食後にしっかり歯磨きしてるのに、いつの間にか虫歯になっていて歯がズキズキ…そんな人も少なくないのでは? どうやら虫歯になりやすい人・なりにくい人がいるようなんですが、誰だってできれば「虫歯になりにくい人」なりたいハズ。そもそも、両者の違いって一体何なのでしょうか?
しっかり歯磨きしているのに虫歯になってしまう…これはどういうことなんでしょう? 虫歯になる原因として考えられるのは、
・歯並び
・歯の質
・生活習慣
・食べ物
・唾液の分泌量
などがあるようです。
歯磨きの仕方や歯並びのせいで虫歯になってしまうのは何となく分かるけど、「歯の質」や「唾液の分泌量」も原因のひとつだなんて…生活習慣や食事なら改善できそうだけど、「虫歯になりやすい歯の質です」なんて言われたら、どうしたら良いのでしょうか…? ちょっとそこら辺のところ、調査してみました。
【虫歯とは?】
そもそも虫歯とは、口の中の最近によって起こる病気です。虫歯の原因となる細菌は、連鎖球菌や、乳酸桿菌、放線菌などで、中でも、連鎖球菌であるミュータンス菌の感染によって、虫歯になることが知られています。このミュータンス菌は生後10ヶ月から31ヶ月くらいの間に、保護者(主に母親)から感染するそうです。いったん口の中に大量のミュータンス菌が感染すると、歯磨きをしたくらいでは、菌量を減らす事は出来ないそうです。つまり、多くの人が生まれてからかなり早い段階で、"虫歯になる素質(!?)"を備えるわけですね。
【歯の質って?】
人間の歯というものは、象牙質、エナメル質、セメント質などの成分で出来ているのですが、通常目に見えている部分はエナメル質です。このエナメル質が、先述したミュータンス菌などのはたらきによって溶かされ、欠損してしまっている状態が虫歯の初期症状、つまり「C1(シーワン)」と呼ばれる状態です。学校の歯科検診でよく耳にした言葉ですね。そしてエナメル質より内側にある象牙質まで虫歯が進行した状態が「C2(シーツー)」となります。
もともとエナメル質は非常に硬い物質なのですが、稀に歯の形成段階での石灰化が不十分で、エナメル質や象牙質の無機質が不足していることがあるそうです。つまりこのような場合が「歯の質が弱い」という状態であり、虫歯になりやすい質だということです。
ところで、たまに「虫歯が1本もない」という人がいます。うらやましい限りです。では反対にどういった人が「虫歯になりやすい歯」を持っているのかというと、
子ども
だそうです。
『歯のページ』によると、乳歯や生えたばかりの永久歯はエナメル質表面の結晶構造が脆いのだとか。生えたばかりの永久歯は未成熟なので「幼若永久歯」と呼ばれますが、表面はまるで月面のクレーターのように穴がたくさん開いていて、汚れもつきやすく落としにくくなっています。また、虫歯の原因となる酸に対しても十分な抵抗力がないので、虫歯になりやすいというワケです。このクレーター状態から安定した「成熟した歯」になるのに5年ほどかかるらしく、この間は虫歯になる危険性が高く、注意が必要な時期です。
では、大人になれば大丈夫かというと、一概にそうとは言い切れないようです。エナメル質や象牙質が少なく歯の強度が低い「形成不全症」は、遺伝の影響を受けることもあり、大人になってからも歯の質が弱いということもあるようです。
【唾液には自然治癒能力が!?】
液の量が少ない、自然口の中が乾いているという状態は虫歯になりやすくなるそうです。唾液には抗菌作用や抗溶解作用がありますが、唾液が少ないとなると歯から菌を洗い流しにくく、虫歯になりやすいというわけです。しかし、これだけでなく、唾液には虫歯になりにくくする重要な働きがあるようなのです。それは何かというと、
唾液は再石灰化する
ということです。つまりこれって、自然治癒能力? 唾液にそんな働きがあったとは…驚きです。これは唾液に含まれるカルシウムやリンといった成分が関係しているそうですが、唾液の分泌量が少ないと、この再石灰化の流れが上手くいかないというわけです。
だ液の量を増やすには、よくかむ食物繊維の多い食べ物を意識して食べ、海藻類などミネラルのある食べ物を意識して食べるのが良いのそうです。
さてさて、そんなわけで「歯の質」と「唾液の分泌量」が、私たちが虫歯になる原因のひとつになっているわけです。しかし「歯の質が弱い」からといって、案ずることはありません。最近ではフッ素が歯を再石灰化して虫歯を予防することが分かっており、普及も進んでいます。きちんとケアをして、老後になっても美味しい食事が楽しめるように、健康な歯でいたいものですね。
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