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最新の社会情勢レポート!!

 

社会情勢レポート記事区切り

食品での被ばくは微量 放射性セシウムの基準が今年4月から
大幅に厳しくなります米国の基準の12分の1

Dr.中川のがんの時代を暮らす:/24 食品での被ばくは微量

 食品に含まれる放射性セシウムの基準が今年4月から大幅に厳しくなります。現在運用されている「暫定規制値」は、東京電力福島第1原発事故直後に定められたもので、食品に含まれる放射性セシウムによる内部被ばくを年間5ミリシーベルト以内にすることを目標としています。新しい基準は、これを1ミリシーベルトと5分の1に引き下げることを目指します。その結果、野菜、肉、魚などの一般食品では、現在の1キロあたり500ベクレルの上限値が、5分の1の100ベクレルに引き下げられます。

 この数字は米国の基準の12分の1という厳しい値ですが、牛乳や乳児用食品はさらに少ない1キロ50ベクレルとなります。飲料水は10ベクレルと、欧州連合(EU)の20分の1、米国と比べれば120分の1となります。

 一方、食品による内部被ばくが実際にはわずかであることが分かってきました。朝日新聞は1月19日朝刊で、福島と全国の家庭で、「陰膳」方式で、食べ物に含まれる放射性セシウムの量とそれによる内部被ばく量を調査した結果を報じています。食卓に並べたものと同じ食事を1食分余計に作ってもらい、3食分をまるごとミキサーにかけた上で乾燥させ、精密に測定したのです。

 3食分の検出値を順に並べた真ん中の値(中央値)は、福島県で4・01ベクレル、関東地方で0・35ベクレル、西日本ではほぼゼロと、予想通りとはいえ、非常に低い数字となりました。福島県の4ベクレルは核実験が盛んだった50年前の食品中の放射能レベルに近い数字です。

 福島での食事を毎日1年間食べ続けた場合の被ばく量は、中央値で0・023ミリシーベルトにとどまり、国の新基準の40分の1以下です。ホウレンソウなどに含まれる天然の放射性物質であるカリウム40による内部被ばくと比べても、その10分の1程度ですから、健康に影響が出る量ではありません。

 食品からの内部被ばくは現在でも非常にわずかですから、新基準に変えても、被ばく量の減少は微量です。しかし、基準を厳格にすることで、福島の生産者は大打撃を受ける可能性があります。福島は、電力と食品の生産地として、東京と日本全体を支えてきました。今後は、東京をはじめ全国が、福島を支える番ではないかと思います。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

セシウムとカリウム以外の放射汚染は?????


2012年1月29日 提供:毎日新聞社

 

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子どもに毎日野菜を 米、給食メニュー改革 
冷凍ピザトマトソースは野菜?

 【ワシントン共同】野菜や果物を毎日子どもに―。米政府は25日、約15年ぶりに米国の学校給食メニューを見直し、全米約3200万人の子どもたちに、より健康的で栄養価の高い食事を提供すると発表した。

 子どもの肥満対策に熱心なミシェル・オバマ大統領夫人が主導する取り組みの一環で、今後5年間で32億ドル(約2500億円)の予算をかけて給食の献立を改善。野菜や果物を毎日出し、全粒粉入りのパンやパスタを使ったメニューも積極的に取り入れる。

 米国では子どもの3人に1人が太りすぎか肥満とされる。ビルサック農務長官は「子どもたちの健康な未来につながる重要な一歩」と改革の意義を強調した。

 ただロイター通信によると、冷凍ピザ業界などの圧力を受け、トマトソースを材料に使ったピザは「野菜」とみなされるなど、実際の運用には疑問点も残されている。


2012年1月26日 提供:共同通信社

 

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受動喫煙にも目標値 家庭、飲食店は半減

 厚生労働省は23日、家庭や飲食店で受動喫煙させられる人の半減を目指す方針を決めた。成人の喫煙率の数値目標とともに2013年度から22年度までの次期健康づくり計画に目標値を盛り込み、今後5年間の次期がん対策推進基本計画にも明記する。

 国が受動喫煙に関する目標値を定めるのは初めて。1月末に公表予定の10年の国民健康・栄養調査で「受動喫煙の機会がある」と回答した人の割合を基に、具体的な目標値を決める。

 08年調査では、受動喫煙の機会があると答えたのは家庭(毎日)で13・9%、飲食店(月1回以上)で62・3%。

 一方、市役所などの行政機関や医療機関、職場などでは受動喫煙ゼロを目標にする。

 厚労省は、プライベートな空間の家庭内や、禁煙による営業面の影響が大きい飲食店では、受動喫煙ゼロの目標は現実的ではないと判断。ただ、健康被害を防ぐには目標値を掲げて対策を進める必要があるとしている。

 こうした方針は23日、次期健康づくり計画を協議する厚労省の審議会の部会で了承された。


2012年1月24日 提供:共同通信社

 

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クラスター爆弾とあなたのお金 
河野太郎・日本地雷根絶キャンペーン(JCBL)

クラスター爆弾禁止条約は、日本を含む108カ国が署名、57カ国が批准して、2010年8月1日に発効した。

この条約は、クラスター爆弾製造への投融資を「支援の禁止」の条文で禁止している。

現在、世界中で、次の八社がクラスター爆弾を製造している。

Norinco(中国)
SPLAV(ロシア)
Alliant Techsystems(米国)
Hanwha(韓国)
Lockheed Martin(米国)
Poongsan(韓国)
Singapore Technologies Engineering(シンガポール)
Textron(米国)

オランダのパックスクリスティとベルギーのネットワークフランデーレンは、毎年、クラスター爆弾の製造企業に対する世界各国の金融機関の対応をまとめた報告書を発表している。

報告書は、金融機関のうち、クラスター爆弾製造企業への投融資を禁止している金融機関(Hall of Fame)、不十分ながら取り組みを進めている金融機関(Runners-up)、クラスター爆弾製造企業に投融資している金融機関(Hall of Shame)を格付けしている。

Hall of Fameには、23の金融機関が掲載されているが、日本の金融機関はゼロ。

Runners-upには、世界で24の金融機関が掲載されているが、日本の金融機関はゼロ。

住友三井フィナンシャルグループが、「クラスター爆弾の製造を目的とした投融資」を禁止したとして、Runners-upに近い金融機関として取り上げられたものの、クラスター爆弾を製造する企業に対する投融資を禁止すること、投資銀行業務および資産運用業務にもそのルールを適用しない限り、Runners-upの対象にならないとされている。

Hall of Shameには、166の金融機関がリストされ、日本の金融機関から、大和投資信託、三菱UFJフィナンシャルグループ、みずほ銀行、野村、住友信託銀行の五社が含まれている。

全銀協は、クラスター爆弾製造を目的とする与信を行わないと明言をしているものの、日本の金融機関の更なる取り組みが必要だ。

原発事故をみるにつけ、メディアをはじめ各社が企業の社会的責任を果たしていれば、防ぐことができた悲劇が少なくないことを痛感する。

その意味で、クラスター爆弾を製造している企業への投融資に関する日本の金融機関の対応をもっと社会が注目していくべきだろう。

日本の大手金融機関7社がクラスター爆弾製造企業に投融資

−JCBLアンケートで判明−

JCBLでは2011年1月、クラスター爆弾を製造している企業に投融資していると指摘されている国内の金融機関20社に対するアンケート調査を実施しました。これは、昨年実施したアンケート(内容については2010年4月28日のJCBLニュースを参照)に続くもので、今回は2種類行いました。

 

1つは、既にクラスター爆弾製造企業への取り組みを実施しているメガバンク3行(みずほ、三井住友、三菱東京UFJ)に対して、その内容を確認するものです。

 

もう1つは、昨年春にオランダのNGOネットワーク・フランデーレンが発表した世界的調査結果の報告書、『クラスター爆弾への世界の投資:共通した責任』においてクラスター爆弾製造企業への投融資を指摘されたものの、投融資額が少なかったため昨年のアンケート対象から除外した証券会社等17社の投融資の状況を確認するものです。

 

2010年8月1日にクラスター爆弾の禁止条約が発効し、日本は締約国となっています。クラスター爆弾の製造を巡る投融資については、2010年7月に大和証券が投融資の規制を強化する旨を発表し、メガバンク3行が同様の内規を設けたことが報道されました。また10月には全国銀行協会がクラスター爆弾の製造に係る投融資の禁止を発表しました。

 

しかし、その他の証券会社等については投融資が確認されていたものの、条約発効後の具体的な取り組みが明らかにされてこなかったことから、この度、現状調査を行う目的でアンケートを実施しました。20社に発送し、19社から回答を得ました(質問・回答は後掲)。アンケート結果の主なポイントは以下の通りです。

@ クラスター爆弾製造企業への投融資を指摘された金融機関20社のうち、2社が現在は投融資を行っていないことが明らかになりました。他方で、9社がインデックス運用[1]を中心にクラスター爆弾製造企業へ投融資を行っていることが確認されました。その他の8社については投融資の有無が明らかにはされませんでした。

A クラスター爆弾製造企業への投融資の方針について、8社がすでに方針があるか今後検討するとした一方で、6社が今後見直しの予定がないと回答しました。

B 投融資に関する規定の情報公開については、内部規定であることを理由に公開を行わない企業がほとんどであり、5社のみが「投資方針」に関してホームページで公開していることが明らかとなりました。

 

JCBLは今回の調査結果を踏まえ、国内の金融機関に対して早急に下記の対策を講じるよう求めます。

@ クラスター爆弾を製造する企業への投融資は、インデックス運用を含めて直ちに禁止すること。クラスター爆弾は、国際法によって生産・使用・譲渡・備蓄といった行為がすべて禁止されている兵器であり、日本政府は締約国になっている。そうした中、同兵器を生産する企業に対して投融資を行うことは許されるべきではない。

A 上記の理由からも、今後も継続して投融資を行うことは認められない。

B 金融機関は私企業であっても、公共性を備えていることに疑問の余地はなく、預金者を含む広範なステークホルダーに対する情報公開・説明責任は免れない。投融資の方針についてきちんとホームページやCSRレポートに明記する責任を負っていることを自覚し、直ちに明確な禁止方針を立て、その内容を公表するべきできである。

 

今回の結果について、金融機関の社会的責任等に詳しい高崎経済大学の水口剛教授は、「回答拒否の1社は論外。回答内容については更なる精査が必要。たとえばクラスター爆弾製造企業への投融資がないのはたまたまなのか、方針があるからなのか。インデックス運用は免罪符になるのか。現時点の日本の金融の常識からすれば踏み込んだ対応もあり、問題意識を共有したという意味で、評価したい。あとは実効性の問題であり、実務的な観点から一層の対話が必要だ」とコメントしています。

 

以下、アンケート内容および結果

<質問内容>

■メガバンク(みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行宛)

・質問1: 7月末に御行はクラスター爆弾の製造を目的とした資金調達への投融資を禁じる内部通達を行ったと毎日新聞で報道されました。この投融資の禁止について、具体的にどのような対策をとられたのかお教えください。

・質問2: 今後、その内容をホームページ等で公開する予定はありますか。公開しないのであれば、その理由をお教えください。

・質問3: 今後、クラスター爆弾を製造する企業自体への投融資を中止する予定はありますか。中止しない場合、その理由をお教えください。

■上記3行以外でクラスター爆弾製造企業への投融資が確認された企業宛

・質問1: クラスター爆弾製造企業(部品も含む)に投融資していますか?

・質問2: クラスター爆弾禁止条約(通称オスロ条約)が2010年8月1日に発効し、2009年7月に同条約を批准している日本は締約国となりました。御社では、今後クラスター爆弾製造企業への投融資に関し方針を見直す予定はありますか?

・質問3: 御社では、企業に対する投融資を行なう際の規定がありますか。ある場合、それを公開していますか。公開していない場合、理由をお教えください。

<回答済みの機関(順不同)>

みずほ銀行 / 三井住友銀行 / 三菱東京UFJ銀行 / 住信アセットマネジメント / 中央三井アセットマネジメント株式会社 / DIAMアセットマネジメント / ニッセイアセットマネジメント株式会社 / 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 / 日興アセットマネジメント株式会社 / T&Dアセットマネジメント株式会社 / 日本生命保険相互株式会社 / みずほ投信投資顧問 / 三井住友アセットマネジメント株式会社 / 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント株式会社 / 住友生命保険相互会社 / 住友信託銀行 / 三菱UFJ投信株式会社 / 明治安田アセットマネジメント株式会社 / MU投資顧問株式会社

<未回答の機関>
野村アセットマネジメント

<回答内容>

銀行の回答はこちらから  アンケート回答集計(メガバンク).xls
銀行以外の回答はこちらから アンケート回答集計(その他の金融機関).xls

※JCBLでは、「私のお金、私の責任」キャンペーンとして、クラスター爆弾を製造している企業に対する投資を禁止するよう働きかける活動をしています。これは、世界17カ国で展開されている「StopExplosive Investment (爆発する投資をやめよう)」の活動の一部です。


2011年9月15日 提供:河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり

 

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過剰診療対策で受診機関を認証へ 大阪市

橋下市長、過剰診療対策で受診機関を認証へ

 大阪市の橋下徹市長が、過剰診療などの不正請求対策として、受給者が診療できる医療機関を、市が独自に認証する制度を検討していることがわかった。

 不正請求を繰り返す悪質な医療機関を排除するのが狙い。過剰診療が疑われる場合は、別の医療機関で診療させる「検診命令」を発令し、従わない場合は保護停止も辞さない構えだ。

 医療扶助は、受給者が自己負担なしで診療や投薬を受けられ、費用は全額公費で支払われる。医療機関側が不正請求を重ねても発覚しにくく、意図的に過剰診療を繰り返す例があるなど、モラルハザード(倫理の欠如)を招きやすいとの指摘がある。

 生活保護受給者が約15万人(昨年12月)と全国最多の大阪市では、2010年度の医療扶助費が、生活保護費全体の約45%にあたる約1292億円に上り、財政を圧迫している。


2012年1月13日 提供:読売新聞

 

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「健康影響考えにくい」 3カ月で平均0・26ミリシーベルト

 東京電力福島第1原発事故を受け、子どもや妊婦に線量計を配布している福島市は12日、約3万7千人が昨年9月から3カ月間に受けた被ばく線量を発表した。平均は0・26ミリシーベルトで、市は「がんの増加などの健康影響は考えにくい値」としている。

 市が配布したのは「ガラスバッジ」と呼ばれる線量計で、小型で安価だが数値は表示されないため、回収して機器で被ばく線量を調べる。対象は中学生以下の子どもと妊婦で、乳幼児は普段一緒に行動している親が身につける。今回、3万6767人分の結果が出たが、3万6657人は1ミリシーベルト未満だった。

 1・8ミリシーベルト以上の人は乳幼児、妊婦を含め10人で、最大は2・7ミリシーベルト。このうち8人は線量計を屋外に置き忘れたり、空港でエックス線手荷物検査を受けたりしたため、実際より高い数値が出たとみられる。残る2人は家族や本人の協力が得られず、どんな行動をしたのか確認できていない。


2012年1月13日 提供:共同通信社

 

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海外での食事での注意!
アメリカドイツなど先進国以外では、乳製品には注意を

牛乳の大半が漂白剤や洗剤で汚染 インド食品安全基準局の調査で判明

 [ニューデリー・ロイター=共同]インドで販売されている牛乳の大半が、肥料、漂白剤、洗剤などが混じっていたり、水で薄められたりして、汚染されている可能性があることが、食品安全基準局のサンプル調査で10日明らかになり、国民に衝撃を与えている。

 調査は今月実施されたが、インド全国で収集された1791サンプルの牛乳のうち約70%がこうした物質で汚染されたり、汚染された水で薄められたりしていた。それによると、サンプルの牛乳には、脱脂粉乳やブドウ糖が混ぜられており、ひどいケースでは漂白剤に使われる過酸化水素、肥料の尿素や洗剤が混じっていた。

 調査報告は「洗剤が混入した牛乳を飲むと健康被害を起こす恐れがあり、こうした結果は牛乳の取り扱いに衛生管理が欠如していることを示している」と指摘した。また報告は「水で薄めることは牛乳の栄養価を低めるだけでなく、汚染された水により健康被害のリスクが高まる」と述べた。

春節へ食の安全確保 中国、ブラックリストも

 【北京共同】中国国務院(政府)は11日に温家宝(おん・かほう)首相が主宰する常務会議を開き、23日からの春節(旧正月)に向け、政府や関係部署が市場の管理を強化し、食の安全を確保することを確認した。人や物の動きが増える春節期間中の集団食中毒などを防ぐため衛生管理を強化する。

 会議では「中国の(食品などの)品質レベル向上への取り組みは依然立ち遅れている」と指摘。製品の品質に問題があるとみなされた企業は「ブラックリスト」に載せ、公開するとした。

 中国では昨年、乳製品大手、蒙牛の製造した牛乳から基準値を超える発がん性物質が検出されるなど、食に関する健康被害が社会問題となっている。


2012年1月12日 提供:共同通信社

 

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EVバッテリー レポート2011-12 vol.1 脱内燃機関、
そしてEVシフトの鍵を握るバッテリー技術

2005年から2008年夏ごろにかけて発生した、1バレルあたり150ドル近辺をつけるという原油価格の暴騰は、世界を文字通り震撼させた。さらに東日本大震災時に日本各地でガソリン供給不足が発生し、ガソリンスタンドに長蛇の車列が発生した話題などは記憶に新しい。

経済活動に欠かせない物流の主役、道路交通は、ほぼ全面的に石油エネルギーに依存している。近年、世界の油田の劣化によって石油生産がピークアウトするのではないかと危惧されていたが、石油の枯渇を待つまでもなく、燃料価格が暴騰するだけで経済が壊滅的なダメージを負うことがハッキリしたのだ。

各国の政府やメーカーが電気自動車(EV)の開発に躍起になって取り組んでいる最大の動機は、今後急速に深刻化することが確実視されているエネルギー危機への対応なのである。

EVの開発動機としてしばしば挙げられるもののひとつに、地球温暖化の原因物質とされる二酸化炭素の排出量削減があるが、これは副次的なものだ。アメリカのオバマ大統領が推し進める「New Energy for America」というエネルギー政策では、脱石油社会を進めるだけでなく、新規雇用までも創出し経済を安定させることを見据えている。

自動車メーカーはそれに対応する技術を確立させることが、今世紀後半に向けて生き残る唯一の手段だという認識を持っている。ゆえに、今日においてはまだ商業的に成立しているとはとても言えないレベルにとどまっているEVの開発に執心しているのだ。

そこで今回、これらビジネスソリューションで要求されるEVの高いバッテリー技術に焦点を当て、開発者インタビューや試乗会・発表会などの取材を交えつつ、4回にわたり「EVバッテリー レポート」として連載する。第1回は導入として、脱内燃機関そしてEVシフトを加速させる環境変化と、その普及への鍵を握る技術課題について考察したい。


◆エネルギー危機への対応がEV開発を加速

EVを爆発的に普及させるには、EVをマーケット商品にしなくてはいけない。マーケット商品にするために、各社はどのように戦略を練っているのだろうか。

EVの普及を実現するために不可欠な要素は、さらなる低価格化だ。バッテリーやモーター性能の著しい向上に支えられて、身近な価格になってきたとはいえ、同クラスのエンジン車に比べて2倍ないしそれ以上の価格が現状ではつけられている。ユーザーの大半は政府や自治体、あるいは運輸業者などのフリートユースであり、エンドユーザーがEVを購入するケースはまだ少数例だ。

アウディの電気モビリティ戦略担当者、ハイコ・ゼーガッツ氏は「多くの顧客がEVに強い関心を示しているのは確かだが、実際に購入する場合、既存のクルマに上乗せして支払ってもよいと考えている金額はごくわずかだ。またガレージで充電可能な住宅の割合も、EVのメイン市場となる都市部では低い。価格、性能、インフラなど、いろいろな面で適切なソリューションを提示できたとき、EVは一般化するだろう」とインフラの拡充整備がEVの普及の鍵とみている。EVが実験段階から市販段階への移行期であるこのタイミングで、日米欧の各国では、充電ステーションの急ピッチでの拡充や最新テレマティクスを駆使した給電・充電ソリューションの構築に向けて積極的に取り組んでいる。

2009年に登場した三菱自動車の新世代EV『i-MiEV』に端を発したクルマの電動化のムーブメントは、いまや世界に広がりつつある。日産自動車『リーフ』、本田技研工業『Fit-EV』、三菱自動車『MNICAB-MiEV』などの市販EVが次々に生まれ、また発電用エンジンを搭載して高価な電池の搭載量を減らしたレンジエクステンダーEV(E-REV)、ハイブリッドカーのバッテリーを外部電源から充電できるようにしたプラグインハイブリッドカー(PHEV)など、ソリューションも急速に多様化している。さらに、フランス政府や福生市が推し進めるEVシェアリングサービスプロジェクト等、新たなビジネスソリューションの形態も確立されている。


◆EV普及の鍵を握るバッテリー技術

石油以外で人間が利用可能なエネルギーは、実は結構豊富である。非在来型天然ガスであるシェールガスやバイオエネルギー、水力や太陽光、風力などの再生可能エネルギー、核エネルギー等々、枚挙にいとまがない。が、それらのエネルギーは、輸送、貯蔵、補給などの利便性の点で、いずれも石油に比べて大幅に劣っている。現状では、多少燃料価格が上がろうと、クルマは石油エネルギーで走らせるのが最も効率的というのが実情だ。

しかしながら、その状況はEVの登場と共に大きく変わりつつある。エネルギーを電力として効率的に蓄えることが出来る電池技術の発展である。

が、そのチャレンジはまだ始まったばかり。EVや燃料電池車が一般的な技術となるには、これから様々な技術革新を実現させていかなければならない。なかでも課題とされているのは、EVのバッテリーである。電力はもともと、発生させたものはリアルタイムで消費しないと消えてしまう。たとえば電力需要が低いときに発電所をフル稼働させても、熱エネルギーの多くは電力に変換されず、そのまま捨てられてしまうのだ。


◆耐久性の向上と急速充電性能の要求を満たせるか

本来は貯蔵性のないエネルギーである電力を保存しておくのに最も一般的なのが、蓄電池に充電しておいて、必要なときにそれを引き出して使うというやり方だ。不特定のルートを走り回るEVは、電車のようにパンタグラフから電力を採って走るというわけにはいかない。必要なときにEVを即座に走らせるために必要不可欠なのが電力貯蔵技術であるバッテリーなのだ。

一般に、自動車を構成する部品点数はガソリンエンジン車の場合およそ3万点だが、このうちエンジンとその補器類がおよそ1万点で、全体の1/3以上を占めている。これをバッテリーとモーターに置き換えれば部品点数が大きく減り、パッケージングに大きな変革を実現できると見込まれている。部品点数の低減は、大幅な軽量化やコスト優位性への可能性も秘めており、ひいては電費の向上にも寄与するものとも考えられている。もちろん、排出ガスを出さない、パワートレーンからの振動や騒音がないことなども、EVのメリットとしてよく知られているポイントだ。

今日、世界で胎動を始めているクルマの電動化。そのムーブメントはまだ、未来に向かって一歩を踏み出したばかりであるが、EVがコンセプトカーから実用車へとその存在意義が変化していくなかで、消費者はバッテリーの性能差を意識する必要が出てきた。そしてまた、バッテリー技術のブレークスルーを実現する可能性が登場しつつあることも確かだ。次回では、EVの課題を打ち破る新たな技術として東芝のSCiBにフォーカスを当ててレポートする。

《井元康一郎》

環境への配慮として、大量使用された後の、バッテリー製品のリサイクル技術と、リサイクルコストは大きな課題です。よりリサイクル市場での、売買が確立すれば、
新製品の価格から差し引いて、初期販売価格の抑制が期待できることで充電利用の拡大が期待できる。

 

2011年12月22日 提供:RESPONSE

 

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思想としての8020 2012年頭所感
日本歯科医師会会長 大久保 満男

 会員の先生方におかれましては、つつがなく新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。また、昨年は本会の会務に多大なるご理解とご支援を賜りましたことに心より御礼を申し上げますとともに、本年も変わらぬご厚情をお願い申し上げます。

 今、世界は大きく揺れ動いています。2008年のリーマンショックからの世界不況は未だ続き、そこからの欧州市場の凋落は世界に深い不安の影を投げかけています。さらに我が国は、あの3月11日の東日本大震災による被害からどのように立ち直るか、未だ混迷の中にあります。

 以前から、一世紀の始まりに、その世紀を特徴付ける事態が起こると言われてきました。

 先の20世紀は戦争の世紀と言われていますが、これは初頭に第一次世界大戦が起き、その整理もつかぬうちに第二次世界大戦が始まり、その後は米ソの冷戦状況が1990年まで続いたことを見れば、まさにその通りだと考えられます。

 では21世紀はと考えれば、2001年9月11日の同時多発テロが、その象徴でないかと言われました。そして次に2008年9月15日のリーマンショック、そして2011年3月11日の大震災と原発事故。これら3つの事態は一見脈絡なく起こっているようですが、実は根底にあるのは、欧米が創ってきた科学を始めとする技術に対する厳しい批判であり、反逆であると考えられています。

 同時多発テロはジェット機を武器にしてツインタワーという経済と文明の拠点を破壊することであり、リーマンショックは金融工学という技術で欧米が創った資本主義の市場を危機に陥れ、そしてこの大震災は津波という自然が防波堤や原発という技術をあっさりと打ち破りました。これらの事態に、文明社会をすでに持ってしまった我々が、どのように自らの生活のスタイルを変えられるのか、とてつもなく重い課題を背負ってしまったと思います。技術が全てを解決するという思考が過度の技術への過信となり、それが我々に刃を突きつけているというイメージが頭から離れません。そして、仮に21世紀が先に述べたような時代であるとしたならば、これからも深刻な事態への対応に迫られることだと思います。根本的な解決策など極めて困難な状況を抱えつつ…。

 そのような中、我が歯科界に目を転ずれば、昨年はまず「歯科口腔保健の推進に関する法律」が衆参両議院の本会議において全会一致で可決されたことは、まだ記憶に新しいことだと思います。この法律は、歯科保健・医療の大切さが国において認められたことの証ですが、同時にこれは、我々が新たな地平に立ったことを意味していると、私は考えています。

 それを、私は「思想としての8020」という言葉で表しています。これは、8020が一人の人間の80年という人生の縦軸としての時間軸によって成立することから始まります。例えばここでは、20歳の成人式を迎えた若者に「君の60年後の人生を口の状況からイメージしてみて」という問いかけが可能であることを意味します。日々の営みとしての時間が60年積み重なった未来を想像することは、他の臓器では困難でしょう。「60年後も今のように歯が揃っていて何でも食べられるのか」「口元は若さを保てているのか」―これらの問いは8020という概念によって初めて可能となるのです。

 しかし同時に、人は一人では生きられません。自分の健康、特に自らの未来の在り方が大切ならば、横に立つ家族や友人や地域の人々のそれもまた大切なのでしょう。この自分だけではない他者への思い、それが歯科口腔保健の推進に関する法律であると、私は考えています。

 我々は、生きていく目的をどこに置くのか。技術はその手段であって目的ではありません。このような考え方が、技術への過信から我々を解き放ってくれるのではないのかに、かすかな期待を持つだけです。

 我々歯科医師は、自らの足場である歯科保健・歯科医療を通して、我々の行為への考えを深く、そして広く突き詰めていくこと。それが思想としての8020として、新たな歯科医療への道を切り拓いていくことと確信しています。

 本年が、歯科界にとって希望多き年であることを祈念し、年頭の挨拶といたします。
 

2012年1月8日 提供:日本歯科医師会広報

 

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喫煙で医療費1733億円増加…脳・心臓疾患で

 脳梗塞や心筋梗塞などの医療費が、喫煙によって1733億円増加しているという推計を、厚生労働省研究班(主任研究者=辻一郎東北大教授)がまとめた。

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)による増加分の1・5倍に上り、研究班は禁煙指導の強化を訴えている。

 研究班は、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が1989-2007年に行った吹田市民4285人(40-74歳)の健康調査の結果を分析。様々な病気の発症率と、喫煙の有無との関連を調べた。

 その結果、脳梗塞や脳出血などの「脳血管障害」は、喫煙によって男性は25%、女性は5%増加。また、心筋梗塞や狭心症などの「虚血性心疾患」は、同じく男性は12%、女性は19%増えていた。この増加率から、全国の同じ年齢層の脳血管障害と虚血性心疾患の医療費総額1兆781億円(08年度)のうち、1733億円は喫煙によって余計にかかった分と算出された。

2012年1月5日 提供:読売新聞

 

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