熱だった。胎動が消え、子宮内で胎児が死亡していた。昭和大医学部も同誌に妊娠31週の妊婦(39)の感染例を報告。妊婦は約2週間前から風邪のような症状が出て、受診時は体温が38度を超えていた。胎児は髄膜炎や敗血症にかかり、水頭症も発症したという。

     *

 菌の危険性はほとんど知られておらず、一部の保健所は妊婦に注意を呼びかけている。東京都日野市が毎月開く「ママ・パパクラス」。栄養士が説明すると、多くが驚いた表情を見せた。

 「おしゃれな料理で出てくる生ハムや半生のチーズも気を付けましょう」

  参加者の池田雅子さん(35)は「妊娠中にかかりやすい食中毒があるとは全く知らなかった。刺し身は手軽なのでよく食べている。火を通して防げるなら、徹底したい」と話した。

 米国で98年、ホットドッグで101人が発症し21人が死亡するなど、欧米ではリステリア菌による集団食中毒が発生し、危険が知られてきた。日本ではリステリアの報告義務がないため、患者数は分からないのが実情だ。

 国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部の五十君(いぎみ)静信・第一室長は01〜02年、国内の2258病院・施設を調査し、95年以降のリステリアの年間発症者は83人、100万人あたりの発症率が推定0・65と算出。欧米と大差ないことがわかった。

 五十君氏は「乳児はほとんどが胎内の母子感染。原因不明とされた流産や死産は、リステリア菌の感染で引き起こされたものもあるのでは」と分析する。

 現在、国内にはリステリア菌の衛生基準はない。食品衛生法は輸入食品のナチュラルチーズと非加熱食肉製品(生ハムなど)に限り菌が検出されれば輸入停止措置を取るが、国内製品は「手付かず」(厚労省)だという。欧州連合(EU)では、調理済み食品に「1グラム当たり菌数100以下」との基準があり、厚労省も衛生基準の導入に向け、今年2月から薬事・食品衛生審議会で検討を始めた。

     *

 リステリア菌が怖いのは、冷蔵庫でも菌が生きていることだ。帯広畜産大の川本恵子准教授によると、菌は0〜4度の低温でも増殖可能で、海外の研究ではマイナス1・5度でもゆっくり増殖することが報告されている。10度では1週間で菌が10倍になるとされ、「冷蔵庫やチルド保存の過信は危険」と警告する。

 菌には味もにおいもない。「漬け物や魚介類の薫製でも検出されている。妊娠中は生ものや長期保存した物は避けたほうがいい」と川本准教授は言う。

 リステリアに対する認識は産婦人科医でも個人差があるという。愛育病院(東京都)の安達知子産婦人科部長は6月、母子保健の機関誌でリステリアへの注意を呼びかけた。「妊婦が感染すると胎児への感染を食い止めるのは難しい。食生活で予防できるので、産婦人科医が菌を理解し、アドバイスできるようにしたい」と話す。


2011.07.03 提供:毎日新聞社





国はしっかりした展望を国民に示せ!5月の自殺者19.7%増

5月の自殺者19・7%増 首相「取り組み緩めず」

 政府の「自殺対策タスクフォース」が4日午前、内閣府で開かれた。5月の自殺者数が前年同月比で19・7%増の3329人になったと報告され、菅直人首相は「自殺問題は大きな社会的課題だ。政治的に多少の変化があったからといって、取り組みを緩めていい問題ではない」と強調した。

 内閣府は増加の理由に関し、5月中旬に有名女性タレントの自殺が報道されたことが影響した可能性を指摘した。

 東日本大震災の影響に関しては、被災県でも増減双方あるとし今後詳しく調べると説明。被災した各自治体に対する聞き取り調査では「今後、自殺者数が跳ね上がる可能性がある」などと危機感が示されたという。

2011.07.04 提供:共同通信社

多様な発がんリスクをどう捉えるか
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長・山下俊一氏に聞く◆Vol.2


政府の情報開示のあり方には問題あり

 「情報の不確かさが、住民の不安を招く要因になっている」と山下俊一氏は指摘する。

 ――放射線による健康影響については、一般の方に理解されていない、知られていない事実が多い。

 そうですね。例えば、ここに10μSv/hの放射線を出す物質があるとします。それがどのくらい体に影響があるかを計算し、イメージで示すと、「一つの細胞に放射線がちょっと触るぐらい」。しかし、そのイメージを持てず、放射線が体を突き抜け、細胞に傷がたくさん付くと思う人が多い。専門家が分かりやすい絵を描いて、説明していかなければいけないと思うのです。

 また医師も、無頓着、無防備で、放射線を使ってきたという一面もあります。リスクよりもベネフィットが多いから。つまり、医療においては、放射線を使う理由が正当化されていたわけです。

 これに対し、今回、問題になっているのは、全くの被害者だから。全く便益がない。原発事故が収束して、放射線のレベルが下がることが最低限必要。したがって、今のこの状況下で皆が不安、心配に思うのは当然。では、何を心配しているか。一度に大量の被曝をするわけではない。低線量の被曝が続くことにより、将来、発がんのリスクが高まるかどうかが心配なのです。

 今、日本人の2人に1人はがんに罹患する時代。1000人いれば、500人はがんになる。仮に100mSvの放射線を浴びたら、4、5人程度増える。これが今、心配されている放射線のリスクなのです。ほとんどの人は、ウイルスとか生活習慣病、タバコ、遺伝的な要因など、他の原因でがんになる。これらのリスクを総合的にどう考えるかが、一つの問いになるわけです。このようなリスク論は、論理的に考えないといけないのですが、やはり感情的な側面もあり、心配、不安はなかなか払拭しない。

 本当は、まず男性が理解しないといけない。男性は40歳以上になると、広島、長崎のデータでは、被曝による発がんリスクはない。20歳以上でも、男性の場合はほとんどリスクが見られない。そのリスクがない男性が、「危ない」と騒いでいる。

 私の説明の仕方も悪いのですが、女性にご理解いただくのが第一なのです。しかし、理解できない以上は、そこにいるだけでストレスなので、自主避難しかない。どう理解して、そこで生活するか。「リスクがゼロのところから、少し増えた。でも医学的にどう考えても影響がないレベルです」などと言っても、「リスクがある」ということだけで、不安になる。

 こうした問題は、放射線に限らないと思います。環境ホルモンでもそうです。極めて微量なものでも心配する。電子レンジのマイクロ波による発がんも心配する。タバコもそう。つまり我々の周りには、発がんのリスクになるものが山ほどあるわけです。その中で、放射線だけを取り除くのは、不可能。さらに言えば、私たちの体は、寄生虫と共存しているわけです。体内の大腸菌などもゼロにできない。しかし、我々は免疫力などがあるために共存できる。

 同じような体のメカニズムが、放射線に対してもあるわけです。DNAの損傷を修復する能力はすごい。細胞が分裂する時に起きるエラーを修復する能力を持っている。それと同じことを放射線による損傷に対してもしている。しかし、こうした感覚、知識は、急に降って沸いたリスクの状況下ではなかなか理解できない。

 ――先生は3月18日から福島に行かれています。最初の頃は、先生が持つ知識を一般の人に伝えるために、どんな工夫をされたのでしょうか。この3カ月間で、説明の仕方などに変化はあるのでしょうか。

 最初は、何も分からない状況だったので、火山や紫外線などに例えて説明していました。「放射線は火山のマグマ。ボンと爆発した。近くに行くと火傷するけれども、遠くにいれば、届かない」、「心配なのは、放射線の降下物。火山が爆発する際、遠くにいれば、火の粉は灰になっている。灰であれば心配要らない」という感じです。すると皆が安心する。放射線の単位も分からない中で、細かい話はできません。

 でもそれは3月の終わりぐらいまでです。大きく変わったのは、文部科学省が「20mSv」を出した時(編集部注:4月19日に文科省は、「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」を公表)。

 ――それまでは、「100mSv以下であれば安心」などとは言っていなかったのでしょうか。

 「分からないから、心配しても仕方がない」、「100mSv以下は分かりません」などとずっと言ってきた。

 ――「分かりません」というのは。

 発がんのリスクは増えない。だから安心してくださいという意味です。「ここで、すぐに大量被曝するわけではないから、大丈夫です」、「逃げ出す心配は要りません」という話をずっとしてきました。

 ――そこで文科省の「20mSv」の基準が出た。

 ICRPでは、緊急時には20mSvから100mSvの範囲内で防護対策を取るよう勧告しています。その一番低いところを基準にした。当然、国の言うことに従わないといけないから、その基準を守りましょう、という話をしたわけです。

 そうしたら、この20mSvは、緊急事故が収束した後の基準である「1mSvから20mSv」の20mSvという話も出てきた。原子力安全委員会と、文科省で、20mSvの根拠がふらついていた。私は現場にいたので、そうした話は全然分からなかった。

 ――どこで線を引くかは、最終的には政治や行政がどう判断するかになる。

 もちろんです。私としては、20mSvは妥当だと思います。これを超えないよう、また当然低いレベルを目指すということで、国がきちんと対応している、と私は信じているのですが。

 それを市民がなかなか信じないのは、また別の要素があると思います。情報の不確かさ、遅さが問題。しかも、悪い情報が、後から出てくる。私も現場にいて、「なんだ、これは」と思うくらい、後から後から情報が出るわけでしょう。
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)


2011.07.01 提供:m3.com


喫煙が主な要因 慢性閉塞性肺疾患(岐阜)


早期発見治療へ 県対策協を発足


「COPDは早期発見、早期治療が望ましい」と訴える本部長の大林医師(瑞浪市で) 喫煙が主な要因となる肺の生活習慣病・慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期発見、早期治療に取り組む「県COPD対策協議会本部」(本部長・大林浩幸東濃厚生病院アレルギー呼吸器科部長)が発足した。県医師会(小林博会長)によると、医師会単位でCOPD対策に取り組むのは全国初という。(市来哲郎)

同本部は、岐阜、西濃、中濃、東濃、飛弾の県内5ブロックごとに、「COPDストップ作戦」と題して、喫煙者を対象にした禁煙啓蒙教室や講演会を開催。禁煙治療が行える施設を紹介するとともに、呼吸困難など自覚症状があるCOPD患者の早期発見、早期治療に取り組む。

現在、COPDと診断されている患者は全国で20数万人といわれるが、実際には、約700万人が発症していると推測される。厚生労働省によると、昨年1年間のCOPDによる死者数は約1万6000人で、ぜんそく死の約8倍という。


2011.07.01 提供:読売新聞社


学校、病院は全面禁煙 兵庫県、条例化目指す


 受動喫煙を防ぐための条例を検討している兵庫県の委員会は30日、学校や病院などでの全面禁煙を盛り込んだ最終報告書案をまとめた。年度内の条例制定を目指す。

 厚生労働省によると、同様の条例は神奈川県で2010年4月に施行されている。

 報告書案では官公庁や学校、病院の建物内での全面禁煙を義務付け、すでにある喫煙室の使用も禁止。金融機関や交通機関なども原則禁煙で、喫煙室の新規設置を認めない。

 旅館やホテルについては、ロビーと客室の半数以上を禁煙にするよう求めるが、暫定措置として分煙を認める。条例に違反した場合は「一定の罰則を科すことが必要」としている。

 委員会では学校について「教育的観点から敷地内を全面禁煙にする」との意見が多かったが、県は「受動喫煙は建物内に限られる」として条例化に慎重な姿勢を示している。

 委員会は有識者やホテル業者、医療関係者などで構成されている。

 大林本部長は12年前から東濃厚生病院(瑞浪市)で禁煙教室を開き、ニコチンガムなどを使用したプログラムとその後の定期指導を通じて、半年間でたばこから“卒業”させる治療を行っている。

 大林本部長によると、県内のCOPD治療患者は約1万人だが、約11万人の隠れ患者がいると見ている。大林本部長は「喫煙は一種の病気だから、病気を治すつもりで取り組めば、たばこは絶対にやめることができる。COPDの早期治療の一環にもつながる」と話している。問い合わせは、県医師会(058・274・1111)へ。


2011.07.01 提供:共同通信社

食品にしてもサプリメントにしても、
世界から大きく遅れて居る現状は変わらない、
消費者ほごでなく、業者優先・・
だから日本の食もサプリメントも信用できない?

 

食品栄養表示、義務化へ…脂質・ナトリウムなど5項目

 消費者庁は、熱量やナトリウムなど食品の栄養成分表示を義務化する方針を固めた。

 栄養バランスのとれた食生活を送るため、商品を選択しやすくすることなどが目的だ。同庁は来年度にも法整備に着手する。トランス脂肪酸などの表示は引き続き検討する。

 栄養成分の表示は現在、基本的には事業者が任意に行っている。健康増進法で基準が定められているのは、商品に「脂肪30%カット」「カルシウムたっぷり」といった強調表示などをする場合。その成分の含有量を表示するとともに、〈1〉エネルギー(熱量)〈2〉たんぱく質〈3〉脂質〈4〉炭水化物〈5〉ナトリウム--の5項目の含有量をこの順番で表示しなければならない。

 同庁はまず、熱量などの5項目の含有量の表示を、原則としてすべての食品に義務づける。ただ、表示する際の優先度を見直し、ナトリウムを2番目に表示することを検討している=表参照=。日本人は世界の中でも塩分などからのナトリウムの摂取量が多く、それが脳血管疾患のリスクと関係しているとのデータもあるからだ。

 過剰摂取すると心疾患のリスクを高める「トランス脂肪酸」や「飽和脂肪酸」、「食物繊維」や「糖類」などの成分の義務化については、引き続き検討する。

 また、含有量と表示の誤差の許容範囲や、チェックのあり方など具体的な取り組みについても議論する。

 同庁は昨年11月、関東地方の大手スーパー3店舗で633食品を調査した。82%の商品にこの5項目の表示があった。ただ、食品の業界団体などは、「義務化となれば中小企業にとっては負担も大きい。成分の含有量を分析するのにコストもかかる」と困惑している。

 消費者団体「主婦連合会」(東京)事務局長の佐野真理子さんは、「栄養成分の含有量は、商品を選ぶ際にとても重要な要素。事業者は、消費者に分かりやすく表示をするよう工夫してほしい」と話す。

 海外では、健康志向の高まりなどから、米国やカナダ、中国、韓国など、栄養成分表示を義務化する国が増加している。同庁では昨年12月から、学識経験者や業界関係者による検討会を開き、表示のあり方について話し合ってきた。

2011.07.01 提供:読売新聞

 

第17回口腔保健シンポジウム:なぜ、今、歯・口の健康に注目!? 
〜歯周病が及ぼす全身への影響〜

【参加費無料】
日時
2011年7月9日(土) 13時00分〜15時30分(12時30分開場)
会場
テイジンホール
(大阪府大阪市中央区南本町1丁目6番7号 帝人ビル)
主催
日本歯科医師会
後援
厚生労働省、日本医師会、大阪府歯科医師会、8020推進財団、日本歯科医学会、日本歯周病学会、日本歯科衛生士学会、日本薬剤師会、日本癌学会、日本対がん協会、日本内科学会、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会
協賛
サンスター株式会社
プログラム
  • 【基調講演】
    「お口とカラダの不思議な関係 〜医科の立場から〜」
    川村 孝氏(京都大学環境安全保健機構 健康科学センター長・教授)
  • 【講演】
    「お口とカラダの不思議な関係 〜歯科の立場から〜」
    和泉雄一氏(東京医科歯科大学歯周病学教授)
  • 【ミニトーク】
    「私が野球から学んだこと 〜田尾流・健康ライフ〜」
    田尾安志氏(元楽天初代監督)
  • 【パネルディスカッション】
    「なぜ、今、歯・口の健康に注目!? 〜歯周病が及ぼす全身への影響〜」
    パネリスト:川村氏、和泉氏、田尾氏
    コーディネーター:前野一雄氏(読売新聞東京本社 編集局 編集委員)

お申し込み方法

このシンポジウムに参加ご希望の方は、次の項目を明記の上、はがきまたはEメールにてご応募ください。
(1)住所(郵便番号) (2)氏名 (3)年齢 (4)性別 (5)電話番号 (6)参加人数

 

定員
240名(希望者多数の場合は抽選)
あて先
【はがき】
〒810-8799 福岡支店留「口腔保健シンポジウム事務局」係
【Eメール】
uketsuke2011@tmj.co.jp
締切り
7月2日(土)当日消印有効
発表
当選者の発表は「招待券」の発送をもって代えさせていただきます。
お問い合わせ

日本歯科医師会広報課
03-3262-9322
(平日 9:30〜17:30)

※お預かりする個人情報は本シンポジウムに使用し、それ以外の目的では使用しません。
※講演・ミニトーク等のタイトル・内容につきましては、当日変更になることもありますのであらかじめご了承ください。

 


2011.06.27 提供:日本歯科医師会 

 

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